第2話 恋は人を変える

突然だが話をしよう。恋は人を変えるという話を。


私が前に恋をしたのは中一の頃であった。憧れとも恋慕ともつかない感情に苛まれ、見られたい。認識されたいと願って、私は相手に意識されるように姿を変えていった。


恋というのはある意味シンデレラにかけられた魔法のようなものかもしれない。


女らしく。友達とつるみ、それでいて真面目なように制服をキチンと着て。


どこまでも真面目な優等生であろうとした。


しかし忘れてはいけないが、恋というのはいつか終わりが来るものだ。


私は恋が冷める前に一方的に終わりが来て、きっと私にかけられた魔法はまだ12時にならなかったのだろう。


私はもう恋なんてしたくない。傷ついた。疲れた。と言いながらも魔法にかけられていた。女らしく。女らしく。


しかしどういう訳かこの春に、その魔法は解けてしまったらしい。

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ショートショート 礫瀬杏珠 @rekiseannzu

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