ボールルームへようこそ


触れたり離れたりするのが人の常


わかったつもりでもそれはあくまでつもりにしかすぎなくて。


永遠にそれは望めないかも。


ただ、ただもどかしいその距離があるからこそ、


全てが…


そう、全てが愛おしく感じるのさ。


さあ踊ろう!


手を繋ぎ、ステップを合わせて


スイング!


スイング!


スイング!


筋肉をしなやかに、心も同じように


ただリズムとメロディに乗せて踊ろう!


互いに縮めようとあえぐ行為、その努力と想いこそが人の世を繋ぎとめる。


誰もが止まることはできない。


だからこそ足を互いに一歩踏み出して、共に歩きだせ。


たとえそれが刹那の間としても、


それを求めて、


求めて、


求め続けるんだ。


だからこそ世界はこんなにも愛おしく回り続ける。


さあスイングしよう!


人類がいまだ多くの謎を抱えるように人は人を解き明かすことは不可能。


ただ目の前にいるのは別の存在。


理解出来ないことを理解する。


そう思える存在がいることの幸せよ!


だからスイングしよう。


でなけりゃ限られた人生の中で足掻く意義なんてないじゃない!


だから互いの手を強く握りしめる。


振り落とされないようにただしっかりと。


スイング!


スイング!


スイング!


ただ、ただスイング。


永遠に回り続ける輪廻に乗せて


僕達はいつまでも。


そう、いつまでも!


君もおいで!


この永遠に続く『ボールルームへようこそ!』


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