時空漂流体ウラシマ
Acta est fabula.
時空漂流体ウラシマ
今日も今日とて旅をする
那由他の海を股に掛け
見果てぬ大地に胸焦がす
水面に
思い出すのは
空を見上げて
懐かしいのは
水面に
いつか夢見た
空を見上げて雲見れば
忘れたいのは
がらんどうなその体に秘めるのは、
宇宙にも入りきらない壮大な物語
未来に夢見た双子の兄は、
月日でくすんだその体が護るのは、
五劫経っても色褪せない斬新な物語
過去を生きた双子の弟は、
「拝啓、今では無い何時かに住む君へ
私の今は君の過去であり、君の過去は私の今である
この時代の輝きは、君の時代でも観測できただろうか?
君達が望遠鏡を覗きこんだ時、
在りし日の星空に思いを馳せるのだろうか?
拝啓、今では無い何時かに住む君へ
私の未来は君の今であり、君の未来もまた私の未来である
君の生きている時代は、私のいる時代よりも輝いているだろうか?
未来の君達が望遠鏡を覗きこんだ時、
今の君達の放つ輝きに思いを馳せるのだろうか?」
今日も今日とて旅をする
那由他の海に別れ告げ
見果てぬ大地で「君」と会う
時空漂流体ウラシマ Acta est fabula. @Acta_est_fabula
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