跳ね足ジャック
安良巻祐介
蔓草と弾け実を機械のように細かく組み合わして、
生身の部分が殆どない、生きてもない代物とは言え、物珍しさが勝つらしく、巡回していても、緑色や枯れ草色の、親指大のものが町のあちこちを跳ね回っている。
捕まえてみると、実際のところいわゆるバッタとはあまり似ておらず、どちらかと言えば痩せた小人のような姿をしているのだが、子供らはこれをバッタ、バッタと呼んで玩具にしているのだ。
大人からすれば気持ちが悪くもあるけれども、無邪気さから来る子供の欲求を満たすには向いているのだろうなあと、片手片足をもがれたまま、何か叫ぶような顔でピンピンと機械的に跳ねる偽バッタを見つめながら、苦笑することしきりであった。
跳ね足ジャック 安良巻祐介 @aramaki88
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