波は良い!

12/18  inニャチャン→ホイアン 


 朝早く目覚める。腹の調子はすっかり回復し、体はうそのように軽い。昼にはチェックアウトしなきゃいけない。一服入れてジャンベをたたく。最近は、部屋でちじこまってしかたたいていない。たまには気にせずにたたきたいものだ。


 風呂に入り、荷造りを終える。レセプションに行き、お姉さんに話しかける。今日はバスがあるか聞くと、あれ? ないらしい。今日も移動できないことにショックを受け、部屋に戻る。暇なので、ホテルの目の前の店でチャリを借り、波をさがしにいく。


 海岸をひたすら走る。昨日よりも波は高く、ばかでかい。インサイドで殺人級の波が、轟音とともにわれている。すごい! 大迫力だ。さらに走る。


 橋のあたりから、波は沖で割れだしている。はやめだがきれいにグーフィー(右にむかって)にわれている。沖からのったら、そうとうロングライドできるはず。パワー満点の波でまきまきだ。さらに走る。


 向かい風が強く、自分の体が衰えたのかと思うぐらい、チャリをこぐのがつらい。突出た海岸に到着し、そこから沖の波を眺める。大きさはある程度しかわからないが、近くに浮いている小舟と比べると、一撃で粉々にしてしまいそうな破壊力がありそう。たぶん、とんでもない大きさだろう。


 ぶりって波を眺め、きれいにわれる場所へ戻る。帰りのチャリは、追い風でらくだ。ぶり(大麻を吸う)って波を眺め続ける。きれいな波がくるとロングライドできる、一分間ぐらいはのれそうだ。


 夕方になり、ホテルに戻るとめがねの女の子がいる。昨日会った日本人の子だ。話しかけると、バスは運行するらしい。


 大急ぎでチェックアウトすると、なんと、二泊分請求される。「えーー!」と思ったが、ホテルで値切るのは気がすすまない。素直に支払う。高くついてしまった。


 待ち時間の間、パソコンでソリティアをやる。なにげに面白く、熱中する。途中でクリアーするのはむりそうに見えて、意外にクリアーできたりしておもしろい。


 そんなことをしているうちにバスは到着する。荷物を持って外に出ると、“めがね”と一緒にいるのはあつし君。今ニャチャンに着いたとこらしいが、そのままホイアンに行くことになる。“めがね”、あっちゃん、自分、後部座席にすわる。なんか、よくわからない展開だけどおもしろい。バスは発車し、すこし話してからみんな眠り始める。


 眠くないので外を見ながら妄想する。ぼーっとしていると、日本をまわるのもいいかなと思ってくる。福岡で金を貯めてから鈍行列車で町田まで戻る。すくない荷物で、色々な人と出会いながら帰る。電車ですこしずつ帰るのは、飛行機で帰るよりも断然楽しそう。船もいいかもしれない。


 そして町田に戻ってから、治験→バイト→オーストラリア、それかフランス→東南アジア→南米→日本→シルクロード→南アフリカ→本番! といったストーリで進む。想像は楽しい! 考えたらわくわくしてしまう。


 ジャンベはそうとううまくなり、英語も達者になっている。図太さはかなりレベルアップするし、歴史も学べる。たくさんの知恵を得ることができる。これだけ遊べば、仕事もやる気で満ち溢れているはず。


 深夜のバスの車内、一人で妄想しつづける。


 旅は楽しいな!

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