第7話
いきなり粗末な机の上に豪華な装飾が成された紙を置かれ、それを見た瞬間、何故だが嫌な汗が止まらないクロウ。
「(あれ、何でだろう?この紙から、クラック・バードの依頼を受けた時みたいにイヤーな予感が凄くするんだけど…)」
チラッと主神を見ると、満足そうに更にこちらの方へ豪華な紙を持ってくる。…これ、絶対読まなきゃいけない流れだよね?
「し、失礼します…」
何でこうなったんだろうと恐る恐る紙を両手で受け取ると、紙から神聖な光が溢れクロウの中に何かが流れ込んだのが解った。
その内容を理解した瞬間、クロウは失礼だとか不敬だとかそういう意識を忘れてバッと主神を凝視してしまった。頭の中は何故、という思いで一杯であり、多分、今自分は顔面蒼白だろう。そして、抑えきれなかった溢れ出るその思いを相手にぶつける。
「しゅ、主神様!!これは、一体…!?何故、何故こんな…。あれは《
そう、先程の紙には邪神育成についての知識や知恵などは勿論、制御するための力などが諸々盛り込まれた特製品。主神しか創れない《
これは、主神の力の一部を扱うことが出来る為、正に超上級神の更に認められた者にしか与えられない、秘宝中の秘宝でもある。
そんなものを、最近神に成り立ての新米に与えるなど、前代未聞であり、現にクロウはあまりの事に今にも倒れそうになっていた。
「ふふ、すまんのう。驚かせたと思うが、どうか話を聞いておくれ。今回の事はきちんと理由があるんじゃ」
「…理由、ですか?」
クロウは今にも気絶しそうだったが、主神の言葉に無理矢理にでも意識を繋ぎ止める。何としても、主神が言うその理由が知りたかったのだ。
そして、主神は話始めた。今回に至った経緯と、クロウを選んだ理由を。
邪神の育て方! 紗桐亜黒 @akuro
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