とにかくジャンベ
1/8 inジョンディエン
早朝に目が覚める。歯を磨き、顔を洗ってうん○をする。いつものパターンだ。すぐにでも一服入れたいところだけど、我慢して日記を書く。ぶり(大麻を吸う)らないで日記を書くのは久しぶりかも。しかし、普段のぶり過ぎているせいか、文章がまとまらず、話がとんでしまう。いきあたりばったりだ。
日記を書き終えて今日の一発目を吸う。大事に時間を使わないと、一発目のとびをむだにしちゃう。準備をしてから着火する。昨日と同じく、省エネのため一度にたくさんの煙を吸い込み、限界まで肺の中におさめる。息苦しくなるが、“とび”は純粋で量は少なくてすむ。
すぐに曲をかけて、ジャンベをたたき始める。ジャンベ熱が再び戻ってきた。予定もなく、暇な時間はとにかくジャンベだ。適当にたたく。
昼になり、何も食べていないのでいつもの食堂に行く。すっかり顔なじみになったおばさんに適当に頼む。ここの具のしいたけは、うまみたっぷりで極上にうまい。特にさおの部分がたまらない。
ホテルに戻り、今日分を含めた宿代を支払う。明日は早起きしなきゃ。大麻はだいぶぬけ、体は軽いのでジャンベを持って山登りに出かける。
昨日の小山の向かいの小山に登るため、道を探すがみつからない。山の裏側から道を探すがちょっときつそうだ。しかたなく昨日の山に登ることにする。
反対側の斜面から登るとまた違った景色が楽しめる。真っ青な空に向かって、乾いた砂利の地面を歩いていると、高地にいるのだと実感する。山は風が吹き荒れていて、背の低い松の木がうなり、不気味な音がひびく。松の木がたくさん生えていて、まさに松山だ!
ジャンベを首からぶら下げてたたく。なんかしっくりこない。皮が湿っていて、音が鈍い気がする。まわりを気にせずにたたくのはドンデット以来だ。本当に久しぶりだ。
さっそく本日の二発目をかます。岩に座って目を閉じて三服吸う。そのままの状態で少しジャンベをたたく。きまりはじめてから景色を見れば感動すると思い、目を開けると、あれ? 日射しが強すぎて目が開けられない! それでも景色は綺麗だ。
立ち歩きながらジャンベをたたきまくる。時間がたつにつれて皮は乾き始めて、張りがでてくる。こうなるとジャンベはさらに楽しくなる。指も慣れてきて、力いっぱいたたいても大丈夫。好きなようにたたいては休憩し、立ったり座ったり、妄想しながらたたいたり、頭がおかしくなる。音に集中するので、たまにはっとなる。もし、この音が町全体に聞こえていたらうるさいだろう。だけどどうでもいいや。誰もいないところでたたくと、まわりを気にしなくていいからやりやすい。
後半から頭痛が始まる。最近、夕方になると頭が痛くなる。酸欠? それとも大麻のせいで水分を奪われるから? たたいてはちょっと休憩する。風が強く、日差しが強いのも関係しているのかもしれない。さすがに疲れて、手も痛くなったので下山する。
部屋に戻り一服入れてゲバラCDを聴きながらベッドに横たわる。うーん、頭が痛い。リラックスして全曲を聴き終ったので片付けようとすると、ガチャッ! 突然ドアが開き、日本人が入ってくる。ダパンプのケンに似ている。まさか、このホテルに人がやってくるとは思っていなかったのでびっくりする。完全に無防備だった。すこし話をしてからシャワーを浴びに行く。寒い場所のシャワーはエネルギーを使う。
さっぱりしてからいつもの食堂でメシを食い、近くの店でネットする。日本語が使えず、返信したくてもできない。一方的に読むだけだと、すっきりしないからいやだ。日本人を焼き鳥に誘おうと部屋に戻るがいない。外でばったり会うかもしれないので一人で焼き鳥の屋台へ行く。
一人で寒い夜の空の下で焼き鳥を食べていると、お酒が恋しくなる。もう一度部屋へ戻り、日本人の人を待つことにする。
10分ぐらいして帰ってくるが、とても寒そうにしている。焼き鳥屋は外だから行かないかなと思うが、誘ってみるとOKサイン。アッキーさんという名らしく、米の焼酎を持って外に出かける。適当に頼みながら酒を飲む。
くだけた感じで、明るくて楽しい人だ。初対面なのに、遠慮なしにつっこんでくるのでとても話しやすい。こういう人は好きだ。東京でデザイナーをしているらしく、その雰囲気が外観に表れている。満足したところで部屋に戻る。
お酒好きの人はぶりらない人が多いので、やめておこうと思ってると、アッキーさんからあおってくる。こういうはばのある人が一番良い。二人でぶりってカーペンターズを聴き、ゲバラを聞く。変な選曲だけど、それはそれでとてもいい。
人と話すのが楽しくて会話し足りないが、アッキーさんがかたまって眠ってしまう。しかたなく寝ることにする。
一人よりも二人! 話し相手がいるだけで、これ程気分が変わるものなのかとびっくりした。一人だと自分との会話で刺激が少ない、それに余計なことを考えてしまう。こんなに弱っている自分も珍しい気がする。明日はいよいよラサに向けて出発だ。不安はたくさんあるが、いろいろ考えたりしているうちにだいぶ落ち着いてきた。
明日が本当に楽しみだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます