異能力バトル。
設定や使いどころを誤ると陳腐な展開になってしまうリスクを、まさかダジャレで解決してしまうとは・・・・・・
その発想が見事と言うか、苦労を察せされて感嘆してしまう。いや、思い付くの簡単じゃあないよ、これ。ましてや各エピソードタイトルまでのこだわりっぷり。
フェリク・ステラ側——ディバルの思惑、主人公の妹の真相、気になる部分はまだまだあり、能力——ブレスの名前と実態のシュールさの対比と相まって、スケールが大きいのか逆に小ささを楽しめばいいのか、なかなか絶妙なさじ加減の面白さ。
ギャグばかりに寄らず、バトル方面も評価出来るのは、能力にちゃんと頭脳要素と覚醒シーンという外せないポイントをおさえてるところ。
さらにはラブコメ要素もふまえて、魅力的なヒロインが存在する。
ボクのお気に入りは、生徒会長の柏木清華ちゃん! あ、なんか、みかんが飛んできそうっ!?
ある世界の王を決める戦いに協力を求められた選ばれし数名の男女。ブレスという能力を与えられ、パートナーと共にいざ激戦の地へ……。
これだけ読んだらただのバトルもの。しかし、本作は違う。なぜなら……能力名がすべてダジャレなんです(笑)
黙っていれば格好いい能力も中にはありますが、能力名を聞いたら台無しになったり……特に主人公の健正、こんな能力(能力名も含め)でどう戦うの?と思うかもしれませんが、そこはご心配に及びません。繰り広げられる戦いは普通にガチなバトルです。
戦いに不向きな能力。しかし、だからこそ頭脳戦も加わり、上手く利用して勝ちを得ようとする。これぞ本来のバトルものでないでしょうか。
一体どうやって健正が勝ち抜いて行くのか。そこが本作の一番の見所ではないかと個人的には思いますね。是非一度拝読してみてください。