ショートショート

礫瀬杏珠

第1話 怠惰な私

時計は深夜1時を回った。


私は自分を怠惰な人間であると表現する。

そんな人間だから大学生にもなって課題を後回しにして、週末に痛い目を見ているのだ。


小学校の頃からその癖は抜けない。


宿題を後回しにして、夜中とか朝早くに起きて片付ける。その癖電卓を使うのを嫌う。


中学、高校とその癖は抜けず、問題集の答えを写すのを嫌う。エナジードリンクをポカリスエットで薄めて飲みながら問題を解く。


今だってそうだ。わざわざ試料を作らなくたってネットで調べればすぐに出てくるのを知っている癖にスーパーで食材を買い込んではわざわざ試料を作って重さを計っている。


働かない頭で包丁を握りながら、「私はこんなことをするために大学に入ったのか」と悩むのだ。


魚肉ソーセージを輪切りにして品数を稼ぐくせに、ネットで調べるのを嫌う。


いつだって私のやり方は効率が悪い。

それはきっと、私が怠惰な故の罰なのだろう。

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