Bigスウェル
12/14 ホーチミン→ニャチャン
早朝に起きる。今日は特に予定がないので、一服してジャンベをたたく。腕がおとろえている。荷物をまとめ、いつでもチェックアウトできる準備をする。
昼になり。チェックアウトして荷物をハッピーツアーに預ける。ニャチャン行きのバスは8時出発、まだまだ時間があるのでサイゴンセンターに行くことにする。
歩いているといつものごとく迷子になる。なんでこんなに迷うのか? 自分でもびっくりする。時間には余裕があるのでぶりって歩きつづける。大きな川ほうまで来てしまい、戻ることにする。あたりの景色は日本に似ていて懐かしみを感じるが、貧しい通りはどの国も雰囲気が共通している。
何とかサイゴンセンターにたどり着く。サイゴンセンターのまわりを歩いていると、楽器屋がある。パチカはないが、バチを見つけて衝動買いする。サイゴンセンターの中に入り、昨日買った楽器につけるペダル部分を探す。
あるお店で木の皿を発見する。2枚で3ドルと言われ、高く感じたので値切る。とにかく値切る。しつこく値切る。が、店のおばちゃんはまったく動く気配なし。目線は合わせず、笑顔もない。売る気がないじゃないかと思ってしまう。結局、おばちゃんに負ける。岩のようにかたいおばちゃんだ。
別のお店で調理器具の鉄の板があるのでそれを買う。特に用がなくなったので、近くの公園のベンチに座り、パチカをふる。すると、一人のベトナム人が話しかけてくる。靴磨きらしく、好意的でパンをくれる。色々と質問してくる良い男だけど、途中からうっとうしくなる。話している言葉が聞きとれず、何を言っているかわからないのに話しかけてくる。身につけている物の値段を聞いてくるのが、一番うっとうしい。
普段ならあまり思わないのに、頭が痛く、疲れているので妙にいらつく。しまいにはタバコを買うから金をくれといわれる。腹が立つ。男は歩いて立ち去る。ベンチに横になって寝ようとすると、警備員に注意される。なんかすっきりしない。
ハッピーツアーの近くまで戻り、ネットカフェで暇つぶしをする。ホーチミンなど、ベトナム戦争関係を調べていると、フィデル・カストロ、チェ・ゲバラと調べてしまう。パソコンの前で感動してしまう。
弁護士から革命家、1度捕まってメキシコへ亡命する。再びキューバへ戻り、キューバ革命を起こす。まるで源頼朝のようだ。たった12人で革命を成し遂げる物語のような事実が、つい50年前に起きたというからすごい。そのメンバーにチェ・ゲバラもいたからさらに驚きだ。チェ・ゲバラについて具体的に知らないので、良い機会なので知らべてみると、感動! 大ショック! チェ・ゲバラという人物に心底感動してしまう。色々なサイトを調べると、そのたびに涙が出そうになる。こんなすばらしく、かっこいい人物が存在していたなんて、ハッピーツアーに場所を移してさらに調べる。
喘息もちなのにラグビーをする。裕福な家庭に生まれ、医大生になると南米をバイクで旅をし、貧困を目の当たりする。大学を卒業して亡命、メキシコでカストロと出会い、革命家になる。崇高な思想、精神力、生き様、どれをとってもすばらしい! かっこよすぎる。人のために生きる! “時の輪”に書かれている戦士とは、まさにチェ・ゲバラみたいな人物だと確信する。キューバから離れるときにカストロに渡した別れの手紙の文章を書き写し、かばんにしまう。カストロとゲバラ、すばらしい友情で、本当の友情をみせてくれた。
バスが到着し乗り込む。ゲバラは大の読書家と知り、読書の重要性を再確認する。というよりも影響されただけ。“時の輪”を久しぶりに集中して読む。
一眠りして夜中に起きると、猛烈に気持ちが悪い。我慢して空いている席に横たわるがきつい。ゲリだ!
気持ち悪さが限界寸前だったのでバスの運ちゃんに停めてもらう。案の定、ゲリがでつづけて、口からはゲロがでる。夕方に食べた肉とサンドイッチのゲロがでる。水気がなく、ねちょねちょしているのはあきらかに消化不良だ。
すっきりしたのでバスに戻るが、10分後には第二波がやってくる。再び運ちゃんに停めてもらうよう言うが、「もう少しだから待て!」みたいな仕草だ。座って待とうとした瞬間、ゲボ! 口の中にゲロがでる。必死で吐き出すのをこらえて、バスを停めてもらう。大急ぎで外に出てゲロとゲリをだす。野ぐそに完全に慣れてしまった。月明かりがきれいでぐっとくる。またすっきりしたのでバスに戻る。
すこしするとレストランに到着する。トイレに閉じこもりゲリとゲロをだす。ゲロは出るものがなくなり血混じりだ。ゲリは水しか出ない。完全に水。外は風が強く嵐みたいだ。もうろうとした頭でベンチに座っていると、一人のおっちゃんが話しかけてくる。「ストマック?」と聞いてくるおっちゃんはりりしい顔をした人だ。良い人の顔というのは共通するらしく、顔を見た瞬間にわかる。娘に会うためにサイゴンに行ったらしく、今はその帰りらしい。
再びトイレに行き、戻ると乗客はバスに戻っている。バスに乗り再び苦痛タイムが始まる。体の節々が痛い気がして、相変わらず気持ちが悪い。けれど、さっきよりはましだ。腹に水がたまるが我慢してこらえる。時間が経つのがおそい。
再びバスは停まり休憩。外に出て野ぐそをする。完全な水が大量に出る。ひどいな。人に見られているが、それどころじゃない。これでだいぶ楽になるが体のだるさはとれない。バスに乗り眠る。
起きてみると外は明るく、大洪水だ。雨のせいでどこも洪水を起こしている。「すげー!」と普段なら感動するが、気持ち悪さでそんな余裕もない。もうろうとしながら外を眺める。バスが通った後の波で、民家に水が入っている。悲惨だけど笑える。小さなカヌーも出ている。ニャチャンは大丈夫なのかと不安になる。ひどいゲリとゲロ、それにこの嵐だ。「浸水してしまうのでは?」と思うような水の量でも、バスは関係なくに進む。とても攻撃的。
外を眺めていると道が見えはじめ、ニャチャンに到着する。到着した先のホテルに値段を聞くと5ドルとまあまあの値段なので、ここに泊まることにする。体は他のホテルをさがす気力がない。ネットは自由に使っていいし、部屋はきれいだ。スプライトを一気に飲み干し、ぶりって寝る。
最悪の下痢だ。
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