就活が終わらない〜 ネバネバギブアップ!?

犬好 狂

第1話

いきなりですが、俺無職になりました。

理由は、会社都合による解雇。

俺自身会社に対して貢献をしているつもりだったが、上司からしてみればタダの驚異だったらしい。

年功序列体制の組織内において、『実績を出すことは禁則事項にあたる』との理不尽な理由が突きつけられ、しまいには『辞めなければ横領の罪で処分する準備がある』とのでっち上げの脅迫までしてくる始末。

散々な言動に対して、怒りを超えた俺は冷ややかな目で上司達にこう言い放った。

『そんなに辞めて欲しければ辞めてやる!ただし、貴方達が行ってきた不正については全て告発させて頂きますのであしからず。』

いつかこんな事が起きるかもしれないと教えてくれていた師匠がいたからこそ、この日に備えてくる事ができた。しかし、お粗末な展開ではあるが、即行動に移すことにする。

まず、パソコン内に保存してあったデータファイルを全てバックアップフォルダから移動させ、証拠品として全て転送しておいた。その後全てパソコン内のファイルは共有ファイルに移動後に削除。これで、復元は難しくなる。なぜなら、共有ファイルは自動更新になっており、バックアップの上書きに時間制限があるからだ。これで改ざんを未然に防止し、俺に対抗することはできなくなる。何事も準備が大事だと痛感させられることを今更ながら実感していた。

その日からは、会社に出ないことになっており、有給消化後の解雇となった。

散々周りからは辞める理由を追求されたが、話すつもりもなく、会社側の対応を見ることとした。

しばらくしてから、会社からの呼び出しはあったが、相手からの示談要求に応じることは一切しないと決めていたので断り続けた。

そんな日々を過ごしていると、気がつけば二カ月が経っており、再就職に向けて動くことができるようになった。

余談ではあるが、俺が辞めたその会社はその後俺が抜けたことにより、トラブルとクレームの嵐になっていると連絡が入ったが無視した。責任は『自分達』で取ってくださいと誰もいない中、俺は1人呟いていた。

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