第5話

とりあえず今夜は家に来ることになったキリヤは私の家に来るなり

「瑠花はどこの国の姫ですか?」

って言い出した。ママとパパが莫大な遺産と一緒に残してくれた大きな洋館。確かにそう聞きたくもなるよね。

「姫じゃないよー。」

私は軽く受け流しながら、ドアを開ける。こんな立派なエントランスホールよりも、今は温かい『おかえり』がほしい。今でも週に1回は来てくれるお手伝いさんのおかげで、部屋はそれなりに清潔に保たれいる。二階のゲストルームにキリヤを通す。

「この部屋、自由に使ってもらっていいから。」

私の説明に大きく頷いたキリヤは『~ぐぅぅぅ~』と大きくお腹を鳴らした。

「今からご飯作るから、先にシャワー浴びてて。」

と、ゲストルームの奥のバスルームに案内する。

「ありがとうございます。」

と言ったキリヤの笑顔は、泊めたことを後悔しないぐらいかっこよかった。

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異世界美少年に恋をしました。 若葉 おれんじ @wakaba_orange

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