「美しいものはかなしい」という言葉があります。
ソフィアの生き様はまさにそれです。
剣の道を求め、剣に行き、剣に死ぬ。
全てのものを削ぎ落とした結果、残った尊いまでの美しさが、彼女にあります。そして、それ故に「哀しい」。
それだけならば、普通の剣客小説ですが、この物語はそれだけじゃありません。
いわゆる一般的な「成長」の物語が、剣の道を求める「求道」の物語とうまく調和して、最後までヘタれずに終わりました。
重くなりすぎず、だけど決して軽くない。
ラストも登場人物それぞれ、「らしく」終わっていてよかったです。