獣を模した機動兵器『ドレスビースト』を操り、戦場と学園を生きる少年少女を描く物語。
その魅力は個人的に、スタイリッシュな『ドレスビースト』の機動兵器戦と、感情揺さぶる人間ドラマにあると思う。
今作は個性的なキャラが多く、その個性が至る所で激しく衝突し、それが作品の魅力を引き上げている。エスティの前に現れる苛烈な少年、ダンを始め、二人と対立するニールやマリア……戦場故に育まれた若い精神性の激突は、今作において最高の演出だ。
そして有機的な要素が絶妙に掛け算されたクールな機動兵器『ドレスビースト』の狂気的な美しさに、読み進めるほどに魅了される。
これから読者の感情をどう揺さぶってくるのか、どんな戦いを見せてくれるのか、楽しみでならない。