あり得るかも知れない物語の一幕 その3
「さてさて、ちゃんと使ってくれましたかね?」
マリーにお香を渡した日の夜、ルーさんとマリーがちゃんと同じ部屋で寝てるかを確認しに来たメリー。
「うん、煙出てますし使ってますね」
そう思って部屋を少し覗くと、
(ってルーさん寝てます!? マリー一人でし始めてる!? ルーさんこわっ!?)
マリーが一人でしてる隣で熟睡してるルーさんを見て驚くメリー。
(うわー、どうしましょう。そのうちマリーが襲いそうですけど性知識ほとんど教えてないからなー……)
基本ルーさんとメリーが勉強を教えているのだが、性知識をどちらが教えるかと押し付けあいになりマリーは基本的な身体の構造しか教えられていない。
ちゃんと教えておくべきだったと考えていると少し腰に力が入りにくくなっているのに気づく。
(あ、どうしましょう。油断してました)
風に乗った煙を少しずつ吸っているのに気づかず媚薬の効果が出て来てしまったメリー。
(夜中とはいえ、外でなんて……)
そう考えてはいるものの手は下腹部へと伸びていく。
スカートの上から秘部を触ったとたん、媚薬の効果が想像以上に強いものだったと知ることになる。
(わ、凄い濡れてる……)
スカートの上からでも下着が濡れてしまっているのがわかるほどになっていた。
(でも外で脱ぐなんて出来ないし)
今すぐ脱いで触りたいという思いと外で脱ぐなんて出来ないという葛藤をしているうちに媚薬の効果はどんどん強くなり息が荒くなっていく。
(家に帰ろうにも腰抜けかけてて動けないしいっそマリーと一緒に……)
おば……お姉さんに言われたことを思い出し、恥ずかしいながらも嬉しいと思ってしまった三人で幸せになるという未来を想像し、笑みをこぼす。
そんなことを考えているとマリーが布団から起き上がり、ルーさんに馬乗りになった。夜目でもわかるほど赤くなった顔に慣れない快楽によって涙目になっている。
ルーさんが上半身だけを起こしマリーと向かい合う。
(あぁ、私もそこに居たかった……)
胸に小さなトゲが刺さったような痛みを覚えた瞬間、
ぷつん
糸が切れたような音がしたと思ったらメリーの足元が跳ね上がる。
「えっ!?」
驚きそれだけを言い残しマリーとルーさんがいる部屋へと吸い込まれ、引っ掛かりもなく窓の内側へと消えていった。
「よっし大成功!」
「いやいやいや、貴女なにしてんの!?」
「何って恋のスナイパー?」
「いつあんなトラップ仕掛けてたんですか!?しかも計算されつくしてちょうど背中に抱きつくように跳ばすってどんな技術!?」
「そりゃまぁ、カナメの図書館で調べたけど。あの子達の恋愛模様にむかむかしてきたし。ってあんたさんざんよくもおばさんって言ったわね。シキ、覚悟はいいかしら?」
「おばさんどころかおばあちゃんでしょうが」
「体は二十代のものよ失礼な!」
「実年齢考えろ世界の始まりから生きてるくせに」
「ミディアム?それともロストがいいかしら?」
「炎はやめて消火めんどくさい」
「大丈夫大丈夫、語り部のあんたなら簡単でしょ」
「全責任聖竜宛にして届けるけどよろしい?」
「ってかあんたが出てくるなっての。カナメの図書館でもないんだから」
「そりゃ貴女がツッコミどころしかなかったせいですよ。それでなくても私主観の語り口は苦手だというのに」
「はいはい、帰るわよ」
「まったく……」
エロいの(タイトル思い付かん) シキ @yukishiro8813
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