獅子神家の人々

第1話 呪われた獅子神家の人々

僕には二人の兄さんと、二人の姉さんと、父さんが一人いて、母さんはいない。何故母さんがいないかって？それは僕が殺したから。

二人の兄さんと、二人の姉さんそして父さんは僕が嫌い。何故かって？それは僕が母さんを殺したから。

そして僕たち一家は呪われた。

僕以外の家族は皆優秀。

長男の龍太朗兄さんは医者だ。いつか自分で開業するのが夢。

次男の虎次朗兄さんはエンジニアだ。いつも海外を飛び回って、仕事をしている。

長女の千鶴姉さんは弁護士だ。最近自分の事務所を開いたばかりだ。

次女の亀代姉さんは大学の助手だ。おそらく、次の論文発表で助教授になる。

そして父さんは投資家だ。色んな会社の株をたくさん持っている。

僕はそんな家族の落ちこぼれ。

そんな僕の仕事は何かって？

僕の仕事は寝ること。

だから、家族は皆僕の仕事を馬鹿にする。

でも、僕は使命を持って仕事をしている。

これは母さんが最期にくれた僕への贈り物。