ルアンパバーンはプーシだね

11/16  inルアンパバーン 


 二日酔い気分で午前中に目を覚ます。あまり飲んでいない気がするが、体が少し重い。雨がぱらついて曇っている。久しぶりに曇り空を見た気がする。昼過ぎにプーシーの丘へ行こうと思っていたので、天気がすぐれず残念だ。


 明日と明後日、どちらの日にヴィエンチャンに行くか悩んでしまう。一日中雨が降っていたらプーシーの丘は明日見に行こう。それとも雨の中をチャリで見に行くか。風邪の影響で鼻水がでるし、ゲリもひどい。色々と考えながら屁をこくと、ブリっ!やってしまった!いい年なのに何やっているのだ。


 急いでシャワーを浴びにいこうとするが、トイレはしまっている。最悪だ! しかたなく部屋で待つ。本当に最悪だ。トイレが開く音がしたので大急ぎでかけ込む。いやー、ひどい。


 昼ごろになると雨は完全に止み、ところどころに日が差し込む。ゲリで腹の調子がすぐれないが、今日は出かけられそうだ。明日ヴィエンチャンに行くことにする。ツーリストで明日のバスのチケットをとり、ネットカフェにいく。


 そういえば、昨日の女性達が赤十字で献血してT-シャツをもらったと言っていた。プーシーに行く前に寄ってみる。


 汚い病室にベッドが二つ置いてある。衛生面が気になるが考えてもしかたない。太い針で血を抜かれてよい気分だ。目当てのT-シャツをしっかりもらいプーシーの丘へ向かう。


 ぶりった時のために屋台で焼きバナナを買い、頂上への階段を登る。予想以上にきつく、登りきる頃には汗で体はびっしょり、年齢を感じてしまう疲れぐあいだ。あまり期待していなかった景色だが、すばらしい! ルアンパバーンの街並みが一望でき、非常に爽快な景色だ。ただ高い場所へ登っただけでなく、街の雰囲気が良い。山に囲まれていてメコン川が流れている。対岸はあまり発展してなくて山ばかりだ。


 白人の老人が大勢いるが気にせずに一服いれる。うーん、気持ち良い! 吸いすぎはあとあとひびくので3服でとめておく。ベンチに座りぼけーっとバナナを食べながら景色を見る。天気は良くないが、それはそれでいいかもしれない。あちらこちらから音が聞こえてきて、ルアンパバーンの生活を感じさせてくれる。木を切るチェンソーの音に、寺の太鼓の音、バイクのエンジン音などさまざまだ。ここでジャンベをたたけば街中に響くだろう。バナナを食べ終わり丘を降りる。


 特にやることもなかったので、丘の上から見えた塔へ行くことにする。体は重いが、力をふりしぼってチャリをこぐ。


 全速力でこいで約10分、坂道を登りきったところにその塔はあったが、特にたいしたことはない。疲れと、汗と、息切れでくたばりそうだ。休んでから宿へ戻る。


 夜になり、待ちに待った満月だ。昨日、こまいさんがどこかの寺で祭りがあると言っていたので、露天通に行ってみるが、昨日と変わらない。寺の場所はわからず、ぶりのせいで少し疲れ気味だったので、7000キップでおかず盛り放題のメシを食べる。


 帰りになんとなく果物ナイフを探していると、少し大きめのナイフを見つける。さびはなく切れ味は良い。4ドルで買って宿へ戻る。けっこううれしい。


 ベッドで寝転がっているとそのまま眠ってしまう。

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