変人まささん

12/10  inプノンペン 


 早朝に起きる。眠りたりないが、せっかく起きたのでジャンベを持って外に出る。昨日借りたチャリがないので、宿の人間に聞いてみると、どうやらしまったらしい。1ドルを支払い、もう1日借りる。


 河沿いの道に出ると、六時半なのに人が大勢いる。タイ人もラオス人も早起きだった、アジア人はみんな早起きだな。感心しながら走っていると、河沿いの芝生や広場にも人が大勢いる。セパタクローをやっているおじさん達や、ラジオ体操している人々、色々な人がいる。そういえば今日は土曜日だ。


 人が来なさそうな場所にチャリをとめ、パチカをふる。最近あまりやっていないので思うようにできない。うーん、腹が立つ。時間をあけると、体はすぐに動きを忘れてしまう。河を見ながらシャカシャカしていると、やっぱり人が寄ってくる。人なつっこく、好奇心の強いカンボジア人と話し続ける。1時間ぐらい話してから宿へ戻る。再び寝る。


 昼ごろに起きる。昨日の残りの“サブー”を吸い、外に出る。シェムリアップは食べるところが少なかったが、プノンペンはたくさんお店があるので探すのが楽しい。チャリに乗り、市場のほうへ向かう。


 野菜や果物、肉、魚とさまざまな食材が売られている。ハエの量が半端じゃなく、すさまじい異臭が漂っている。まさに市場だ。近くにあった食堂であつあつのスープとごはんを食べる。カンボジアは何気にメシがうまい。帰りに100リエルの安いアイスを二本食べて戻る。


 宿のレストランには昨日一緒にぶりったまささんがいる。一緒に大麻を買う話になり、宿の前にいるバイタク連中に聞いてみる。男が大きめのパケを6ドルで売ってくれるのでシェアして買う。人のこと言えないけど、まささんは大麻好きだな。部屋の前にはおばちゃんたちが集まっているので、まささんの部屋へ移動する。


 まささんとイギリスの話をしながら、ひたすらジョイントを巻く。イギリスは物価が高いらしい。電車の初乗りは約500円は聞いて驚いた。ワーホリビザがなくても働けるらしい。イギリスに限ったことじゃなく、たいていの国は平気だそうだ。要は働く気持ちが肝心らしい。ただ、ロンドンはお金をたくさん使う場所があり、貯まらないらしく、農場など郊外に行けば使わないらしい。


 ジョイントを二人で吸いながら、南米及び、社会主義について話す。チェゲバラとカストロの話、キューバ革命の話、ベトナム、カンボジアの話、たくさんのことを話す。カンボジアのポルポトを知ってから社会主義についてより興味がわいてきたので楽しい。


 社会主義が人に与える力は脅威だ。ポルポトの恐怖政治はよく知らないが、社会主義=革命みたいな印象を受ける。赤色と星、社会主義の象徴は魅力的に見えてしまう。ぜひ、チェゲバラの生まれたアルゼンチン、影響が強い南米に行きたい。というより絶対に行く。


 ジョイントを次々と吸いつづける。まささんはベッドに横になり、たまに人の話を聞いていないかのような仕草をする。うーん、少し変わった人だ。屋台の話になり、腹が減ったので外に出る。


 近くの屋台で肉まん、サトウキビジュースを買う。サトウキビはとくにうまい。これこそ旅の醍醐味だ。


 まささんの部屋に戻り、大麻を全部巻き終える。ごろごろしながらまた、いろいろと話す。まささんが26歳だと聞いて驚く。ミッキー(30歳)さんぐらいだと思っていた。


 七時ぐらいになり、まささんがチャリで出かけるので、借りていたチャリを渡そうと外に出ると、またまたない。また戻されていると思い、チャリ置き場に行く。借りていたチャリがあり、また借りようとするが鍵がないらしい。そういえば、朝からみかけていない。特に気にしていなかった。日本から持ってきたチェーンの鍵を渡し、無理やり許してもらう。ちょっと腑に落ちないまま、まささんと別れ、部屋に戻って眠る。


 夜にまささんが起こしに来て、一緒にパンを買いに行く。再びまささんの部屋でぶりるが、眠気が取れず、すぐに部屋に戻る。明日の準備をしてすぐに眠る。


 まささんはいろいろな場所に行ってるので、行動的な人のようだが、見た感じではぐうたらだ。不思議なオーラが出ているまささんは、そうとう気の合う人かもしれない。

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