第10話
「まず、基本的なことだが魔法は6属性ある。あとは自分の固有魔法とかじゃな」
そう言って地面に木の枝で、
火→土→風→水→火 光⇆闇と書いていく。属性の相性だろう。火が土に強く、土は風に強いという関係なのだろう。
「この中から自分の使える属性を見つけるわけか」
雷はないのか。残念だ…。
「そうじゃ、基本1人が使えるのは1属性じゃが、たまに2.3属性使えるものもいる」
「それで、どうやって調べるんですか?」
「この葉に自分の血を1滴たらして、色がどうなるか調べれば良い」
そう言いながら先ほど寝ていたところにある木の葉をとり、針で指を少し刺し、血を1滴たらす。
すると…
「それ、何色だ?」
2秒ほどかけて気持ち悪い色に変わっていった。赤、青、白、茶、黄、黒の6色が混ざっていた。色んな色が混ざって良く思えるかも知らないがとても綺麗な色とは言えない。
「私は全属性使えるから、こんな風に色んな色が混じるわけじゃ」
全属性…だと?こいつさっき2.3属性使える人も"たまに"いるって言ってなかったか?いきなり全属性使える人が目の前にいるんだが。
「スーパー幼女だったのか…」
「まったく嬉しくないランクアップじゃな…とりあえずおまえ達もやってみろ」
師匠に葉と針を渡されたのでプスっと刺し、血を垂らす。
少し痛いがしょうがないのであんまり気にしない。
すると色が変わっていき、白と青、黒色になる。
「祐一は、風、水、闇属性が使えるようじゃの、なかなかやるではないか」
全属性使えるやつに言われてもな…まぁそれでも3属性だ。良い方だろう。
「じゃあ次は私だね!」
結衣も葉と針を受け取り、指から血を垂らす。
すると…
「わっ!」
一瞬で色が赤、青、白、茶、黄、の5色に変わった。
「5属性か、しかも色が変わるのが早いな」
「速さ関係あるんですか?」
「色が変わるのが速いとそれだけ素質があるということじゃ、結衣はどうやらかなり才能があるようじゃの」
5属性使えて素質もあるとかだいぶチートだな。師匠でさえ2秒はかかったのに結衣は一瞬だ。
俺が5秒ぐらいかけて色が変わったからだいぶ差があるな。
「結衣は魔力の量はどのくらいじゃ?」
「ギルドで測ったのだと黒でしたよ。祐一は黄色でした。」
「黒じゃと!?黒のやつなんて見たのは何年振りじゃろうか」
何年振りってそんなに生きてないだろう。と心の中でつっこむ。
「やっぱり黒ってそんなに凄いんですか?」
「もう300年近く生きてきたが黒のやつは100年は見てないな」
「そんなに凄いの!?」
結衣が驚いている。
「いやそこじゃないだろ!今この幼女300年生きてるって言ったぞ!?」
「だから幼女って言うな!これでもおまえ達よりもずっと年上なんじゃぞ!」
この見た目で300歳超えか…
「ロリば…」
言いかけたところで、風の魔法を使われたようで髪が少し切れた。
「それ以上言ったら殺すぞ…?」
「すいませんでした!」
命が惜しいのですぐに土下座をして謝る。
「それにしても私ずいぶん凄いんだねぇ」
ほえぇぇと自分の凄さに気づいたのかずいぶんと驚いているようだ。
「祐一のほうも黄色で3属性も使えるやつはなかなか珍しいぞ?魔力量は多いわけではないから持て余すかもしれんが」
そんなことだと思ったぜ。3属性でも珍しいはずなのに目の前に5属性と全属性使える奴がいるこの状況はなんなんだ。
「とりあえず魔法の使い方を教えてくれ」
「そうじゃの、まず2人とも持ってる風、水、闇からやるとするかの」
俺に合わせてくれるようだ。それはありがたい。
「じゃあ水からがいいです!」
結衣が提案する。朝言っていた魔法に必要なのだろうか?
「なら水からやるとするか、まず何をすればいい?」
「水なら、そうじゃのー」
そう言って指をパチンと鳴らすと、直結1メートルほどある水の塊が2つ空中に現れた。
そんなこともできるのか…
「まずはこの水を自由に操れれば合格じゃ。水を0から作るのはその後でよい」
難しそうだがやってやる。この世界で生きていくためだ。それに力をつけなければ結衣を守れない。
そう決意を固めて水の魔法の修行にのぞむ…
異世界転移物語〜〜魔法の師匠は幼女!?〜〜 @yuu_isekai
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