世界遺産の前で一服
10/25 inスコータイ
昨日もはやくに寝てしまい、はやいお目覚めだ。どうやら雨が降ったらしく、外は露で湿っており、空はどんよりとしている。今日はスコータイ遺跡の見学、待ちに待った世界遺産の観光だ。急いで準備を整え、宿のマスターにもらった地図を忘れずにもって出発する。
ソンテウ乗り場に着くと、3台停まっている。遺跡までの値段を聞くと55Bだ。高い! 別のソンテウ運転手に聞いても同じ値段だ。ガイドブックには10Bとかいてあるから、高く感じてしまう。予想よりも多い出費を受け入れ、遺跡へ出発する。
今の時間は登校時間らしく、多くの学生が車に乗っている。そういえば今日は平日、みんな学校に行かなきゃいけないのだろう。あれ、みんな少ししかお金を払っていない。おかしく思い、遺跡に着いてからドライバーに値段を聞くとなぜか15Bになる。よくわからないけど得した気分だ。
降りた目の前にはちょうどよくレンタルサイクル屋があり、さっそく20Bで一台借りる。シートがかたく、足がぎりぎりペダルに届くぐらいのぼろいマウンテンバイクに乗り、ぎこちなく走り出す。
地図をざーっと見て、右ルートからせめることにする。早朝だから人はほとんどいない。木と芝生、それに池や沼が広がっていて、あたり一面緑色で自然そのものを感じる。
5分ほど走ると遺跡が見えてくる。本物の遺跡だ! 規模は小さくあまり有名ではなさそうだけど、感動! ぼろぼろの赤レンガがなんとか形をとどめており、なんだろう、天空の城ラピュタに出てきそうな遺跡からは植物が生えていて、何百年も放置され続けていたような印象を醸し出し、建築物と自然がうまい具合に共存されている。素朴な建物は歴史を感じ、とても心ひかれる。そんな遺跡をチャリンコで見てまわれるなんて感動だ。自転車最高!
自転車から降り、歩いて遺跡に近づくと、“世界ふしぎ発見”や、何かの本で見たことのある建物が目の前にそびえ立っている。しらふなのにとばされてしまう。そうだ! 人はいない事だし一服入れよう!ということで、朝早くから遺跡の目の前で一服いれる。なんて贅沢な瞬間だ。適度に肺に染み込ませて移動を開始する。
あらためてすごい! 自然の音が耳に直接響いてくる。鳥の鳴き声に虫の鳴き声、それに水辺の蛙の鳴き声、たまに人が運転するバイクの音や車の音が遠くから聞こえてくる。幸せだ!
そんな状態で遺跡公園内をのんびりと自転車をこぎ、路面が舗装されていない道へはいる。森の中を進むと、完全にとばされている自分に笑いが止まらない。森と自転車がミスマッチで変な感じする。迷いながらさらに進むと、急に遺跡が出現したりして、冒険をしている錯覚に陥る。
さらに進むとお堂の中に巨大な仏像がそびえたつ遺跡に着く。入口でお金を払い中に入る。ばかでかい!ただ、圧倒されるのみ。あらためて世界遺産を見ているのだと感動にひたる。建物が大きすぎて小人にでもなった気分だ。
さらに別の道を進むとスコータイ遺跡からはずれていき、公園というよりも周りは完全な密林になってきた。まあ、なんとかなると思い、手ぶら運転をしていると料金所にぶつかる。どうやら、道は合っていたらしい。
広大な道をのんびりと進んでいると、右手に看板が見え、奇妙な石の道が小高い丘に続いている。とりあえずのぼってみると、予想以上にきつい! ぶりっているせいか、それとも体がなまっているせいか、体が重い。汗だくになりながら登りきると、大きな仏像がそびえ立っている。仏像は丘の上から広大なスコータイの大地を見渡している。いやー、なんて景色が良いのだろう。ちょうどよいことに、まわりに人はいなく、大麻がきれかけているので、また一服する。うーん、最高!
天気はすっかり回復して快晴の青空が広がる。昼前の暑くなりかけた気温が心地よく、遺跡に腰掛け、ぼーっとしてから出発する。「石の道はつらいな~」と、ぶつぶつ言いながら歩いていると、獣が三匹前を歩いている。犬だ! 野犬だ! 襲われたらどうしようと思いつつ、恐る恐る近づくと、犬はとことこと石の道を軽快にくだっていく。犬もこの道をつかっているのだと妙に感心してしまう。ちょっとした親近感を感じる。一緒に道を降りる光景が平和で、本当に幸せだ。
その後もぽつぽつと遺跡をまわり、メイン観光スポットである城壁内部へはいる。遺跡をまわっている間、ほとんど人に出くわさなかったので、外国人観光客がチャリに乗っている姿を見ると、観光に来ているのだと実感する。内部は綺麗に整備されていて迷う事はなさそうだ。内部の遺跡はとにかく規模がでかい。綺麗に整備されすぎて素朴さはないが、そのぶん迫力がある。特に“ワットマハタート”は小さな都市らしく、他の遺跡とは規模があきらかに違う。
近くにアイス屋があり、暑さに負けてついつい衝動買いする。アイスを食べながら遺跡を見て回る。本日初の食べ物のアイスは、狂いそうになるぐらいうまい!
しかし、これが悪かった。異常に腹が痛くなり、ゲリの痛みに襲われる。ぶりっているせいで急に心配になり、急いでトイレに駆け込む。あとからゲリで困るのは嫌だ。本気でふんばり、全部だしきろうとするが、うまくいかない。残糞感が気分を悪くさせる。急に隣の便所に人が入ってきて、プライベートな音がまる聞こえする。ブリのせいで勘ぐってしまい、息を潜ませて隣の人が出ていくのを待つ。けど隣の人の音はなかなかとぎれない。1分、3分、と時間が10倍遅く感じる。おかしい! ぶりっているせいで正しい判断ができず、なにがなんだかわからなくなる。「腹は痛いしなんだよ!」と思ってもまだ続く。本当は人がいないのでは? と疑い始めたら尻をふく音が聞こえる。あれ? なに? そうか! 水の音は蛇口からこぼれていた水の音か! うんち君はこれ以上出てくる気配がないので、汚くて臭い異空間から抜け出す。本当に疲れた、、、
見るところはへり、新鮮さが薄れてきたので、遺跡の横のベンチで一眠りする。木が木陰をつくり、心地よい風がぬけて最高に気持ち良い。昼寝は本当に幸せな時間だ。
一時間ぐらい寝て、内部の遺跡を抜けて近くの屋台で飯を食べる。吸いすぎたのだろう、頭がもうろうとして、気力が湧かない。自転車を返して宿へもどることにする。
スコータイの町に着き、さっそくネットカフェに行き、ペグちゃんに報告する。メールを終えて町をぶらついてからGHへもどる。
大麻を吸っての遺跡めぐりがこれほど楽しいとは思いもしなかった。だれかと見てまわるのは相当楽しいだろうけど、一人でのんびり気ままに、誰に気を使うこともなく、好きな遺跡を見てまわるのは最高に気持ち良い! やっぱり、自然は最高だ!
さて、明日はシー・サッチャナーライ遺跡だ!
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