寒くなってきた

12/19  inホイアン 


 目が覚めると外は明るい。ぼーっと外を眺める。


 九時ぐらいにホテルの前に到着する。深い眠りだったので、今回のバス移動ははやく感じる。あっちゃんとみかちゃんと一緒に、ホテルのドミ(ドミトリー)を見せてもらう。きれいな部屋はベッドが3つ並んでいる。それにテレビもついている。相部屋で一人3ドル、少し迷うが他を探すよりも良さそうだし、シェアするのは初だ。ここに決める。


 荷物を置き、3人でメシを食べに行くことにする。誰かと一緒にメシを食べるのは久しぶりだ。外は雨が降っているので、ホテルの前の雑貨屋でビニールのレインコートを買う。これで雨もへっちゃらだ。


 レストランはぽつぽつとあるが、屋台はほとんどない。雨のせいか、町全体が暗く感じる。歩いている人は少なく、活気がない。5分ほど歩いたところに安そうな店があるので、そこで食べることにする。


 汁なしうどんみたいで、温かくておいしい。それにしても、ホイアンはニャチャンに比べるとワンランク寒い。暖かい寸胴からは湯気が出ていて、町並みとよく似あっている。食事を終え、3人であたりを散歩する。


 店頭に、しっかりしたつくりのポンチョがかざってあり、ためらわずに買う。これで雨の日でも自由に行動できる。どこに行くかという話になり、どこに何があるのかわからないので別々に行動する。


 ネットカフェに寄り、洋服屋がたくさんあるので見てまわる。着れそうな服を見ていると、店のおばちゃんにすすめられる。おしに負け、黒のフリースを買う。13ドルと高めだが、着るとかなり暖かい。サイズが多少大きいのが気になるが、少しの間しか着ないので、まあいいか。


 部屋に戻ると、あっちゃんは寝ている。ぶりって音楽を聴いていると、あっちゃんが目を覚ます。ちょうどめがねのみかちゃんも帰ってくる。バイクを借りて近くの遺跡を見てまわる予定だったが、雨ではさすがにきびしい。やることもなく、音楽を聴いていると眠くなる。ニャチャンで買ったボブのCDは良い感じだ。


 夜に目が覚める、が、だれもいない。ホテルのレストランでメシを食べていると、みかちゃんに会う。どうやら何度も起こそうとしたが、無反応だったらしい。メシを食べ終わり部屋に戻る。ぶりってCDを聞きながら本を読む。他の二人も本に熱中して、無言だ。そのままベッドに横になっていると、眠ってしまう。


 初めての相部屋は不思議な感じがする。二人の会話に入れないことはたびたびあり、戸惑うことが何度かある。「一人だったら?」あるいは、「二人とも大麻を吸う人だったら?」など、傲慢な態度で二人を見てしまうことがある。けれど、二人ともとても良い人だ。一人の時間が長かったので、協調性が欠けているのかもしれない。


 人とコミュニケーションをとる時間が必要だと、感じる一日だ。

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