ツアーもいいかも?メコンデルタ

12/13  inホーチミン 


 二日連続のツアーだ。今日も朝早く起きてハッピーツアーに行く。ホーチミンに来て何度も見かけた日本人がいるので話しかける。ラサにいたらしく、チベット情報を知っている。じんぼさんと違って楽観的な人だ。


 シャングリラから行く人が多く、やっぱりシャングリラからがいいらしい。ラサからカトマンズに行くにもバスがあり、チャーターするよりも安いらしい。またチベット情報が増えた。朝食を食べてその人と別れる。


 バスが到着したので乗りこむ。青年ガイドが説明を始め、バスは出発する。


 1時間ほどでミトーに到着する。ボートに乗り換える。再びメコン河にやって来た。景色に見とれる。上流よりも濁っていない気がする。ボートは進みジャングルに入っていく。なんて良い景色だ! 流れがほとんどなく、うっそうとしている。河岸には背の高い植物が生えていて、まさにジャングルだ。


 ジャングルの中でボートは停まり、島に上陸する。河にある島は独特な雰囲気がある。


 バナナの木やパパイヤの草が生えていて感動する。ココナッツキャンディーの製作所を見学し、試食する。なんか遠足に来ているみたいだ。テーブルに茶が用意されていて一休みする。欧米人たちとたどたどしい会話をする。うーん、よく聞き取れないからよくわからない。


 ニシキヘビと戯れる。初めて見たがとてもかわいい。欲しくなってしまう。


 再びボート乗り、別の島へ移動する。そこで昼飯を食べる。小判ぐらいの肉が乗ったごはんは恐ろしく量がすくなく、不満足だ。アメリカ人男子三人とテーブルを囲むが、言葉ほとんど聞き取れない。最近、「英語がしゃべれるようになった」と喜んでいてけど、あまかった。ヒアリングに集中する。


 ボートに乗り、次の島へ移動する。小屋にたどり着き、長いテーブルには多種多様のフルーツが用意され、それを食べながら地元の音楽を鑑賞する。おじさんがギターを弾きながら、ペダルみたいな木の楽器を踏んでいる。一瞬で欲しくなる。


 ショーが終了し、おじさんにどこで売っているのか聞き、2個買う。完全な衝動買い。これを使って何かできそうだ。


 近くのお土産屋をみてから、小舟に乗る。川幅はせまく、よりジャングルといった感じだが、ところどころに民家がある。小舟が行き来していて、生活に感心してしまう。


 ジャングルの中をぬけるとボートが待機していて、乗り換える。ボートは朝に出発した岸にもどり、再びバスに乗る。昼はとっくに過ぎていて疲れ気味だ。このまま終了するのかと思いきや、動物園に到着する。


 サルが5頭ぐらいに、ヤマアラシ、蛇がいる小さな動物園。その中の1匹のサルがターザンのような動きをしている。長い手を使い、ふりこのように木を伝っていく。とっても楽しそうだ。暇なのでながめていると、完全に檻のスペースに慣れていることに気がつく。見ていてかわいそうになってしまう。自分だったら外に出て、自由に木を使って遊びたくなってしまう。きっと檻にあきてしまうだろう。


 動物の気持ちを考えたら動物園なんか見ていられない。檻に閉じ込められ、仲間は少なく、自由に動けない。人間に一日中見られる毎日が死ぬまで続く。考えただけでぞっとする。自然は残酷だ。家畜を飼うのも、家畜の気持ちになったらかわいそうで飼えない。


 生きるためには相手を殺さなければいけない。たくさんの死のうえに生がなりたっている。殺されないように生きるためには、知恵をつけなきゃいけない。獲物はどういう動きをするのか? どんな敵がいるのか? 相手の立場になって考え、観察して分析する。戦争も同じだし、スポーツも、商売も、政治もそう。生きていくうえで分析は必ずするし、必要なことだ。相手がわかれば、相手をコントロールできる。


 サルを見ていて、相手の立場になって考えるのは重要なことだと思うが、感情まで考えてしまうと同情してしまう。同情したらなにもできない。情ほど嫌なものはない、などついついシリアスに考えてしまう。


 時間になってもバスは出発しないので、サンドイッチを食べながら待つ。ワンデイ組みは別のバスに乗り、ツアーのみんなとお別れする。笑顔がたくさんあるツアーで満足だ。ツアーって、使い方によっては良いかもしれない。ツアーに対しての見方が変わる。


 雨がたくさん降っている。バスは走り、ホーチミンに到着する。じんぼさんに聞きたいことがあり、ミャンマーについて聞きにいく。


 特にやることもないので宿に戻ろうとすると、売り子が近づいてくる。大麻を持っていて20ドルらしい。おもったより値切れるので4ドルで決着する。自分から進んで買うつもりはなかったが、いがいにうれしい。


 部屋でカンボジア人のようにチョップして、すべて巻いてしまう。一服してジャンベをたたきながら今日買った楽器を試す。試しているうちにひらめき、改造することにする。明日サイゴンセンターで道具を探そう。


 腹がへったので外に行く。ネットカフェに向かって歩いていると、あっ! シェムリアップで会った人だ。パチカの握り方を教えてくれた人と少し話す。アツシという名前らしく、アムステルダムまで行く予定らしい。チベットを抜けていくみたいで、アドレスを交換する。お別れしてネットカフェでペグメールする。


 今日のサルのことを伝えると、ペグちゃんから違った意見が返ってくる。そのサルは生まれたときからそこにいて、広い世界を知らない。安全なその場所はサルにとったら幸せかもしれない。


 たしかにそうだ、広い世界を知っている自分を基準に考えていた。どう考えているかはサルにしかわからないし、本人が幸せと思うなら、それは幸せなこと。うーん、さすがペグちゃん、ガツンときた。考え方によって何でも決まるし、残酷なこともできる。


 例え相手が嫌がっていても、自分が「相手にとったら幸せなこと」と思い込み、相手を殺す。ここで死んだほうが幸せだと思いこめたら、相手を楽に殺せるかもしれない。とにかく、すべての事は自分の考えようできまる。


 なんか考えすぎてわからなくなる。GHに戻り、ぶりって寝る。


 最近、シリアスに考えてしまう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る