一匹狼の叫び声
@Daigo_Story
一匹狼の叫び声
主人は一匹の狼を飼っていた.
ある日突然、謎の物体が狼に降りかかり、狼が擬人化した。
主人は擬人化した狼を「フェネイロオオカミ」と名付けた。
由来はフェネックのような毛並みの狼、という単純な考え方だ。
主人はフェネイロオオカミと幸せな日々を過ごしていた。
しかし幸せな日々はそう簡単に続かなかった。
ある日、主人が倒れた。
原因不明の病気だった。
おそらくフェネイロオオカミに当たった謎の物体が原因だろう。
医師から宣告された余命は短く、長くても一か月だった。
余命のことはまだフェネイロオオカミには伝えなかった。
伝えたくなかった。
伝えるのが、嫌だったから。
そして、少しでも寂しい思いをさせないために、フェネイロオオカミを山奥へ連れていき、
「私は仕事が忙しいから少し世話が出来ない。だから、今から来る人に少しの間いてくれないか?」
とフェネイロオオカミに嘘を言った。
フェネイロオオカミに手紙を渡し、フェネイロオオカミとの最後の別れを終えた。
その後、主人は原因不明の病気によって病死してしまったが、そのことはフェネイロオオカミには知らされていなかった。
彼女はいつか帰ってくるだろうと待ちわびていた。
しかし、そんなことは二度と訪れない。
主人はいなくなってしまったから。
彼女は延々と待つだろう。
あの知らせが届くまでは、
彼女に絶望を与えられるまでは。
彼女に一通の手紙が届いた。
手紙の内容はとても彼女にとって絶望の始まりであった。
内容は、
「砂星過大接種病」と主人の死によるものだった。
彼女はその手紙を読み、涙をこぼした。
あの手紙を読んで数日後…
彼女は捨てられた。
正確には、飼い主が死んだ。
一匹狼となった彼女は、新たな飼い主を探すため、旅に出た。
山を歩き、谷を歩き、海も歩いた。
歩き疲れ、意識が消え、気づいた時には見知らぬ島にたどり着いていた。
その島には、彼女の容姿に似たのがほとんどだった。
彼女は歩き続け、島を探索した。
ある時、歩いているときに、一つの青い生物が道をふさぎ、彼女に攻撃をしかけた
彼女に避ける体力は残っておらず、両腕が青い生物に取り込まれた。
次は体を食べられかけそうになったその時、青い生物は二つに分かれた。
その後ろには、一匹の獣が剣を持ち、立っていた。
「ふぅ...」
二つに割れた生物の前で剣を鞘に納め、彼女を担いで木造の建物へ運んだ
その時、彼女は状況を理解しておらず、とても混乱していた。
ロッジの中には、彼女の姿に似た獣が多く、にぎやかだった。
...どうやらこの島の獣たちと彼女は「アニマルガール」通称「フレンズ」と呼ばれ、この木造建築は「ロッジ」で助けてくれたフレンズはここの住民という事が分かった。
あれから数日後、
彼女はこのロッジに住むようになった。
彼女の腕がないことはとても不自由なことだが、彼女にとって生きていれば問題ないと思っているようだ。
そしてある夜、彼女に渡された一通の手紙を読み、「星砂過大接種病」ということに疑問を持ち始めた。
星砂とは一体何なのか、なぜご主人様は「星砂過大接種病」で死んでしまったのか
そんな疑問を胸に、夜が明け、ロッジの住人に話しかけたが、誰も知らず、困っていたところ、
「ジャパリ図書館」
というところに行くと良いという有力な情報を得た。
荷物をまとめ、ジャパリ図書館に行こうとした矢先、あるフレンズが連れてってあげるといわれ、両腕が不自由な今、とてもありがたいと思った彼女は、そのフレンズに連れてってもらった。
そのフレンズの名は「パフィン」と名乗った。どうやら「ニシツノメドリ」のフレンズらしい。
まず、彼女の目的は「ジャパリ図書館」という所に行き、「星砂過大接種病」について調べることが目的だった。
...しかし、それがさらなる絶望への始まりとは思ってもいなかった。
旅立ちの日
「では、行ってきます!必ず戻ってきます!」
といい、パフィンと彼女は空に飛んだ。
「空は楽しいですかー!」
「うん!とっても!」
空の散歩はまだ慣れないが、彼女にとっては未知の世界に足を踏み入れたような感覚で楽しんでいた。
「あれがジャパリ図書館...です...」
それは崩壊した一つの建物だった。
「博士が危ない!急ぐよ!」
「う...うん!」
急降下しながら二人は図書館に近いていった
図書館の内部に入った時、二匹の倒れたフレンズと大量のセルリアンがいた。
「博士!助手!助けに来ました!」
そういい、パフィンは二匹のフレンズを助けに行った。
セルリアンがいなくなってから、二匹のフレンズの話を聞いた。
「助かったのです。あれは博士でも苦戦しました。」
「まさか凶暴化するなんて...」
どうやらあの物体はセルリアンというようだ。
「助けてくれたお礼に、お前の知りたいことを何でもお教えてあげるのです。感謝するのです。」
「そうです。この博士を敬うのです。」
いきなり調子に乗った二匹のフレンズを見て、彼女は不安に包まれた。
「ははは...博士たちはこういうフレンズだけど知力と力はそれなりだよ。何でも聞けて良かったね!」
と、パフィンが言った。
図書館は崩れてしまったが、無事の本や、武器、機械などがあるので、ここに住まわしてほしいと博士に相談した。
「ここに住むのですね、ですが、条件があります。」
「条件?」
「我々を満足させてみるのです。」
...それはあまりにも難しすぎる内容だった。
「我々を満足させてみるのです。」
「我々、フレンズとして資格があるのか試練を受けてもらいますよ。」
「試練...」
彼女は息をのむ。
「試練は主に何をやるのですか?」
「我々の試練は、我々の胃袋をつかむこと。そう。料理をするのです。」
「するのです。」
「...」
唖然とする。
緊張に裏切られた拍子抜けした簡単な試練。
しかし、彼女にとっては、最難関の試練であった。
そう。彼女は料理が不得意である。
それも世界の中で一番といっていいほど。
彼女は唖然と拍子抜けと同時に、絶望を感じたのであった。
「料理とは何ですか?」
「パフィンちゃん、料理は、食べ物を合わせて作るものだよ。」
「料理できるんですか?」
「う...」
料理という言葉で彼女は弱る。
彼女は料理面でのあだ名は[ダークマターの錬金術師]と呼ばれている。
「博士、材料はどうするんですか?」
「材料ならここに..といいたいのですが、襲撃によって...」
材料棚は悲惨な状態だった。
「なので、お前が自分で材料をとってくるのです。」
「自給...自足」
「ですが我々、腹が減っては何もできないのです。なので、早急に材料を調達するのです。」
「わかりました。早急に集めます。」
といい、森に入っていった。
「...えーと...材料...材料...」
「見つからないね...」
「うん...」
探しているとき、かすかに異なるにおいを嗅ぎつけた。
「どこ行くんですか?」
「ついてきて...」
においのもとはフレンズからだった。
しかし、フレンズとは形が違う。
「これは...」
そう。
”輝き”を失ったフレンズだ。
#E_破滅
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