ベトナムインパクト

12/12  inホーチミン 


 早朝に起きる。歯を磨いてからハッピーツアーに行く。もらったサービス券で朝食を食べる。なんて素敵なサービスだ。ツアーに行く人が多く、お店は朝からにぎわっている。バスに乗り、クチトンネルツアーは開始する。めがねのおっさんガイド付き、だけど、英語が聞き取れないのでフィーリング。


 一時間ぐらいでトンネルに到着する。いきなり65000ドン回収される。「えっ! 入場料はこみじゃないの?」そうじゃないらしく、軽いボディーブローをうける。


 約15名のツアーはにぎわっていて良い雰囲気、しかし、眠気と英語がしゃべれないということで、少しひっこみ気味だ。道が舗装されている森の中を進み、ゲリラのトラップを見てまわる。“グラップラーバキ”で見たことのあるトラップがあり、感動する。ベトナム兵の人形がところどころに配置され、当時の生活をわかりやすく再現している。北ベトナム側は、使えるものは何でも利用している。

 

 さらに進みトンネルに到着。わくわくしながら中に入ってみると、「えーーー!めちゃせまい!」しゃがめば何とかは入れる広さで、体格のいい欧米人は入るのに苦戦している。小さな電球がところどころにあるが、人が陰になってあまり意味がない。


 真っ暗闇にこのせまさだ、一人でいたら怖いだろう。当時は米兵の恐怖もあるので、すさまじい恐怖感だろう。50メートルぐらい進んで外に出る。たったの50メートルでも長く感じる。こんなトンネルが約250キロも続いているなんて、あきれる距離で、ただ感動するのみ。もう、大きいありだね。


 休憩で用意されてあるタピオカを食べてから先に進む。カメラのバッテリーが切れて写真がとれなくなる。40ドルで買った充電器が使えないことが発覚し、ショックをうける。うーん、どうしよう。


 最後に射撃場を見学する。他のツアー客はライフルを撃っているが、お金のない自分は見ているだけ。初めて見る実弾は映画でみたまんまだ。うらやましい。


 バスに乗り込みクチトンネルツアーはこれで終了。帰りのバスはみんな寝ている。


 ハッピーツアーに到着して、用意されていた昼食を食べる。あまり量がなく、ちょっとしょぼい。メシを食べ終わると、つぎつぎとみんな帰っていく。どうやら戦争博物館に行かない人は帰るらしい。結局、残っているのは自分と異様にもみあげの長い韓国人の男がいる軍団だけだ。


 バスを待っている間に、明日のワンデイメコンデルタツアーと、ハノイまでのバスチケットをとる。本当に安いツアー会社だ。感心してしまう。迎えのバスが到着したので乗り込む。


 10分ほどで博物館に到着し、バスは去っていく。気がついたら手持ちの金があまりない。けど、博物館は安いので問題なく入れる。


 中庭に米軍の戦車と戦闘機、ヘリコプターが展示されている。もちろん本物で迫力がある。建物の中に入り、壁に展示されている写真と文章をみてまわる。ベトナム戦争はすごい! 米軍の数々の残虐な行為の写真は、カンボジアで見た写真よりもさらにひどい。生々しく、見ていて衝撃をうける。初めてベトナム戦争の実態を知る。アメリカ側の侵略は卑劣だ。大量の近代兵器の数々は、えげつない兵器ばかりだ。それにもかかわらず、屈せずに戦いぬき、勝利をおさめた北ベトナムは心から感動する。写真と文章を見ては何度も目頭が熱くなる。人間の持つ力ははかり知れない。平気で残酷なことをする米兵、それに屈しないベトナムゲリラ、全部見終えたときはショックが大きすぎて、人とまともに会えないほど感情が揺さぶられている。博物館に来て本当に良かった。


 帰りのバスがないので、ぎりぎりのお金でバイタクに送ってもらう。まだ夕方なのでカメラの充電器を探しに行くことにする。もしかしたら売れるかもしれないので、使えない充電器を持っていく。歩きながらそれらしき店を一軒ずつ見てまわるが、売っていない。一人のおばちゃんが、サイゴンセンターに行けばあると教えてくれたので、場所を聞き、歩いて向かう。


 電気屋さんで充電器をつなぐコードが売っているので、使えるかためさせてもらうが、やはり使えない。これでわかった! 充電器が悪い。原因がはっきりしたのでさらに歩いてお店を探す。


 サイゴンセンターに到着する。ウィークエンドマーケットほどごちゃごちゃしていないが、似たような感じだ。これなら期待できる。だが、置いてある店が見つからない。どのお店も片付けの準備を始めている。


 センターを出て、コダックの看板がある店に聞くが、やはりない。そのかわり売っている店の場所を教えてもらい、地図を描いてもらう。


 りりしいおっちゃんに礼を言い、歩いて向かっていると、バイクに乗ったコダックのおっちゃんがやってくる。案内してくれるらしく、素直に乗せてもらう。本当に感謝! みんなが言うにはベトナムは人が良くないらしいが、親切な人はちゃんといる。


 カメラ屋に到着し、お礼を言う。“ワット・プー”の帰りを思い出す出来事に、ただ感謝の気持ちがあふれる。さっそく中の店員に聞いてみると。ありそうな雰囲気だ。男が中国製の充電器を持ってくる。試してみると問題なく使える。値段を聞くと15ドル。カンボジアと比べるとずいぶんと安い。買えない値段ではないが、念のために使えない充電器と交換してもらえないかと頼むと、オッケーサイン。やったー! 物を取り替えてそそくさと店を出る。これでカメラが使える。本当にうれしい。


 帰りに親切なおっちゃんの店に寄り、置手紙を置いていく。満足な気分で宿へ戻る。


 部屋に戻り早速充電すると、使える! やっぱり使える! これで問題なし。明日もはやいので、はやめに眠る。


 長くて充実した一日だ。旅はいろいろな出来事があり、感動を与えてくれる。

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