「普通の女子高生」の目線で描いた異世界転移が等身大のリアリティを感じられて興味深かったです。比喩として体育館より広い、ボーリングができそうな、などが出てくるのがいかにもJKらしくて良かったです。
能力・感性ともに「普通」な七瀬だけに、異世界の制度を変えたり反乱を起こしたりではなく、出会えた範囲の人をどうするかに焦点が絞られていたことで、彼女の心の在り方・変化や成長に没入して感情移入することができたように思います。
「たまたま異世界で最初に出会っただけの人」だったリウン、それでも助けたい存在になり、ラストでは名実ともに特別な「運命の人」になる展開・構成が非常に良かったです。かつて剣を握っていたリウンが、平和な世界で農業をできていることがとても尊いと思いました。
番外編は飯テロの連続で、蟹や鳥粥が食べたくなりました。
楽しませていただきました。ありがとうございました。