下痢と空腹

1/21  inカトマンズ 

 

 早朝に目を覚ます。昨日と違い、バイクに車のエンジン音、人の話声など聞こえ、街が動いている気配がする。まずジョイントで一服いれる。気持ちいいが、腹が気持ち悪い。ゲップにほのかに卵の臭いがする。体はおもく、気持ち悪いのでゲロを吐くことにする。昨日、お菓子を食べた後の不安が的中する。トイレで大量に吐く。臭い! 次はゲリとお決まりのコースだ。すっきりして体はかるくなるが、再びスウェル(便通)が、、、 今日こそは美味しい食事をとろうと決めて楽しみにしていたのに、、、 一日断食すること決める。食べると腹のウィルスが活発になってしまう。


 ぶりって本を読み、ごろごろする。シャワーを浴び、洗濯をすると時刻は昼前だ。外にでることにする。


 街は昨日とすっかりかわって多くの人でにぎわっている。朝のカトマンズを見るのは初めてだ。お香の香りが街をおおっている。


 コダックでCDをやき、デューバースクエアのほうへ向かう。道は細く、慣れないとすぐに迷いそう。たくさんの観光客向けの店は、見る人によっては嫌かもしれないけど、自分はわりと嫌いじゃない。


 寺がある場所に着くと、武装した青の迷彩服の警察がうじゃうじゃいる。食べ物をわけあったり、つめを切ったりと暇らしく、まるでやる気が感じられない。空腹でそれ以上歩く気がしないので、宿の戻ることにする。空腹ってこんなにつらかったけ?


 スーパーに寄り、大量の飴を買い、それで飢えをしのぐことにする。マンゴー味の美味しい飴だ。部屋に戻り一服入れる。だらだらして寝てしまう。


 夕方頃に起きて一服入れる。やることもないので外に出る。本屋があり、のぞいてみると大量の日本語本が置いてある。“金持ち父さん”の本をネパールで見るとは、海外じゃ目にすることのなさそうな本が置いてある。小さなブックオフみたいだ。


 ぶりっているおかげですさまじい集中力を発揮し、大量のほんを選ぶ。理性が働かないので完全な衝動買い、会計で2000ルピーを超えていてびっくりする。けど、現実感がなく、どんな状況か把握できない。まあいいや。


 宿に戻る途中、一人のプッシャーに“コーク”を売りつけられる。カトマンズはどのネタも安い! これで充分に効くようだったら最高だ。ただでさえ沈没気味なのに、これでは動く気もうせてくる。とにかくカトマンズは良い街だ。


 部屋に戻り、一服入れて石丸元璋の“フラッシュバックダイアリー”を読みはじめる。×山がお勧めしていた作家だ、なつかしい。まさか、こんな場所で読むとは思わなかった。おもしろい!!! なぜか読む気になれなかった本だったけど、読んでみると笑いがとまらない。こんなに“うける”本だったなんて、あの時読まなくてよかった。クレイジーな普段の生活内容は濃くてぶっとんでいる。なにせシャブ中! こんな人がいたんだ。覚めたらぶりる。そして本を読み続ける。


 夜になり、あまりの空腹に耐えられず、昨日買ったピザパンを食べる。うーん、胃にしみるうまさ。しかし、なんて意志が弱いのだろう。食べながら本を読み続け、そのまま寝てしまう。


 本ってこんなに楽しかったけ?

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