縁というもの。[前]

 小休憩を挟んだロイドやリリ――シルビアという女性を連れて、海龍艦リヴァイアサンはイシュタリカ王都……その港へとしばらくぶりに帰還した。

 急な連絡のみでやってきたリヴァイアサンだったが、到着した港には既に多くの王都民、加えて城の関係者たちが足を運んでいた。

 皆が例外なく希望に満ち溢れた表情をしており、簡潔にロイドたちの心を抉りつける。



 時刻はもうすぐ夕飯時で、王都が一日で一番の賑わいを見せる時間帯だ。

 晴れやかな夕方の景色とは対照的に、騎士らの気分はとても暗い。

 また、久しぶりに帰ったイシュタリカといっても、何一つ嬉しさは感じられなかったのだ。



「退いてッ!怪我人が居るから、話は後ッ!」



 リヴァイアサンからは小船に移動してから港に移る。

 というのも、アインが出発した時と同じく、王都の港ではリヴァイアサンを受け入れる事が難しいからだ。

 すると、小船から降りたリリは慌ただしい様子で道を開けさせると、用意されていた馬車へと急いで怪我人を移動させる。

 特に重要なのはクリスとディルの二名で、王都民に動揺が広がらぬよう、隠しながら移動させた。



「――元帥閣下!お帰りなさいませッ!」


「おうおう、我らが英雄様たちのお帰りか――って、元帥閣下、片目が……!?」



 茶化すように祝福する王都民が、今ばかりは若干鬱陶しく感じてしまう。

 それでもロイドは笑みを振りまくと、シルビアを連れて急いで馬車に乗り込んだ。



「話は聞いているか?」



 ロイドが馬車の中から御者に語り掛ける。



「……『戦いは終わった。だが、王太子殿下についての報告がある』……と伺っております。急ぎ城に向かいますので」


「頼む」



 御者にはある程度話が通っていたらしく、それ以上は聞かず急いで馬車を発車させる。

 すると、シルビアがクリスを見て呟いた。



「……この娘はもうそろそろ目が覚めそうね」



 それは朗報だ。しかし、ロイドからすればディルの事も同じく重要であり、縋るような声と瞳でシルビアに尋ねる。



「――ディルは、私の子は……どうなんだ?」


「この子自身の生命力次第、としかいえないわ。ごめんなさい、この子が魔物なら協力できたのだけど……」


「……いや、変な事を聞いてしまった。申し訳ない」



 馬車の中を重苦しい空気が漂う。

 やはりディルの容態は重く、手の施しようはない――としか言えなかったのだ。



「ロイド様。治療魔法の使い手がすぐにきます!それに、城なら設備も豊富です……だから、なんとかなりますッ!」


「……すまない。その通りだな」



 リリに力づけられたロイドは頬を強く叩く。

 手形がつくほど勢いよく頬を強打すると、力の入った瞳で宣言した。



「我々の成すべき事をしよう。まずは陛下にご報告だ」




 *




 城では今までにない特徴的な空気が漂っていた。

 不気味なまでの静けさを感じさせると思えば、至るところから響く怒声の音。

 城を一人の人間に例えるならば、まさに情緒不安定の一言に尽きる。



 そんな中、大急ぎで走ってきた馬車――その先頭が城の入口へと到着し、大急ぎで怪我人を下ろすのだ。



「急いで!くれぐれも慎重にッ!」


「――はっ!」


「承知致しました!」



 出迎えに来た城の騎士と給仕に怪我人を任せると、特にクリスとディルのことを慎重に扱えと伝える。

 続けてロイドとシルビアも馬車を降りると、目の前に広がる城の姿に目を向けた。

 ……すると、小柄な給仕のマーサがロイドの元に近づく。



「……あなた」


「――あぁ」



 マーサにも不穏な空気は伝わっている。

 彼女はたったいま運ばれていったディルの後姿を眺めると、口を強く噤んだ。

 だが、ロイドの様子がいつもと違うことに気がつく――というのも、今のロイドは片目になってしまっているからだ。

 ……マーサは次の瞬間にはロイドに強く抱き着くと、数秒ほど身体を震わせる。



「陛下がお待ちになってるの。だから急いで――」


「マーサ。ディルの元にいてやってくれ。私は一緒にいてやれぬのだ」



 ディルの容態について、マーサはいったいどんな想像をしていただろう。

 ロイドの言葉にはっとした表情をすると、後ずさるようにロイドから離れていく。

 すると、周囲の目を気にすることなく走り出し、運ばれていったディルの後を大急ぎで追っていく。



「ロイド様。その、少しぐらいは……一緒にディル護衛官の傍に……」



 リリが気遣うが、ロイドは意図的に返事をすることなく歩き出す。

 いつものように城に足を踏み入れると、ロイドは大急ぎでシルヴァードの元を目指した。



「……私たちも行きましょう。ね?」



 得も言われぬ無情に襲われたリリは、シルビアに背中を押されたことでようやく足を動かしたのだった。

 無言で頷くと、リリはシルビアを連れてロイドの後を追う。

 こうして久しぶりに城の中に足を踏み入れると、いつもと違いすぎる空気に驚かされた。




 *




 柔らかい絨毯の感触が強く伝わると、身体中の溜まっていた疲労感を理解させられる。

 多くの感情に苛まれるなか、三人は急ぎ足で場内を進んだ。

 先頭を歩くロイドは自然と謁見の間を目指し、二人も異論を唱えることなく後ろを歩く。

 それが数分に渡って続き、とうとう謁見の間――シルヴァードが待つであろう場所にやってきたのだった。



「――ただいま戻りました。陛下」



 扉の前でそう言葉にするロイド。

 中からは人の気配が届くが、返事は一向に届かない。

 すると、ロイドは扉を数回ノックしてから扉に手を掛ける。



 重厚な木材が軋む音と共にゆったりと左右に開くと、中にいる人物の姿がみえる。

 玉座に腰かけ、圧倒的な存在感を放つシルヴァード。

 そして少し距離を空け、ララルアとクローネの二人が佇んでいた。

 また、その反対側にはカティマがひっそりと控えている。



「……余は聞かねばならん。この場に王太子が……アインがッ……余の孫がいない理由をだッ!」



 覇気を放ち悲しげに語るシルヴァード。

 すると初めて顔をあげると、隻眼になったロイドに驚かされた。



「――ロイド。お主、片目を……」



 シルヴァードの言葉を聞き、ララルアとクローネの二人も悲痛な面持ちに変わる。

 口元に手を当て、その悲惨さを感じ取った。

 一方のロイドはシルヴァードの言葉に身体中に力を籠めると、大股で進んで地面に膝をつく。



「陛下。ご報告がございます」


「……聞きとうない。余は何も聞きとうないッ!」



 聞かねばならないと言っておきながら、シルヴァードの態度が一変する。



 シルヴァードはロイドの怪我に重苦しい表情を浮かべるものの、目を合わせることなく身を縮めた。

 彼の態度にはララルアやクローネも悲しげな表情を浮かべ、本心では同じくロイドの報告を聞きたくもないのだろう。

 ……すると、この悲痛な雰囲気が漂う謁見の間に対し、シルビアがはっとさせられる声で口を開く。



「――我が子の血を引く者が、そのような態度をしてはなりません。それは先祖はおろか、大陸イシュタルへの侮辱ともなりえるのですから」



 絨毯の中央部あたりで膝をついたロイド。シルビアはそのロイドの横を我が物顔で進むと、杖をとんとんと突いて注目を集める。

 ビシ、ビシ……と、杖を突くたびに空気が揺れる衝撃が謁見の間中に広がった。



「顔を上げなさい。イシュタリカ王家の血を引く者よ」



 そうしなければならい。シルヴァードは不可思議な強制力を感じて顔を上げる。

 顔を上げればシルビア――黒いローブに身を包む女性の姿がそこにはある。



「そなた……は……いったい……?」



 いったい誰だと思ったのはシルヴァードだけじゃない。

 ララルアとクローネも動揺で、口を開かずとも、彼女らの困惑した様子が手に取るようにわかる。

 だが、彼女たちとは対照的に……カティマはへたりこむように膝をついて驚いたのだ。



「――そ、そんな……嘘だニャ……」


「カティマ?お主、何をそんなに驚いて……」


「エルダーリッチが……どうしてここにいるのニャ……ッ!?」



 カティマの驚きが全員に伝わる。

 ヴィルフリートの書いた本を読み漁ったカティマにとって、シルビアの姿を理解するのは簡単すぎたのだ。

 本に書かれていた通りの容姿に加え、不思議と感じさせられる強制力――それに、手に持っていた豪奢な杖がその証拠だ。



「エルダーリッチだとッ……!?いや、まさかそれでは――」



 シルヴァードは気が付く。

 さきほどの我が子の血を引く者――という言葉の意味を。



「あら。貴女はわかってくれるのね」


「……そ、そりゃ、本を読み漁ったから……ニャ」


「エルフの?」


「ニャ、ニャア……」



 カティマが力なく頷く。彼女にしては珍しく、緊張で口を開くのが困難といった感じだ。

 言ってしまえば逃げたくなってしまうような恐怖もあったが、シルヴァードが妙に落ち着いてるのに気が付くと、カティマもそっと息を整える。



「後であの本についても詳しく教えてあげる。さぁ、我が子の血を引く今世の王よ。王太子アインの現状についてを伝えましょう」


「ッ――ア、アインは命を落としたのではないのか……!?」


「いえ。彼は生きてます。ハイム王都に強く根を張り、周囲の悪しき・・・存在を吸収し、成長をつづけながらも」


「……申し訳ない。余には、その理由がさっぱりわからぬ、いったい何が起こっているというのだ」



 思いもよらない朗報にシルヴァードは立ち上がる。

 すると、おっかなびっくりな足取りで前に進むと、ロイドとシルビアが立つ場所に近づいた。



「彼は宿願を果たした。赤狐を倒し、彼らの長を打ち取った……でも、最後に発生した精神的な隙を突かれ、宿す魔王の力に敗北したの」


「ま……魔王アーシェと同じだと……?」


「いいえ。アーシェよりも質が悪いわ。アイン君はどちらかと言えば、宿す魔王の力に押されたんだもの。その力の強さが、私たちを召喚できたということの証明だわ」



 どうしていいのか分からない。

 シルヴァードの様子はそんな立ち居振る舞いで、困惑ばかりが募っているようだ。

 しかし、二人の会話を聞いて、ララルアが初めて声を出した。



「――口を挟む無礼をお許しください。陛下、それに……」


「シルビアよ」


「失礼致しました。シルビア様。申し訳ないのですが、私にカティマ……それに、クローネは皆様のお話についていけません。失礼ながら、その魔王……という言葉についてと、シルビア様が申していた我が子の血を引く・・・・・・・・……という言葉の真意をお尋ねしてもよろしいでしょうか」



 イシュタリカ王家の女は強い。

 その言葉を体現するかのように、ララルアは毅然とした態度でシルビアに尋ねる。

 クローネはララルアの隣で静かに頷くと、ララルア同様に表情を引き締める。

 一方のカティマはまだ困惑しているようだったが、立ち上がると膝についた埃を肉球で叩き落す。



「……ご説明をしても?今世の王よ」



 シルヴァードはその言葉にすぐに頷く。

 こうなってしまっては、アインと共有していた秘密を隠しておくわけにもいかなかったのだ。




 *




 シルビアが語るのは、先だってロイドたちに語ったのと同じ内容に加え、王家の情報についてだ。

 それでいて更に事細かに説明をすると、謁見の間に集まった面々はその事実に驚かされる。

 アインが魔王になっていたということや、イシュタリカ王家の真実――そして、魔王アーシェたちとの関係。

 初代国王マルクの家族関係など、その全てをシルビアは語る。



 すると説明を聞き終えたララルアはしばらくの沈黙をみせ、この事を教えなかったシルヴァードを睨みつけようとした。

 だが、彼の心情や話の内容を鑑みて、ララルアは寸でのところでそれを抑える。



「では、シルビア様は、マルク陛下のお母君にあたるということなのですね?」


「その通りよ」



 事情を理解したララルアはため息をつくと、居を正して前に進む。

 シルヴァードよりも前に進み、シルビアのすぐそばに足を運んだと思いきや、すぐさま膝を折って深くカーテシーをする。



「数々の無礼。どうかお許しくださいませ」



 現王妃が頭を下げるという事態は異例だ。

 だが、立場から言っても、前王やその妃たちを相手と思えば、王妃ララルアが頭を下げることに違和感はない。

 とりわけ初代国王マルクの母と聞けば、イシュタリカの人間としては頭を下げないことは考えられないのだから。



「――陛下。貴方も頭を下げるべきかと」



 本来ならばそれどころではない。

 大切なアインの事情が気になってしょうがなく、いくらシルヴァードといえども余裕は全くないのだ。

 だがララルアは礼を重んじると、夫のシルヴァードに強く訴える。



「む……た、確かにその通りだ……」


「あ、あぁー、いいのよ。無礼が過ぎると問題だけど、貴方たちに頭を下げろとは言わないから」



 ララルアが頭を下げると、玉座近くではカティマとクローネが同じく頭を下げていた。

 シルヴァードが膝をつく直前にシルビアが止めると、彼女はララルアに手を貸して立たせた。



「でも、そんなに素直に私の事を信じでもいいのかしら?」



 当然の疑問だ。ララルアたちが素直にシルビアの事を信じたことを不思議に思うと、気にすることなくそれを尋ねる。



「……余が信頼する王太子の報告なのだ。それに、急激な成長や強くなったという話……また、旧魔王領での事実を踏まえれば、シルビア殿の事を否定することはできぬ」


「――ふふ、なるほどね。ならよかったわ……あっ、あとで良人も来ると思うからよろしくね」



 良人と聞いても事情は分からなかったが、ロイドの方を見ればロイドが頷いたため、シルヴァードはそれを任せることにする。



「さて、ではすまないが話を戻したい。結局のところどうなのだ?アインは生きているのだろう……?」


「生きてるわ。ただ、今は魔王の力を暴走させてるっていうだけのことだから」


「……だけとは思えぬのだがな。過去の魔王アーシェのことを思えば」



 シルヴァードは苦笑いを浮かべるが、はじめと比べて希望に満ちた表情をしている。



「遅くなったけど本題に入ります。私がここにやってきたのは他でもない、アーシェの魔石を取りに来たのよ」


「ニャッ!?ま、魔王の魔石を……!?」


「……えぇ。あの子の魔石が必要なの」



 カティマはのけぞるように驚くが、一方のシルビアは違った。

 酷く悲しそうに腕を抱くと、強がるように笑みを浮かべるのだ。



「そ、そうかッ!魔王アーシェの魔石を使い、アインの暴走を止め……アインを救ってくださるのだなッ!」


「――えぇ。私たちはアーシェの魔石を使って攻撃を仕掛け、アイン君の願い・・を叶えます」


「心より感謝するッ!どうか、どうか我らがアインを……!」



 するとララルアとカティマも頭を下げ、シルビアの言葉に感謝をささげた。

 だが、ただ一人――クローネだけが頭を下げず、ただじっとシルビアを見つめる。

 口を開くことは無かったが、強い視線でシルビアを見つめつづけた。



「そういえば、陛下。オリビア様は……?」



 ここにオリビアが居ないことに気が付くと、ロイドはそのことをシルヴァードに尋ねる。



「う、うむ……わからんのだが、昼頃から身体を崩し寝込んでいるのだ。急に気を失ったかと思えば、それから目を覚ましていないとマーサから聞いておる」


「な――なんともそれは、心労が溜まっていたのでしょうか……」


「根付いているんじゃないかしら」



 シルビアが不吉な言葉を口にした。

 根付くという言葉は、アインやオリビアのようなドライアドからしてみれば死活問題なのだから。



「根付いている……まさか、やはりローガス殿と……ッ!?」



 であれば一大事だ。なにせローガスは既に命を落としている。

 ……が、シルビアはすぐにそれを否定する。



「ローガスっていう子の事は少し覚えてる。でも、彼はもう亡くなってるのだから違うわ」


「ではいったい誰がッ……!」



 娘が誰と身体を重ねていたのか。

 それが戦場にいったものと関係していると思えば、シルヴァードは気が気でない。

 憎しみを込めた瞳でそう口にすると、犯人捜しをせねば……と考えるが、



「……アイン君は普通の赤子のように育てられた。乳児の頃は母乳を貰い、この歳になるまで母といい関係を築きつづけた。もしかすると、これが原因で知らない間に根付いていた――のかもしれないわ。ごめんなさい、根付くという習性についてはこれ以上詳しくないの。でも、こうした過去があるからこそ、彼女は身体を崩してしまっているんだと思う」



 この言葉を聞き一同は説得力を感じた。

 最近では、戦地に向かうアインの額へと口づけをするなど、オリビアは常にアインへと愛を向けてきた。

 であれば無意識のうちに根付いていた……という事態であってもそうおかしくない。



「それに……昼過ぎに倒れたのなら、アイン君が暴走したときと時間も合うわ」



 実際のところ、ドライアドの習性や生態については不透明な部分も多く、この事を否定する理由も見つからなかったのだ。

 シルビアはそれを不憫に思うと表情を硬くする。



「だ、だがアインの問題が解決すれば――オリビアも」


「……えぇ。アイン君の問題・・解決すれば・・・・・、その子もよくなるわ」



 ――まただ。

 山びこのように言葉を返すシルビアを見ていると、クローネは違和感を感じてしまう。

 口を開き詰問したくなる気持ちを抑え、頭の中を全力で働かせる。



「ならば安心だ……ッ!で、ではいつアインの元へ……?」



 急かしたくなる気持ちも分かる。

 ララルアが厳しい瞳をシルヴァードに向けるが、シルビアは優しく微笑んだ。



「良人が戻ったらすぐにでも……と思ってるわ。じゃないと、アイン君がどんどん強くなっちゃうから」


「おぉ!ならば丁度いい」


「ん、陛下?ちょうどいいとはいったい?」


「ははは、実はだな、明日の朝一でオズ教授が城にやってくるのだ!ようやくイストに戻ったとのことで、資料を持ってきてくださる!であれば、彼もシルビア殿たちに協力できると思ってな」


「ほう。それは朗報ですな」



 しかしシルビアは難色を示す。なぜならば、アインが吸収を続けて強くなってしまうからだ。

 つまり時間は一刻を争うといっても過言でない。



「さすがに一晩待つのはどうかしら……」



 ロイドやリリからしてみれば、魔王化というのは、エドとの戦いで身に染みて理解させられたことだ。

 過去にその研究をしていたというイスト――そのなかでも研究者の中でも著名なオズがくるということは、彼らにとっても朗報だ。



「ところでえっと……そのオズって方はどなた?」


「あぁ申し訳ない。オズ教授というのは、過去のイストの資料を持っておりまして……そのなかには、人工で魔王を作るという研究もあるとのこと。ですので、かねてより招集をかけていたのですが、彼と連絡がつかなかったのですよ……」


「……ふぅん。人工魔王、ね」



 ロイドの説明に興味を抱いたシルビア。



「わかったわ。それなら、一晩お世話になろうかしら」



 すると、一変して一晩世話になると答えるシルビア。

 シルヴァードやロイド……ララルアたちはこの返事に感謝すると、強い頼もしさを感じるのだった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る