第37話:米国の貿易戦争と子供ができたの?(201802-9)

 その後2018年2月に入りSP500指数で2月5日に-2.4%、2月6日にで-5.9%と大きな下げに見舞われた。その後も七郎の予想通り2月9日に-3.4%とバブル崩壊を思わせる動きとなった。その後、トランプ大統領の他国から米国への不当に安い鉄鋼とアルミニウムに対するダンピング課税を鉄25%、アルミニウム10%を加えるという発表があった。これに対して中国、欧州から対抗措置が予想され貿易戦争の様相を呈してきた。株の世界でもバブル崩壊が心配された。


 こんな時に、何と七郎(64歳)と恵子(41歳)の間に赤ちゃん誕生というウルトラCがおきた。2018年の正月過ぎのある朝、朝食後、恵子が気持ち悪いと食べたものをもどした。何か悪いものでも食べたんじゃないと、七郎が茶化すと怒った顔で、もしかしたらと言い婦人科を受診したところ妊娠しが判明した。出産予定日は2018年9月と言われた。家から近いKU病院の婦人科にかかり、ここでの出産を決意した。恵子に仕事を辞めさせ七郎がノートパソコンを持ち歩き「入間の里」でも必要な時に貿易の書類書きや、いろんな仕事をしてスイスのピクテとのやりとりも全てやる事になり忙しくなった。それでも毎週、お母さんの老人ホームには顔を出した。翌週、七郎が、お母さんに恵子が妊娠したと報告した所もう電話で直接、聞いてるわよと言い、手紙を手渡しくれた。


 帰って開いてみると七郎さんへ、恵子が妊娠したという知らせを聞いて一番驚いたのは私かも知れない。だって、あんな、おてんばで勝ち気な娘が、お母さんになるなんて信じられない、でも、うれしい本当うれしい、天国のお父さんも、さぞ喜んでいることでしょうと書いたペンの字が滲んでいた。たぶん、感極まって涙を落としたのだろう。なんて、可愛い、お母さんなんだろうと七郎もほろっとした。次に気を取り直して書いたのだろうか、七郎さんへのお願い、恵子が元気な赤ちゃんを産むために、仕事をさせない炊事、洗濯など重労働をさせない事を約束しなさい。もちろん浮気なんてもってのほか、それから恵子に、常にやさしく接して下さい、妊娠中の女性は神経過敏だから・・。


 最後に絶対に食べ過ぎに注意しなさい、七郎さんじゃなくて、恵子の事です。食欲が出て、ついつい食べ過ぎちゃうのですが、増えすぎると出産がキツくなります。その為にも、食べ過ぎないことが大切です。これは私が体験済みですので強く希望しますと書いてあった。なんて可愛い、お母さんだろうと、七郎はうれしく思った。

 春風が吹き端午の節句が過ぎ梅雨も過ぎ暑くなり秋風が吹き出した頃、恵子の腹は、ぱんぱんになってきた。そして9月20日、待望の赤ちゃん誕生となった。

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