第6話
(そうだったのか。)
モミの木は泣きたいほどに嬉しかった。
(僕はこのために、ここへきたんだ。北の大陸の一番北に、僕はいてもいいんだ。)
モミの木は冷たい北風に胸を張った。
(もう二度と、倒れようなんて思わないぞ。)
モミの木はかたく決心した。
(北の大陸の一番北で、僕は必要とされているんだ!)
吹雪は夜明けになってようやくやんだ。
枝の下に眠ってしまった動物たちを抱え、毅然と立っているモミの木に朝日がまぶしく降り注ぎ、モミの木は燃え立つように光り輝いていた。
Tree at the northern end 青羽根 @seiuaohane
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