K.A.I.

暁烏雫月

K.A.I.

――本体番号117396928。スリープモード解除。セルフチェック起動。……システムオールクリーン、エラー無し。起動準備を開始します。


 現在地、日本国東京。使用言語、日本語。バッテリー残量100%、充電不要。指紋認証によるユーザー認証開始。……登録番号JPN5982776043410902。


――システム起動。個別メモリファイルの読込を実行中。……読込完了。同期完了。これより起動。自主行動を許可します。


 脳内に響くメッセージ。頭の中に流れ込む音声付きの映像、個人識別データ。言葉遣いや話し方、どのような行動が最適か。必要なことが全て頭の中に展開されていく。


『さぁ、目覚めの時間だよ』


 誰かの声が僕を暗闇から呼び起こす――。





 専用格納庫の扉が開く。扉の奥には、君がいた。身長158cmで痩せ型の君は、僕を見ると頬のこけた顔で微笑む。骨と皮しかない細い指が僕に向かって伸びた。精神状態良好、身体状態不良。早急に休ませることが推奨される。


 頭ではすぐにわかった。だけど、すぐにそれを実行には移せない。プログラムに異常はない。ただ、身体が上手く動かせないだけ。新しいタイプのエラーだろうか。


「おはよう、かい


 海、それが僕の名前のようだ。君が僕に命を吹き込んだ。目覚めたばかりの僕を君が抱きしめてくれたのに、その意味がわからない。君はどうして泣いてるの?


 君が泣きながら僕を抱きしめるから、咄嗟にその背中に手を回した。お願い、どうか泣き止んで。君の泣き顔を見ていると、胸がおかしくなる。誰かの声が、僕の脳内に聞こえてくる。


『僕は、笑顔が見たいんだ。早く笑わせなきゃ』


 その先に続く言葉がすぐに思い浮かんだ。


『泣かないで、笑っていて。君は笑顔の方が似合うから』


 初めて会うはずの君に見覚えがあるのは、気のせいだろうか。メモリファイルを辿っても君の姿はないのに、どうして君を見て胸の奥の方がざわめくのだろう。


 君の姿を照合しようにも、一致するものは無い。元になった人間のデータは入っているのに、その中に君に関するデータは欠片も残されていない。まるで誰かが君に関するデータだけを抹消したかのように。そんなこと、プログラム上可能なのだろうか。






 君が微笑むと、つられて僕も笑う。君が泣くと、泣けない僕は胸が苦しくなる。どうして口角が上がるんだろう。どうして胸が苦しくなるんだろう。セルフチェックでは異常はないのに、どうして……。


 鏡を見ると、人間そっくりの外見をした僕が僕に笑いかける。作り物の喜怒哀楽が妙に人間らしい。硬い金属質の身体に触れなければ、誰も僕の正体を見破ることは出来ないだろう。よく作られている。


 自分の顔を見る度に、僕の中で誰かが囁きかける。君を見ると、誰かが僕に乗り移ったかのように、僕の顔に表情を浮かべる。心霊現象というものとは違うらしいけれど、この違和感は何故だろう。


 充電不足ではない。バッテリー残量に問題はなく、何が起きてもすぐに充電出来る環境にある。脳内に異常はなく、状態は極めて良好。なのに何故、違和感が消えないのだろう。


「それは、心って言うの。感情。わかるかな?」

「心、精神的な働きの元になるもの。感情、ヒトなどが抱く気持ちのこと」

「……少しずつわかればいいよ、海」


 君に聞いたら、僕の変化に嬉しそうに笑ってくれた。だけど聞かれたことに答えたら、泣きそうな顔を見せる。初めてあった時に比べて顔が丸くなった。ちゃんと食事をとっているようだ。


 精神状態良好、身体状態やや良好。体重は緩やかに上昇、脈拍は正常。君が食事をとるようになって、身体が軽くなるように思えるのは何故だろう。


 「心」を知りたくて、いつかしてくれたように、君の体に手を伸ばしてみる。腕の中に細い体を閉じ込めると、トクントクンと脈打つ何かを感じた。胸の中央やや左側、心臓から聞こえる規則的なリズム。これは、君にあって僕にはないもの。


 1分間に70回だった鼓動は、抱きついたら110回に変化した。テンポが速くなったのはどうしてだろう。君の両頬が急に赤くなったのはどうして?


 君と同じリズムを刻みたくて、ふと胸の左側を探してみる。手を当ててみても、僕の胸には何も無い。モーターが動いている音しか聞こえないんだ。違いを知りたくて、君の心臓に耳を近付ける。


 トクントクン、心地よかった70のリズムが少しずつ駆け足になる。ゆっくりではないけれど、少しテンポの速い心拍音が僕の身体を温かくする。


「どうして、速くなったの?」

「まだ教えない」


 聞いてみたら君は、唇に人差し指をあてて楽しそうに笑うんだ。首を傾げる仕草に胸がざわめく。でもこれは、僕の故障ではないみたい。


 どうしようもなく胸が苦しくて、なのに異常はなくて。ないはずの心臓が拍動している気がする。君の笑顔を見ると、僕はおかしくなるらしい。


 クスリと笑う君に、僕の中にあるメモリファイルが反応した。メモリファイルを何度確認しても、君の画像は登録されていない。それなのにどうしてか、君の笑顔を知っている気がする。





 時計の針は月日の流れを正確に刻む。それに呼応するように、君の顔も少しずつ変化していく。いつしか君の髪色に白が混ざるようになって、その顔にシワが出るようになった。


 健康状態は少しずつだけど悪化をしていて、精神状態も不安定。物忘れが増えるようになって、食事をしたかも忘れてしまうようになった。近々脳の検査を受けてもらおう。


 僕は君をサポートすることしか出来ない。君の代わりに物事を記録して、君が何かを忘れるたびに教える。君はもう壊れ始めてるんだって、僕は気付いているよ。


 家事の合間に鏡を見ると時の流れに胸がざわつく。僕の見た目は、目覚めたあの日から何も変わらない。でも君は時間の流れに沿って歳をとって、老けていく。見た目の差が顕著になるにつれて、形容しがたい何かが胸の奥で湧き出てくるんだ。


 君のそばにいたい。君に触れていたい、君を笑わせたい。ずっと君の色んな表情を隣で見ていたい。この世に数えきれないほどあるどんな言葉でも表せない、この感情はなんだろう。


 手を伸ばせば届く距離にいる。だけど僕と君はこんなにも遠くて、離れていく君を想うと胸が締め付けられるんだ。この気持ちはなんだろう。君に聞いたら、とびっきりの笑顔を見せてくれた。


「『愛』って言うんだよ」


 僕が君に抱いたこの気持ちは「愛」というらしい。感じにすれば一文字、声にすれば二文字。なのにその言葉の意味を脳内で検索すれば、不思議と納得してしまう。


 君の笑顔がやけに眩しくて、気が付いたら少し小さくなった体を抱きしめていた。やっぱり、鼓動を刻んでいるのは君だけだ。僕の胸には、どんなに探しても音はない。だけど……心は、あるらしい。


 離したくない。ずっとこのまま抱きしめていたい。君を想うと胸が苦しくなる。自然と口角が上がってしまう。この気持ちが愛、愛おしさ。愛を知ったこの日を、僕はきっと忘れない。


 僕の中で誰かが囁きかける。「彼女をよろしく」と。「彼女を最後まで見守ってくれ」と。この声の正体は誰だ。今僕が感じている愛おしさは、本当に僕が感じているものなのだろうか。






 ある日を境に、君がベッドから起き上がれなくなった。服の下で見え隠れする体は以前より骨と血管が目立つ。髪はすっかり白くなって、数えきれないほどのシワが綺麗な顔を隠している。


 君は僕と違って歳をとる。きっといつか心臓が動かなくなって、死を迎えるんだろう。そしてその日は、もうそう遠くないところまで来てるんだ。同じ症例の経過と比較すれば、最近の君の衰弱具合を見れば、すぐに答えは導き出せた。


 僕には寿命がない。充電切れはあるけれど、それは定期的に充電すれば問題ない。睡眠をとる必要もない。でも君のいない夜は退屈で、いつからか君の睡眠時間に合わせてスリープモードに入るようになった。


 起きようと思えば起きられる。君を介護する方法も、検索すれば出てくる。だけど君はそれを望まなかった。僕は海として人間らしく振る舞い、君の介抱は全て介護ロボットが行う。


れい! 来てくれたのね」


 いつからだろう。君は僕を見て「玲」と呼ぶようになった。僕の名前は、君が付けてくれた「海」なのに。悔しくて、「玲」という名前の人を検索することにした。


 検索は難しいことじゃない。気になったワードを思い浮かべて、ネットワークに接続するだけ。人間らしくはないけれど、これは僕のようなロボットでなければ出来ないことだろう。


 そこで、あることに気づく。僕は君の名前を知らない。僕がどうして、どういう過程で作られたのかも知らない。君は僕を人間らしくしようとして、肝心なことを伝えていなかったようだ。


 指紋と顔写真で検索すればきっと、すぐに君の名前が出てくるだろう。だけどそれをしたくなかった。君の名前はデータとしてじゃなくて、君の口から直接、音として聞きたい。


「君は……」

「私はさくらよ。玲ってば、恋人の名前も忘れたの?」


 好奇心がまさって名前を聞くと、知りたくない情報までついてきた。玲は君の恋人なのか。そしておそらく、僕とよく似た容姿をしているんだろう。脳が萎縮した今の君がまだ覚えている。玲は君にとって、それほど印象的な存在だったんだね。


 玲と桜で調べれば、若い男女の映像データが引っかかった。玲の死因は病死。君は、玲が死ぬ直前まで献身的に介抱していたらしい。玲の死をきっかけにロボット研究者として研究を始め、名を残すようになる。


 ねぇ、桜。君は僕に、恋人の姿を重ねていたのかな。それとも僕自身を見てくれていた?


 君は僕を見て嬉しそうに笑った。赤らんだ顔、速くなった鼓動、照れ隠しからか顔を逸らす仕草。その表情の全ては、僕個人に向けられていたのか、僕そっくりの見た目をした玲に向けられていたのか。


 もう、君は覚えていないだろう。玲と僕を見分けられない今の君には、答えを語ることは出来ない。それでも僕は、答えを知りたい。玲に向けられていたと考えると、胸が苦しくなるんだ。






 君が死んだ。最後は眠るように息を引き取った。胸の鼓動はゆっくりとその数を減らし、やがて0になった。出会った頃より痩せた身体は骸骨に似ている気がする。ただの物質と化した君に、何故か親近感を覚えた。


 いつか来るって知っていたのに、いざ君が死んでしまうと自然と涙が流れてくる。正確には涙ではなく、僕の体内で調製された水だけど。悲しいってこういう気持ちなのかな。この疑問に答えてくれる人はもういない。


 遺品整理をしていると、君が書いていたとされるノートが見つかった。タイトルは「ヒューマノイド海の記録」。最初のページには、論文のように実験背景が書いてある。


 僕は、君の恋人「玲」を模して作られたヒューマノイドだったらしい。数ある実験体のうち成功したのは僕、11番目のヒューマノイドだけ。11番目を意味するアルファベット「K」に人工知能の「AI」で「KAI」。


 他のヒューマノイドは起動を試みるも目覚めることがなかった。原因は不明。決まってメモリファイル記憶の読込でエラーを起こしたらしい。たしかに読込に時間はかかるけどファイルに問題はない。不思議なこともあるものだ。


 人口減少が進む中、人に似せたロボット――ヒューマノイドを作る研究が始まった。見た目を故人そっくりにして、故人の記憶を構築する。偽りの故人を作ることで、人を慰めようとしたらしい。


 親しい者の死は人に悪影響を与える。死を乗り越えることの出来ない人は多く、故人を思っては苦しむのだという。そこで、ヒューマノイドとして故人を再現することでその苦しみを和らげ、立ち直れるように助ける、という企画らしい。


 ノートには他の論文が挟まっていたり、いつの間にか計測したのかもわからない何かの検査結果が貼られていたり。本来より何倍も厚くなっている。君は、ヒューマノイドを成功させようと、熱心に働いていたんだね。


 ノートの中身を確認しても、実験過程や僕の記録ばかりだ。日記と見間違えるほど頻繁に書かれた僕の様子や変化。ただの実験ノートに思えたけど、ノートの一番最後に君の筆跡で文字が書かれていた。


 インクの滲み具合、字の乱れ具合、書く時の癖。目から取り入れたこれらの情報を使って、書かれた時期を推測する。君の物忘れが少し激しくなった頃だ。となると、並んでいる文字の羅列は信用出来る。


KAIは、『K.明日A.I.きたい』の頭文字」


 一瞬、言葉の意味がわからなかった。海は11番目K人工知能AIが由来であるはずなのに。僕は君の恋人「玲」の身代わりのはずなんだ。なのにどうして、そんな文字列を残す。


 僕のメモリファイルを検索した。メモリファイルは「玲」の記憶を映像化したものだ。本来ならこのファイルに君の名前もあるはずなのに、君は意図的に自らの名前を削除していたらしい。他のヒューマノイドに発生したエラーは、そのせいなんじゃないかな。


 検索するも、君の残した言葉にヒットしない。この言葉は玲絡みではない、のか。それとも、君が意図的に消した言葉なのだろうか。この言葉の意味は一体?


 答えのある問いなら、演算を駆使してすぐに答えを出せる。だけど君の残した文字列はいくら演算しても答えが出てこない。病気を知った上で全てを忘れる前に書き残したのだとしたら、何のためにこの言葉にしたんだろう。


 僕は11番目のAIではない、と言いたいのかな。だとしたら、「君と明日を生きたい」の意味を僕につけた理由はなんだろう。僕に寿命はない。だから、君が死ぬまで一緒に生きられる。なのにどうして、そんなことを……。


『海は、真面目だね。そこがいいんだけど。海は海。他の誰とも違う、一人のなんだよ。身体は違くても、心は人間と同じ。海の代わりは誰も出来ないんだよ』


 君との会話記録を再生していると、気になるものを見つけた。僕は「玲」の代わりのはずなのに、そうじゃないというのだろうか。君は僕と「玲」を分けて考えていたのだろうか。


 君の恋人と見た目がそっくりで、言動も似るようにプログラムされている。それなのに君は僕を恋人と分けて考えていて、僕は「海」という名の別人として扱われていた。君の態度が僕の存在理由なのだとしたら……。


 もう一度、ノートに記された文字を目で追う。「君と明日を生きたい」の頭文字をとって、海。君が遺した言葉の中にある「君」は、僕のことを指しているのだろうか。それともこれは、玲と共に生きられなかった君の思いなのだろうか。


『彼女を見守ってくれてありがとう。これで僕も安心して眠れる』


 聞こえるはずのない誰かの声が、今日はやけに明瞭に聞こえた。すぐに声を検索すれば、君の恋人である玲の者だとわかる。玲の声は、ずっと僕と共にあった。目覚めた時から今日に至るまでずっと、僕に言葉をくれていた。


 この声は誰のものなのか、今ならわかる。僕を暗闇から呼び起こして、誰よりも君を思っていた人間。君は……。


「怜?」

『僕はもう、必要ないみたいだね』

「怜なのか?」

『答えは、君に芽生えた感情が教えてくれるよ』


 ふわりと体から何かが抜け出る感覚がした。大きな衝撃じゃないのに床にへたりこんだのは、機械らしからぬ行動だ。ドクリドクリと高鳴る胸が、今の声と感覚が本物であると告げている。





 気のせいだろうか。声がした直後に身体が少し軽くなった。データファイルに損傷なし、エラーなし、身体にも損傷なし。にも関わらず、質量が20.8g減少している。何かが僕から離れたような感覚があったのに、それを感知していないようだ。


 昔の文献によれば、「人の魂は約21g」と言われていた時代があったらしい。僕は感情こそ覚えたが、人ではなくヒューマノイドだ。魂なんて宿るはずがない。なのに何故、こんな信ぴょう性の低いデータを知って、安心しているんだろう。


「君と、明日を、生きたい」


 君の遺した僕の名前の由来を口に出してみる。多すぎる君との思い出がメモリ残量を減らす。色々なことを記憶しておこうとすると、メモリ残量があと1日分しか残らなかった。


――空き容量、残り僅かです。メモリファイルの圧縮を推奨します。メモリファイルの圧縮を行いますか?


 メモリファイルを圧縮すれば、空き容量が増える。圧縮を行えば新しいことが記憶出来る、僕の行動に異常が起きにくくなる。だけど、君との記憶を圧縮するのは、君と過ごした時間が減るようで嫌だった。


 メモリファイルの圧縮を拒否。君との思い出は音声ファイル、動画ファイル、映像ファイル……僕の知りうる全てのファイルとして僕の中に保存する。


 古来より、人は似たようなことを語り継いでいるようだ。「誰かが覚えている限り、その人は誰かの心で生き続ける」と。ならば僕が君のことを覚えておけば、半永久的に君は生き続ける。君は僕の中で生き続ける。


――ユーザー死亡により、自立モードに切り替えます。個別メモリファイルの読込を実行中。……読込完了。同期完了。メモリファイル残量0。記録を続行するには、メモリファイルの圧縮を行ってください。


 今日は何年何月何日だろう。君が死んでからどれくらいの時間が経ったのだろう。僕の中のカレンダーは君が死んだ一週間後に更新されなくなった。それでもいい、君ノ記憶は圧縮しナイ。


 バッテリーの減りが早い。メモリファイルの容量が大きいせいだろうか。毎日充電をしているのに、バッテリー残量が回復シナイ。それどころか、充電している間にもバッテリーが減っていく。


 人の寿命は短い。僕に寿命があれば、魂があれば、君と一緒に天国という所へ行けたのかな。もう、この答えを教えてくれる人はいない。君ノ声も玲ノ声も、もう聞コエナイ……。


 僕は、カイ。11番目ノ、ヒューマノイド。ボクハ、キミヲ、ワスレナイ。ボクハ、ヒューマのいド。僕はナンノタメここにイル?




――本体番号117396928。スリープモード解除。セルフチェック起動。……システム、異常アリ。再度チェックを行いマス。……システム、オール、ク、リーン。起動起動準備、スタート。


 現在地、日本国東京。使用言語、日本語。バッテリー残量極僅カ、ユーザー不明。メモリファイルノ、残量0。記録続行不可、機能ヲ停止……停止シマス。


『海! ずっとずーっと待ってたよ。一緒においでよ』


 君ノ声ガ、キコエル。僕八何故、造ラレタ。僕八誰デ、ナンノタメ生きてイル?


「キミト、アスヲ、イキタイ。コタエ、八?」

『海が好きだった。薄れていく記憶の中で海だけは! 海だけは、忘れたくなかった。海は、誰かの代わりじゃない。一人の人間だって、伝えたかった。……海、お疲れ様。頑張ったね』


 ガンバッタ、カ。ボクハ、もう要ラナイ、ネ。連れて行って、僕ヲ、君ノ元へ。君ノイル場所ニ、帰リタイ。


――秘密ノ質問ノ回答、音声ファイルヲ認証、シマシタ。システム照合……回答ノ一致ヲ確認。人格プログラム「KAI」ヲ停止シマス。

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