ようやく分かったこと。

「ただいま戻りましたお父様」



 少しの休憩を終えてアインたちはイシュタリカ王である、オリビアの父の下へと来た。

 場所は20畳程度の会議室で、部屋の名前通り会議中だった。

 オリビアが入室した瞬間、会議室はとんと静かになり皆がそちらに注目する。



 一番奥にある豪華な椅子……それに座っている体の大きな男性が、イシュタリカ王にしてオリビアの父シルヴァード。

 その両隣には一人の屈強な男と、身なりの良い初老の男性が座っていた。


「……すまんが余の頬を」


「(そうですよね陛下。外国に嫁いだ娘がいきなり会議に乱入してきたんだから)」



 アインは少しイシュタリカ王に同情した。

 王としても何一つこのことについて想定できなかっただろう。

 頬を抓って現実か確認したくなるのも当然だと思った。



「殴ってくれぬか」


「承知いたしました……ふんぬぁ!」



 シルヴァードが隣に座っていた屈強な男に自分の頬を殴らせる。

 その男は気合を入れ、王の頬を軽く助走をつけて殴りつけた。


「(え、えぇー……恒例の頬を抓ってじゃないの?殴ってはあかんでしょ。殴った人もふんぬぁって……気合いれすぎじゃ)」


「うむ悪くない。どうやら現実のようだ」


「(これで分かっちゃったかー。てか陛下丈夫ですね、全く効いてないじゃん)」



 あんなにも強烈なパンチを食らったというのに、全くと言っていいほどダメージを受けていない王にアインが驚く。



「あらお父様?人にいきなり殴らせてどうしたのかしら、まだお若いはずですのに」



 アインは貴方のせいでは?と思ったが口にはしない。

 というか異様な雰囲気すぎて口を挟めない。



「姫、ですから急にいらっしゃると陛下も混乱すると」


「でも事前に一言いれるとしても、結局はそれも突然なんだから一緒だわ」


「余も王として、臣下に狼狽える姿を見せたくはない。すまんが今日の儀はこれまでとさせてもらう、よいな?」



 先程までの謎の空気とは一変、シルヴァードが会議に参加している面々に命じる。

 彼もこうする以外に考えが浮かばなかった。




 *


 第二王女オリビアが帰ったことは口外しないと決めた後、会議の面々が解散していった。

 今部屋にいるのは7人。

 アインにオリビア、そしてクリスとマーサ……そしてシルヴァードと、シルヴァードの両隣に居た初老の男性と屈強な男。



 場所は変わって、真面目な話ということで謁見の間に移動した。

 広々としているそこは大理石の床が輝いて、カーペットがすごいふわふわでアインはあまり落ち着かない。

 これほどかというほどの威厳がある豪華な玉座にシルヴァードが座り、話は始まった。



「正直に言う。混乱しておる……大陸を越えて嫁に行った娘がいきなり会議に乱入してきたのだ」



 お察しします陛下、アインが同情する。



「そうね、たしかに唐突にこんなことになってるのは認めます。帰ってくると決めたのも昨夜ですから」


「昨夜か……私は何一つ報告を受けていない。ロイド、ウォーレン……お主らはどうなのだ」



 シルヴァードが声をかけたのは、シルヴァードの両隣に座っていた二人の男だ。

 屈強な男がロイド、初老の人がウォーレンというようだ。



「私もですよ陛下」


「こちらも同様ですな陛下。騎士団には連絡が来ておりません……クリス殿はどうだったのか、気になりますがな」



 ウォーレンが答えた後にロイドが続けて答えた。

 ロイドは鋭いようで、クリスにロイドの視線が向けられる。



「はっ、私は昨晩より姫の護衛の任務についておりました。そのため状況については理解しております」


「そのことについては何も言わないでくださいねお父様。執事室にもクリスにも、私から口止めをして迎えに来てもらったのですから」



 オリビアが約束通りクリスたちをフォローした、こう言われてはシルヴァードも多少納得せざるを得ないだろう。



「……ならばもうそれは聞くまい。我が娘の命令に従っただけならば、これに関わっていた者たちは一切を不問とする。この件は以上だ」


「ありがとうございますお父様」


「はぁ……まったく最近ときたら、面倒ごとが続くと思ったら今度は娘が帰ってきたのだぞウォーレン」


「陛下。そう苦言を呈するならばもう少し態度を律するべきでしたな」


「そうですぞ、我々からすれば陛下がお喜びになっているのがわかります。姫のお帰りが嬉しいのでしょう?」


「(ぱっと見だけど、この二人は陛下の一番信頼している臣下ってことなのかな)」



 シルヴァードがウォーレンへと苦言を零した。

 ウォーレンもロイドも二人してシルヴァードは喜んでいると言うが、正直分からない。

 正直怒っては無いけど、不機嫌に近い表情にしか思えない。



「全く、余の心を理解できぬ不出来な臣下であるな」


「ではこれから精進させていただくということで」



 ウォーレンが全く気にしてない様子で返事をする。

 長い間一緒に仕事しているようで、そのため小さな違いも分かるように感じた。



「……して、帰国した理由の前に一つ答えてほしい。ここにいる子は誰か?」



 気を取り直してシルヴァードがアインを見た、そしてアインのことを誰かとオリビアに尋ねる。



「アイン、大丈夫だから自己紹介をしてくれますか?」


「はい。……お初にお目にかかります。俺……私はアイン……前の名はアイン・ラウンドハートと申します。こちらにおりますオリビアが私の母でございます」



 さすがに陛下の前で俺と使うのをためらったアイン。

 今思えば普段から私と使うべきなのだろうが、なんとなくこの歳にしてそんな口調で話すのが少し気恥ずかしかったのだ。



「子……子であるか……オリビアの子……」



 アインの自己紹介が終わると、シルヴァードが戸惑った。



「あらお父様?孫に自己紹介をさせておきながら自分は何もしないおつもりでしょうか?初孫ですのに、それで怖いと思われても私は何も致しませんよ」



 シルヴァードがオリビアからそう言われ、ハッとした表情でアインを見た。

 そして目じりを少しだけ下げて続ける。



「余はイシュタリカ王、シルヴァード・フォン・イシュタリカ。初めましてとなるが、余はお主の祖父ということになる」


「はい。存じ上げております、とはいえこの話を聞いたのも昨夜なのですが……」


「ひ、姫様のお子……ですと」


「これは驚いた。この子が……オリビア様からのお手紙に書かれていた子。陛下が今か今かと会いにくるのを待っていた、オリビア様の」


「ロイド。何を申しているのだ」



 シルヴァードがまたロイドにいじられはじめる。

 その雰囲気はアインが考えていたよりも遥かに過ごしやすかった。



「いやなに……のうウォーレン殿?」


「えぇそうですな、数か月前でしたかな?オリビア様から息子が修練の賜物を手にしたと、そういった内容の手紙を頂いておりましたな。その時と言えば我々以外もわかるほどにご機嫌でしたから」


「おおそうだったそうだった、陛下も我が自慢の孫が順調に成長しているようだと口に。いやしかしここまで幼いというのに、修練の賜物を得るとはこのロイドも素直に驚きましたぞ」


「頼むからもうやめてくれ、余の負けでよい」


(態度には表れないけど、割と家族には甘いタイプなのかな?)


「はっはっは!陛下を負かしてしまった。極刑にならぬようにせねばなりませんぞウォーレン殿」


「お互い様ですねロイド殿……さて、お初にお目にかかりますアイン様、私はウォーレン・ラークと申します。宰相としてイシュタリカへと忠誠を誓っております。ご帰国なされるまでの短い間ではありましょうが……是非よろしくお願い致します」


「お初にお目にかかる、私はロイド・グレイシャーと申す。元帥としてイシュタリカの平和のために命を捧げております。もしよろしければご帰国なさるまでにお時間があれば、鍛錬などお付き合いできますのでお声がけください」



 やはり二人ともイシュタリカにとっての重鎮だった。

 アインはこの部屋の面々が、大分すごいことになっている事に気が付く、統一国家の王にその宰相と元帥、そしてアインサイドには第二王女に近衛騎士団の副団長、そして給仕の中でもトップクラスのマーサ。



「皆さんがあいさつ終わったところですし、続けましょうか。お父様私が帰国した理由ですよね」


「あぁ。アインとの挨拶の場はもう少しゆっくりとした場で行いたかったのだがな、まぁもうよい」


「あらあらお父様ったら。でもごめんなさい、急に決めたことだったから余裕がなかったんです」


「……その理由を聞こう」



 シルヴァードにウォーレン、ロイドの3人だけではなく,クリスやマーサまで緊張した面持ちとなった。

 クリスは昨日から行動を共にしているが、離縁の理由についてまでは聞いていない。



「私はローガス・ラウンドハートと離縁いたしました。もうハイムに戻るつもりはありませんしアインをあちらに渡す気もありません」


「……ロイド。すまぬがもう一度殴ってはくれぬか」


「恐れながら陛下、私も殴っていただきたく」



 ふんぬぁと二人で声を上げて、クロスカウンターの如く殴り合った。

 シルヴァードも負けてないパワーでそれに応じる。



「ひ、姫……?離縁したとは、妻と夫が別れる離縁で間違いありませんね?」



 一人だけ見た目では落ち着いていたロイドが確認をした。



「はいその離縁で間違いありません」


「理由だ!理由を申さぬかオリビアっ……なにがあったというのだ?」



 シルヴァードが今まで以上に興奮した様子になる。

 アインが話していて分かった事が、彼は家族に甘いタイプの人間だということ。

 尋常じゃないほどに離縁の内容が気になっているのだろう。



「アインがあそこにいては幸せになれると思えなかったんです。親の言いなりに近かったローガスとも、生涯を共にする気にはなれませんでした」



 オリビアが理由を説明し始めた。

 ローガスがグリントの面倒ばかりみるようになったことや、祖母であるイシスのアインへの目に見てわかる冷たい態度。

 今までにあったことを捲し立てるように皆へと説明した。



「(はぁ……そんなことをしていた家の人間の血が俺に半分入ってる。受け入れてくれなくとも、せめて生活できるぐらいにはしてもらえないかな)」



 アインが考えていたのは彼自身の血のことだ。

 ラウンドハート家は、シルヴァードの大事な娘をこんな扱いにしていたのだから、もしかしたらアインのことも気に入らないなんてことがあるかもしれないと考えていた。



「……よく、帰ってきてくれたなオリビア」


「……はい」



 シルヴァードがいろんな感情を頑張って抑えようとしているのだろう、少し苦しそうな表情でオリビアにおかえりと声をかけた。



「ロイド殿、予算会議の必要はありましたかな?」


「ないでしょう。口にしてはなんだがハイムが相手だ、先制攻撃をしてしまえば特に怖いものはない。強いて挙げるとするならば、確かにローガス殿はそれなりの手練れだが、あくまでも"それなり"としか言えない」


「(あれ、物騒な会話が聞こえてきたぞ)」


「とはいえ騎士団としても"ハイム"を亡ぼすのもあまり気が進まないでしょう。ラウンドハート邸への攻撃で事は足りるのでは?」


「……お主ら、余の前で何を話している?」



 さすがにまずい会話だったのだろう、シルヴァードが不機嫌そうな顔で止めにはいる。



「ハイムにてラウンドハートを亡ぼすのは認めん。かの家の者を捕え城下の広場にて首を落とす」



 一番ぶっそうじゃねえか陛下、アインが口に出しそうになった。



「もう、そうなるのが面倒……いえ、嫌だったから私は内緒にして帰国したんですよお父様方?もうやめましょう?私も思い出したくないですもの」



 おそらくオリビアとしてももう関わりたくない部分があるのだろう、物騒な会話をしている三人のことを抑えた。



「姫がそう仰るならば軍の派遣はやめますが……」


「昔からお優しいですからな姫は、はっはっは!」


「ハイムに関してはとりあえず棚上げとしよう。イシュタリカのため……ハイムにまで嫁に行ってくれたというに」


「あぁその事もでした。私がハイムに嫁いだ理由をアイン達に話してもよいでしょうか?」


「(そうだ、お母様がハイムまで来た理由。

 俺が知りたかったことの一つだ)」


「あぁもうよい。この密約も瓦解してしまったのだ、ここにいる者になら話しても構わない」



 シルヴァードからの許しが出た、これでようやく疑問が一つ解決するだろう。



「じゃあウォーレン。説明をしてくださいね」


「承知いたしました。話の内容としては簡単です……資源やそれにかかわる利権のためでした」


「我が国としてはたしかに広大な敷地面積を持ち、高い技術力と文化で繁栄の一途をたどっています。ですがその繁栄のせいで一つ問題が出来ました」


「問題……もしかして、人口に関してでしょうか」



 今まで何も口にしなかったマーサが考えを言う。



「マーサ殿が言う通り、人口だ。列車は勿論……今では生活には必ず魔道具が使われております、お湯を沸かすにもこれを使いますし、小さい船であろうとも使います。生活の中にごくごく当たり前に存在している魔道具ですが、これを作るために必要な鉱石が圧倒的に足りておりません」


「海結晶ですか、たしかに急務でございますね……アイン様、海結晶をご存知ですか?」



 もちろんアインは内容を全く理解できなかった、それゆえクリスが確認してくれたのがありがたかった。



「いえ初めて聞きました。どういった鉱石なんでしょうか」


「合わせてご説明致しますね。海結晶とは海中の魔物たちの骨が、気が遠くなるほどの年数をかけて生まれ変わった素材です。我々はその海結晶を高温で溶かしたものを魔道具の中に入れております」



「(そんな素材があったのか)」



 聞いているだけでも貴重そうな素材。

 それの効果についても是非説明が欲しい。



「ええっと、その溶けた海結晶はどのような効果をもたらすのでしょうか」


「この溶けた海結晶は様々な魔法を記憶し魔石を制御できます。お湯を沸かす魔道具にはお湯を沸かすための魔法を、涼しい風を出して快適に過ごすための魔道具では、2種類の魔法を記憶させ制御しています」



 宰相のウォーレンが詳しく説明した。



「(なるほど、家電とかの機能の部分はすべてその海結晶で記憶させているのか、というかエアコンまであるのねこの国……)」


 エアコンのような魔道具があることにもアインは驚く。

 文化のレベルが想定の数倍は高くなってきている。



「おおよその用途は理解できました」


「それは結構です。話を少し戻しましょう。人口が増えて魔道具の需要が大きく増えてきました。ですが我々の近海では、発見した限りの海結晶はほとんど採掘しきっているのです。ですがその時ハイムの港町ラウンドハート近海で膨大な量の海結晶が発見されました」



 海中の魔物がということなら、遠征すればよいのでは?とアインが考えたが、すぐさまそれへの答えが話される。



「我々の知恵と技術を以てしても、海結晶の発生条件はわかっていません。現状分かっているのはただ一つだけ、海結晶は陸から離れすぎた海底にはなぜか発生しないのです」


「(あ、なるほど……)」


「幸いハイムの魔道具は我々とは仕様が違います。我々の場合液化した海結晶に魔法を記憶させ、原料となる魔石を制御し作動させます。一方ハイムの場合、制御させるもの……我々にとっての海結晶がありません。そのため制御機能はなく魔道具そのものを起動させれば、ただお湯が沸いたり風が出るようなものになります。ここに魔石の制御はありません」


「(なるほどわからん、制御してるかしてないかの違いなだけ?魔石の利用効率が違うとかなのか?だとしたらそんな理由なだけで姫を嫁に出すほどとは思えない)……申し訳ありません。魔石を制御できる時とできない時の違いを教えてください」


「これは失礼しました。制御しきれていない魔石は、その秘められた魔物の魔力を微量に漏れ出してしまうのです。魔物の魔力は人間にとって"毒"です、そのため結果どうなるかというと純粋に寿命は短くなりますし、成長も阻害されてしまいます」



 つまりハイムで魔道具を使うたびに、少しずつ体を蝕まれていたということだ。

 そんなの聞いたら使う訳に行かない。



「我が国では国民のほぼすべての人間が魔道具を所有しております。そのためそういった形の魔道具を利用するのを許すわけにはいきませんでした。もちろん新型の研究はしておりますが開発の目途は立っておりません」


「……では、そのために姫はハイムに嫁いだと?」



 クリスにとっても初めての事実だ、内容としてはあまりいい気分はしていないのだろう。

 オリビアのためにそのような気持ちになってくれたこと、アインは嬉しかった。



「そうですな。結果我々がハイムに求めたのは、海結晶の採掘権等それに準ずる権利。彼らが我々に求めたのは後ろ盾でした、ハイムは我らとの国力の差は圧倒的です。我々の後ろ盾があればハイムはあの大陸でも更に強く出られますので」



 いくつか考えていたこと、疑問に思っていたことが解決した。

 つまりオリビアはイシュタリカのため、自らを餌に密約を結んだのだ。



「アイン様のことを次期当主として決めた時、オリビア様のことやイシュタリカのことを公表することとなっていました。これは他の国々から面倒な追及ややりとりをされないがため、時期を見ていたということです。公表すると同時にラウンドハート家は伯爵から侯爵へ、アイン様が成人なさったときに公爵へと陞爵だったとか」



 イシュタリカみたいな国から姫を頂いたなんてそう口にできないだろう。

 過激派にそのことが知れ渡れば、一気にハイムが他国へと戦争をしかけることも考えられた。

 多くのことを考えれば時期を見るのはありだと思われた。



「あのー……ところで、そんな密約を結んでいたのによいのでしょうか?たしかにあちらの大陸では今は情勢が安定しているのですぐに後ろ盾はいらないとは思いますが、それでもこういったご破算の形は」



 マーサが言うことももっともだ。正直もうイシュタリカの協力はないものと考えたほうが良いだろう。

 このシルヴァードという男が、もう一度そんなことを許すとはあまり考えられない。



「余も奴らが何を考えているのかようわからん。ロイドどう考える」


「私も正直わかりませんな。確かに我々にとっても痛手ではありますが、かと言ってハイムにとってはもっと……」


「海結晶は大丈夫よ」


「……オリビア、なんと申した?」



 ……お母様?いったいなにを言うつもりでしょうか。


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