第34話:母の老人ホーム入所1(201804-06)

 七郎が預金通帳を見ると鈴木良三さんからオープンカフェの売上35万円も入金されていたので今年の12月にボーナスとして支給しようと考えた。もし今後、売上が落ちても七郎のポケットマネーでボーナスを出そうと決心した。 今年はインフルエンザが流行して困ったと、鈴木さんが話していたので、彼が買い物に行った時についでに外来者用の消毒用アルコール、大入りのマスク箱、殺菌力の強い泡状石けん、うがい液を買ってきて、水飲み場や手洗い場におくように指示した。


 七郎が家に帰り恵子にお母さんの容態を聞くと少しずつ回復しているが痴呆症状があるので老人施設に入れた方が良いと先生が話したと言った。症状が悪くなると介護のため家族の方が通常の生活ができなくなる心配があると言った。介護疲れで介護している家族も疲れて駄目になるケースを多く見ているので忠告するんだと話してくれた。七郎は、数日後、病院に行った時に、お母さんの診療後に先生に詳しく聞いた所、痴呆症状がある患者も受け入れてくれる施設があり場所も、できたらストレスの多い都会でなくて自然豊かな田舎の方がお母さんのためにも良いと提案してくれた。

そこで七郎が入間の方で仕事していると言うと東松山、森林公園、飯能、そう言う自然の多い所が良いと言った。わかりました探してみますと答えた。先生が決まり次第、退院の手続きを取ることにすると言ってくれた。木元さんに電話を入れると、ここから車で20分程度の所で痴呆老人も入れる老人ホームですね調べておきますと、言ってくれた。翌週「入間の里」学生寮に行き、木元さんに電話を入れると、入間と飯能と狭山に3ヶ所あると教えてくれた。午後1時から、その3ヶ所を案内するよと言うのでお願いした。3ヶ所とも車で10分程度の所で、入間はゴルフ場の近くで景色が良いので、そこに決めた。


 数日後、KU病院に行き恵子さんのお母さんの主治医にその話をすると、すぐに退院書類を書いてくれて、その日のうちに退院して自宅に帰った。自宅に戻っても、特に反応がなく、ご主人を亡くした悲しみがいまだに消えないようだった。そこで、明日、恵子さんを連れてドライブに誘い気分転換に行きましょうと、恵子さんが言うとそうしましょうかと承諾してくれた。翌朝、渋滞の前に家を出て途中で休みながら10時に、めざす入間のゴルフ場についた。昔は、お父さんと、良く、この辺のゴルフ場に来たのよと、昔を懐かしむように行った。もしかしたら、このゴルフ場も来たかも知れないと言った。ゴルフ場の中のレストランで食事をして、ゆったりと休んだ、ゴルフ場は景色がきれいで、気分が晴れるわと久しぶりの笑顔で話してくれた。

恵子さんがゆっくりとした口調で、お父さんの思い出がある実家を出て、こんな景色の良い、老人ホームに入りませんかと切り出した。すると、そうね、そういう考えも、良いかも知れないねと、お母さんが言った。

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