やはり妹がブラコンすぎる世界はちゃんと廻ってくれない...わけではない。

さて、これからどうしようか...とりあえず戻ってみせるとは言ったものの、これはどうするべきなんだよ...

要するに、現実がひっくり返ったんだろ?あの、俺にぞっこんだった宵町の性格とか関係がひっくり返るとか、考えただけで吐き気が...

「おい、褪坐見、大丈夫か??」

「大丈夫だ、問題、ない...」

「いや、大丈夫じゃないだろ...」

「いや、ほんとに、大丈夫、だ...」

「あ、これ保健室連れてくべきだな」

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ところ変わって保健室

(はぁ、俺のモテモテだった甘酸っぱい青春の1ページはどこへやら...)

俺は、今向かい合わされている現実にひたすら目を背け続けていた。

きっと誰だって、たった1日で世界がひっくり返ってしまうと、背け続けるだろう。

慣れない環境と今はない人間関係。

すべてが俺にとってアウェイだった。

(こうなることを望んだ覚えはないのに...何でこんなことになったんだ?俺は何か悪いことでもしたか...?)

今までは人に甘やかされてしか生きていなかった俺は、人に嫌われた、しかも最愛の人にという事実を改めて思い知らされて、落ち着きを保つことは出来なかった。

(もう早退しよう、そうしよう)

こうして、俺の学校生活初日は幕を閉じた。

『学校にいた時間、50分』

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またところ変わってMYHOUSE

...今気づいたんだが、キャラ変わってきている気がする。あ、何考えてるんだろう俺。

(とりあえず顔洗うかー...)

そうして鏡を見ると、そこに写っていたのは

ーーー目が濁り、酷い隈が出来ていて死んだ魚のような目を残念イケメンだった。

「な、なんなんだよ、これ...」

まぁ、この2時間ちょっとの時間で、現実とは思えないことが沢山起きたんだ。そうなっても仕方ないと思う。この目の濁り方によって、今の自分がどれだけ危険な状態なのか、改めて思い知らされた気がした。

「もう俺ダメかもしれないな...こんな時に、凛が居てくれたらどれだけいいことか...」

「ん?読んだ?お兄ちゃん!お兄ちゃんの最愛の妹、凛ちゃんとうじょーう!」

などと考えていたら、なんかブラコン神の凛さんが帰宅してきた

...って、あれ?今学校じゃないの?

「お、おい、凛、学校は...?」

「え?そんなの、お兄ちゃんの方が大事に決まってるじゃん、おっ、今落ちた?落ちたよねお兄ちゃん?凛的にはいつ襲ってきてもいいんだよ??さぁ!」

なんなんだろう、このウザさ...

前の冷徹過ぎる凛はどこへやら...

...でも素直なこっちの凛、可愛いすぎないか?天使だ...目が浄化されていく...

あ、シスコンに目覚めちゃったかも、俺...

「まぁ、休んできたならちょうどいい、看病してくれねぇか?熱出ちまってさ。」

「看病なんて朝飯前!お兄ちゃんのためならなんだってするよ!おっ、今落ちた?落ちたよねお兄ちゃん?凛的にはいつでも襲ってきてもいいんだよ??さぁ!」

「なぁ凛、その、おっ、今落ちた?(以下略)は何なんだ?いったい。鬱陶しいんだが」

「お兄ちゃんへの愛情表現だよ!おっ、今落ちた?(以下略)」

「あーはいはい、落ちちゃったー、俺凛にメロメロ過ぎて周りの女子要らないとか思っちゃうレベルだわー。」

「むぅ!その言い方は気に入らないなぁ、お兄ちゃん。あっ、でも安心して?凛がお兄ちゃんの事嫌いになるなんて、天地がひっくり返ってもありえないから!凛はお兄ちゃんさえいてくれればほかは何もいらないよぉ♪」

なんだろう、このブラコンすぎる凛は。慣れないなぁ、本当。

「まぁなんだ、よろしく頼むよ、凛」

「はい!お兄ちゃんのためなら何だってするよ!おっ?今落ちた?落ちたよねお兄ちゃん?凛的にはいつ襲ってきてもいいんだよ??さぁ!」

ほんと慣れねぇ...

だけど、こんな凛もいいよなぁ、前から可愛いとは思ってたけどこんなに素直になられたらもう可愛さが止まらない。あれ、俺前から結構シスコンだったのか...まぁいい。

とりあえず、こんな元気な凛が居てくれる、そう思うと、こんな理不尽な状況でも心の救いはあるもんだなと実感することが出来た。

今の凛となら、きっと...


俺は、少しの生きる希望を見つけられた気がして、これからの不安が少し和らいだ気がした。

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やはり世界は俺を軸に廻ってくれない あじ。 @megumin_saikooooo

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