登場人物各人

主人公と各章の登場人物たち


――主人公


無所属:サイ(スィーとも)

文明開化、技術も日進月歩著しい世界の欧州圏にある空き家を勝手に間借りして主に暗殺業で収入をえていた暗殺者。世界的にも類を見ぬ強さ故「沈黙の悪魔」など当人からしたら頭悪い異名をつけられていたのだが、ひょんなことでまったく異文化の戦国時代で時を止めた島国、そこの東に位置する国の樹海で迷子に。その後、東国最強と誉高いウッペ国に傭兵として雇われることになる。


――壱章(主要登場人物)


ウッペ:ココリエ

東国最強ウッペ国の次期王位継承者。長子であり王子。肉体の強さ、体力などに関しては戦国一貧弱と負の印を押されているが、弓矢の扱いに関しては右にでる者のない達人。女性が大の苦手で幼女からおばさんまであらゆる女性から脱兎、逃げまくるというかなりの奥手。戦国でも珍しい特殊属性の使い手。


ウッペ:セツキ

東国最強ウッペ国の武士もののふたちの中でも武将頭という実質の大将を任せられる若き天才。戦国の美人麗人の三人に数えられる美しい顔をしているが、戦の腕前もまたすさまじいものがあり、戦国の強者という証、「柱」の一本を担う。ウッペの鷹と異名を取る槍術の達人。実家が下級貴族である為か、本人の性質のせいか礼節にうるさく、殺人説教が得意で王族であろうと必要とあらば叱り飛ばす。戦国では一、二の凶暴性を持つ雷の使い手。


ウッペ:ケンゴク

東国最強ウッペ国の副武将頭でセツキの右腕。セツキのことを歳下ながら尊敬しており「大将」と呼んで慕っている。恵まれた体躯の偉丈夫。セツキより少し格はさがるが戦国の「柱」であり、ウッペの虎と異名を取る。戦においては特注の大太刀を振るい、肉弾戦も自信あり。農村出身者で、下の者の面倒をよく見ていた為か荒い見た目に反して柔らかな部分がある。頑強な盾をつくることが得意な土属性の使い手だが、攻撃に関しては火属性も使う器用な男。


ウッペ:ファバル

東国ウッペの現王。王家では次男坊として生まれたがやむを得ない理由で王に着任したが、戦国の代表的な王に数えられるほどの名君。時たま冷たい、王に相応しい顔を見せるがそれ以外は子煩悩の、もとい親バカな美形おっさん。


ウッペ:ルィルシエ

東国ウッペの王女。可憐で可愛らしい見た目の女の子。活発でお転婆な部分があるも姫様らしい気品と麗しい仕草で将来に期待されている。毎日相当量の勉強をして教養を身につけている。が、時々勝手に無許可で城下町におりて飴を買い食いするので、その度叱られるが、なぜかへこたれない謎の根性の持ち主。


――壱章


メトレット:テシベル

ウッペの隣国メトレットの現王。父王が他界すると同時に弟たちを半殺しにして無理矢理王位におさまった蛮王。四十路も近い筈がまだ十二歳であるルィルシエに一方的に想いを募らせている。火属性の使い手。


メトレット:テスルハ

ウッペの隣国メトレットの右大臣。父王が他界し、王位を狙ったが兄王子に敗れ、右大臣と名ばかりの位を。兄同様ルィルシエに気持ち悪い妄想を抱く三十路後半男。水属性の使い手。


メトレット:テセレベ

ウッペの隣国メトレットの左大臣。テスルハ同様父王の跡を狙ったが及ばず、左大臣に着任。兄たち同様ルィルシエに下品な妄想と想いを募らせている三十路の男。


メトレット~?:カザオニ

流れの傭兵でありながら恐ろしい実力故に「柱」の称号を賜る海外から来た出稼ぎ者の忍。名にあるまま、風属性の使い手で鬼の角を模した鉄兜を目深にかぶっている。寡黙、というか声を発さないので意思疎通が難しいが、金さえ積めば誰にでも仕える根なし草。雇用主に必ずの勝利を約束する代わり、特大の不吉をも届ける。


――弐章


センジュ:ユイトキ

元農夫の武士。体の弱い母の為に兵役に就くことを決意した孝行者。農業で鍛えられた腕で農具を捨て、刀を振るうが、そのことに心をひどく痛めている。


センジュ:カグラ

センジュの王。元はゼブゼラシュという名だった国の農民だったが、あまりの重税と圧政に耐えかねて農民を率い叛乱を起こす。当時の王、イチュシオを玉座から蹴落とし、叛乱主導の責任を取り、王位に就いた。心優しく、民が安心して暮らせるように国をまわしているが、突如ウッペに牙を剝く。


――参章


クィレビエ・ネンテ:リィク・ナフト・ペア・ネモレ・ヴォエフ

戦国島、桜蕾ノ島おうらいじまの最高位貴族にして唯一の支配者、帝。戦国島には珍しい金髪と左右で色の違うオッドアイの男。絶対君主としての威厳はもちろんあるのだが、色にかまけすぎるきらいがある。が、美女なのは当然でその中でも特上の美女が好み。献上される名産の中でもウッペの澄酒を気に入っている。


クィレビエ・ネンテ:ネフ・リコ(ネコ)

戦国の強者たちの中でも「柱」ですらかすむ実力を持つ「強者つわもの」の称号を賜る武の達人。見目麗しく、柔らかな物腰と言動であるが、帝の側近だけあり油断ならない。名前からもじって帝からはネコと呼ばれている。


クィレビエ・ネンテ:イキバ

戦国の強者たちの中でも「柱」ですらかすむ実力を持つ「強者つわもの」の称号を賜る武人。七尺(約二メートル)すら超す長身と、鋼の筋肉で力自慢。彼と拳を交えた者はすべからく挽き肉になると云われている。農村出身だったが、恵まれた巨躯を買われ、帝を守護する任を受けることもしばしば。


――肆章


フロボロ:ナナャイ

北にある国のひとつだが、国土小さく他の北国と比べるとかなり劣っている国の王。特に北国最大の国土と都を有すオルボウル王を恐れている。


オルボウル:ジグスエント・クート

北国で最大の国土と都を有する国オルボウルの若き国王。戦国の美人麗人の三人に数えられるほどの素晴らしい美貌の持ち主。だが、性質の方は陰湿な蛇が可愛く思えるほど狡猾で残酷。礼儀正しいが時たま慇懃無礼を行う。戦国では最高の頭脳を持ち、医師の免状をいただく切れ者でもある。


オルボウル:ハクハ

戦国島に出稼ぎにきた忍。南で口が見つからず、妹と一緒に北へ旅してきてゆき倒れていたところをジグスエントに拾われた。結構、かなり軽い調子が目立つ男。


オルボウル:コトハ

戦国島に出稼ぎにきた忍。南で口が見つからず兄ハクハと一緒に北へ旅をしてジグスエントに拾われた。軽い兄とは逆に物静か。


――伍章


シレンピ・ポウ:チェレイレ

南国シレンピ・ポウの王妃。見目麗しいが毒々しい着物を着ていてどことなく蜘蛛を思わせる三児の母親。息子、デオレドを特別可愛がっている。


シレンピ・ポウ:デオレド

南国シレンピ・ポウの王子。チェレイレに溺愛されて育った為かかなりの我儘で色にだらしがない。あることではココリエにすら劣っているが本人気にしていない。


シレンピ・ポウ:ヴァティラ

南国シレンピ・ポウの第一王女。可憐で野に咲く花のような妙齢の女。戦国には珍しくあることに秀でている。あまり飾り気がないというより必要以上に着飾ることに意味を見ない。


シレンピ・ポウ:キュニエ

南国シレンピ・ポウの第二王女。まだ歳幼い少女だが、戦国には珍しいあることに姉同様秀でている。姉と違い着飾ることが好き。


シレンピ・ポウ:トウジロウ

南国シレンピ・ポウに仕える武士。戦国の「柱」として誉を受けている戦士で嵐のトウジロウと呼ばれる。戦国に唯一の三種混合属性「嵐」の持ち主。戦時は巨大な鋸状の大刀を用いる。


?:?

サイの命を狙う謎の男。他人の肉体に憑依することができる異能力の持ち主。名は不明で正体も不明という不明尽くしの男だが、神を自称している。


――陸章


ウッペ:チモク

セツキの祖父。かつては戦国の「柱」と誉を受けていた体術の達人。御年九十近いが超スーパーウルトラ元気でウッペの最強説教魔たるセツキを破天荒に振りまわすいろんな意味で御人。孫のセツキを可愛がっている。


トェービエ:セネミス

北国トェービエの王女。黒髪黒瞳の美女だが、煙草を吸い、かなり砕けた王女らしからぬ言動をする。北国で彼女を知らない者がいないほどの、とある才能に秀でていて非常に恐れられている。彼女の琴線に触れる者は最悪夢を見て死ぬ。


――漆章


コウケンの森:アカツキ

カシウアザンカ近辺にある中で最も大きな森の主。人間が大嫌いだが、そのひと以上に慈悲の心は持ちあわせているようで、獣肉などと交換で難病の症状を和らげる作用のある霊水をわけてやることもある。それ以外に人間と交流はない。


?:からす

所属不明な上、正体も不明な女。だが、なにかとサイによくしてくれる謎深い女性。おふざけとまじめを交互にきっかり切り替えてするとっても器用なひと。


――捌章


エネゼウル:マシーズ・エナ(マナ)

南の離島、エネゼウルの王。戦国に唯一の女王として有名。王としての傑出した才と美貌を持ち、国を守るのに妖しの術をも使う。国に常から結界を張り、外の、本島からの渡航者を拒絶している。夢視むしという特異な能力ちからで己の愛する闇を持つ者を見つけだす。


エネゼウル:ツチイエ

南の離島、エネゼウル女王の側近にして戦士。戦国の柱に匹敵、果ては抜き去るほどの実力者だが、その実態は謎に包まれている。戦国には珍しく現物の武器、仕込み刃を随所に散らしている緋色の傘を武器に戦う。


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