第29話:苦学生の寮の取材(201411-12)

11月に米国からコストコ本部の方が4名がやってきた。コストコのどこが良いか、聞いてきたので、易くて、大量で品質が良く、ガソリンも買えるし、全部カードが使えると答えた。訪問団の団長が、笑いながら、今、言われたことが、我が社の一番の売りなんだと笑いながら言った。


 七郎が流暢な英語で質疑応答をするのに、驚いて、米国に留学したことあるのと聞いてきたので、もちろん「オフ・コース」というと大学はと聞かれサンノゼ州立大学の電気工学科にスカラシップで入学したと答えた。


 すると、七郎の事に話題が向かいそうになったので、これ以上は秘密とウインクした。ジョークも良いねと笑い声が上がった。訪問してきた全メンバー4人と固い握手とした。帰り際に、訪問団の団長さんが名刺をくれ、コストコのメンバーカードと、クレジットカードの番号を教えてくれと言うので、何故と聞くと、クレジットのポイントを常時3倍することと、年に数回、無料でコストコ製品をプレゼントするからと言ってくれた。この申し出には驚いて、軽く団長さんをハグした。みなさん、満面笑みで帰っていった。


 その2週間後、タイの訪問団が訪れた、タイの財閥の若手メンバー5人がやってきた。訪問の目的を七郎が尋ねると、団長と思しき人が、今後、タイでも、貧しい若者や女性を助けるための福祉施設をつくりたいと思っているので、この施設を参考にしたいと言った。


 七郎が英語で質問応答が先か施設見学が先が良いか聞いた聞くと見学が先というので10時過ぎで学生は1人もいないので部屋を一部見せた。するとコンパクトだが機能的に机椅子、ベッド、エアコンが揃っていて快適そうだと、感想を述べていた。


 次に、料理長に調理室を案内してもらつと、大きな圧力鍋と、米の洗浄機を見て日本の技術は素晴らしいと言い、何人で食事を作っているのか聞かれ、料理長以外に女性5-6人でやっているというと、すごい、効率的だと驚いていた。野菜を切るための大型のスライサーを見て、これ便利そうで良いね、1つもらいたいくらいだと言い笑っていた。写真を撮って持ち帰るのはOKだよと七郎がジョークを言うと、かなり受けたようで、笑い声が上がった。


 その後、質疑応答が始まり七郎が何故、こんな大規模な施設を慈善事業として始めたのかという本質的な質問には、ちょっと困って、おもむろに、私が、神様から多くの幸運をもらったから、そのおっそ分けをしないといけないと思ったからだと言うと、君は仏教徒か言われ、残念ながらクリスチャンですと答えた、信心深いのかというので、そうでもない、キリストよりも奥さんの方を信じるというと、また、笑い声が上がった。


 ジョークのセンスが良いが、もしかして海外留学したのかと聞かれ、米国の大学で4年間、学んだと答えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る