ワンミニッツ1000キップ

11/24  inシーパンドン 


 ムアンコーンのさらに南には、ドンデットとドンコンという小さな島があり、すばらしい場所らしい。渡し舟のおっちゃんがそう言っていた。パクセーのGHの兄ちゃんも言っていた。てっきり島はひとつだけだと思っていたので、「へーっ」と聞き流していた。人が教えてくれるおすすめの場所へ行く。なんだかんだ口コミはとっても役に立つ。


 そういうわけで、朝早く起きてドンデットに行く支度をする。何も用意していないのでさっさとまとめる。チェックアウトを済ませ、目の前の船着き場から小舟に乗る。3ドルとまあまあの値段だ


 一服をすませ、メコン河にとばされる。ゆっくりとした小舟で一時間、小さな島の風景に家が立ち並ぶドンデットに到着する。ムアンコーンほど栄えていないみたいだ。島に上陸してGHを探す。


 一軒目で2ドルのバンガローがみつかる。相当安いし悪くない、けど、まだ他にもありそうなので別を探すことにする。レストラン付っぽいGHがあり、レストランで食事をしていた日本人夫婦に声をかけられ、1ドル半で泊まっていると教えてもらう。とても安いので部屋を見せてもらうと、まあ、一ドル半程度の部屋だ。安いっちゃ安いし、レンタルチャリも目の前にあるので決定する。荷物を置いて、チャリを借り、ネットカフェ探しに出かける。


 ムアンコーンにはなくてドンデットにはネットカフェがたくさんあると聞いていたので、探してみるが見つかる気配がない。GHは数多くあるが、一軒もない。

船着き場の近くの店に“Internet”という看板があり、のぞいてみるとパソコンが一台だけ置いてある。やったー! と思いきや、1分1000キップととてもバブリー、ヴィエンチャンの10倍の値段だ。2分で水が買えちゃう。が、使いたいので14分利用する。日本語が入っておらず、設定してもらうと時間がかかりそうなのでやめておく。


 GHに戻り、シャワーを浴びる。最近はホットシャワーに慣れてしまったので、冷水が冷たく感じる。二日ぶりのシャワーだ。


 「やることは終わったことだし、ジャンベでも叩きに行こう」と外に出ると、借りているチャリがない。欧米人に乗っていかれたらしく、ひとつもない。たたけそうな場所を歩いて探しに行く。


 5分ほど田園地帯を歩くと、芝生になっている部分がある。そこでジャンベをたたくことにする。けど、遠くに人がぼつぼつとみえ、仕事をしているのであまり強くはたたけない。自分のかぶっているニットをジャンベにかぶせてたたく。静かで思ったほどたたき心地は悪くない。これなら強く叩ける。ジャンベの“けつ”を地面につけてたたきはじめる。


 まわりの人は気にしていない様子で、近くに来て話しかけたりしてこない。これは良い。音を我慢すればもんだいなく練習できる。ニットをかぶせながら二時間ほどたたく。チャリを借りなくてすむから安上がりだ。GHから近いというのが最高だ。


 暗くなり始めたので宿に戻りメシを食べる。パイナップルフリッターにもち米はあわないからつらい。この島はどうやら五時半ぐらいに電気が通るらしい。あたりは真っ暗で店も暗い中、電気がはしるとそこらじゅう一斉に明かりがつく。島らしさを感じる。


 ぶりをたくさん吸い、ベッドに転がる。少し仮眠して目が覚めると、部屋の中は真っ暗で何も見えない。何もできないのでとりあえず寝る。


 二日続けてジャンベか、いいかんじだ。

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