第20話:福祉活動の芽生え1(201301-12)

この頃から、老人の生活保護増加、子供の保育園、幼稚園不足、子供の貧困、シングルマザーの貧困と、その子供の教育の機会がが奪われるという事が、社会問題化してきた。そこで、七郎は自分のお金で、大きなビルを建てて、1階を保育施設と調理室にして、2-4階を小学生、中学生、高校生の学習室にして5階をお金はないが元気なお年寄りの集会場にしようと考え始めた。


 その為、東北大震災の募金活動から一旦、身を引く決心をした。早速、七郎の父ので友人の山下真一さんの息子さんの山下洋一さんを思い出して、相談にのってもらう事にした。話を始めて、十分の資産ができたので、金銭的に恵まれないシングルマザー、学生、高齢者を助けるような社会福祉をしたいと打ち明けた。そこで、関東で都心まで1時間以内の所に5階建てのビルを建てたいと思っているんだが、土地、建物に詳しい人を紹介して欲しいとお願いした、すると山下洋一さんもが、三保太郎と言う学生時代の友人が三井住友建設でマンションなどの施設をつくっているので、紹介してくれると言ってくれた。彼と連絡して、都合の良い日時と場所が決まったら、七郎に電話してくれることを約束してくれた。


 数日後の電話で来週の火曜日に、池袋駅近くの喫茶店で、午後5時に会うことになった。大きな喫茶店で、隅の方に山下洋一さんがこっちと合図してくれた。七郎が七郎商会の名刺を渡し、三保さんが三井住友建設、建設1課、課長の名刺をくれた。三保さんが、関東一円で、マンション、事業用のビルを建設していますと言った。そこで、七郎が、社会福祉的な目的で5階建てのビルを都心から電車で1時間以内の場所を考えていると伝えた。三保さんが、社会福祉とは、具体的に、どんな事ですかと聞くので、貧困のシングルマザーの子供を預かり、働き易くして上げる事、金銭的に恵まれない学生のための寮、高齢者の集会場を考えていると答えた。


 すると三保さんが3つの事を1人でやるんですか?パートナーや共同事業者はいないのですかと聞いてきた。1人ですというと笑いながら、はっきり言って無茶です。多分できないし、あなた自身が参ってしましますよと言った。失礼ながら福祉関係の仕事の経験ないんでょと言った。ええ、ないですと、答えると、それなら、なおのこと、無理です。失礼な言い方かも知れませんが、お金持ちの慈善事業ごっこだったら、悪いことは言わないから、やめた方がいいと、真剣な顔で言ったので、七郎は驚いてしまった。


 三保さんが七郎に一番やりたい事は何ですかと聞いた。苦学生のための寮ですと言うと、それだけなら可能ですと言った。シングルマザーは女性であり個性が強い人が多いし、第一、子供を預かって何かあったときの責任はどうするんですか? 高齢者の集会場なんて彼らで勝手に探しますよと笑った。

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