世界から買い物
「そうです。そして、より魔力に適応した種族は魔力がなんであるか分かってしまった。ここまで成長するには長く時を必要としましたけどね。魔法とは魔力を望む物に変換した事象でしょうか」
「じゃあ望めば魔法が使える人は何でも出来るって事ですか?」
「魔法もそこまで万能ではありませんよ。その領分へと達してしまえばそれは神の御技と言われるでしょう。出来る事に勿論制限は有りますし、ステータスにMPの表示が有ったでしょう?それ以上の事は出来ません」
魔法を使うとMPが減る。あのでっかい火柱でどれくらい使ったのかは分からないけど使い続けていたら零になって魔法が使えなくなるって事か。
そして使う魔法によっては凄く消費する物もあってMPが足りないと使う事も出来ないって事かな。
「絶対出来ない事って例えば何ですか?」
「代表的な物ですと死者蘇生でしょうか。治癒やご遺体を操る事は出来ますが失われた命を生前そのままに蘇生する事は出来ません。そしてあまりに肉体から失われた物が多すぎても完全なる治癒は出来ません。ですから無謀な挑戦は控えて下さいね、ツバサさん」
他にも色々有るらしいけどそこまでは聞かなかった。でも予想通りではあった。
魔法が有るからって万能ではない。そりゃそうだよな。大怪我しても死なないならギルドのランク制度とかモンスターのランク分けとかも要らなかった。それこそ回復薬と魔法乱用すればどんな無謀や無茶だって出来てしまう。失われた物が有ったからきっと決まったんだ。NPCだって生きてるんだから死んで良い訳ないしな。
「ここまでは分かりましたか?」
「あ、はい。多分」
曖昧に頷くとここまでは知識としての部分だから完璧じゃなくても良いと微笑まれた。これから応用編って事か。
「魔力とはあくまでも魔法という買い物をする為の対価です。ではどこから買い物をすると思いますか?」
「え?えーと、…分かりません」
「世界または精霊や妖精達から買うんです。5大属性の力は世界自体に魔力同様満ちています。ですので直接買う場合は世界から。こちらの方が高いですね。そして精霊や妖精、彼らは世界との中継ぎをしその力を貸してくれますので安いのですが、前提条件として彼らを
多分相当オレに合わせてくれてるんだと思う。魔法の話なのに例えが買い物って…。でも分かりやすいのは事実だ。MPは多いらしいから世界からでも良いだろうけど消費量が少なくて済むならその方がやっぱり良い。でも精霊か…今のとこ見えた事がない。
「何か精霊達を見るコツとかって有るんですか?」
「コツではなく元々の魂の素質や性格が関係するのです。ですが、ツバサさんは
魂の素質ないと思うんだけどな、霊感的なものとか無かったし。でも居るなら
「なぁ、精霊。居るなら出て来てほしい」
『でてきて、なぁ、出て来て。いいよ!』
「うっわ!え?精霊?妖精?」
願うって多分声にしなくても良かったんだろうけど、なんとなく呼び掛けてみると知らない小さな声がオレの言葉を繰り返して笑った。かと思ったら腕輪から大人の拳大の炎が突然発生し消えたと同時に小さな小人みたいな物が姿を現した。え、
「おや、炎の精霊ですか。こんにちは、小さなお方。ツバサさんを驚かせてはいけませんよ?」
『ツバサ知ってる。コーヒー好き!見てたよ』
「えーと…もしかして昨日から腕輪に居たとか?」
『いたよ。うでに居たよ』
腕輪の焔ってのも精霊のお陰だったらしい。背はオレの中指くらいしかない、本当に小さい。でもちゃんと服も着てるし髪が炎みたいな色だけどそれ以外見た目的にあまり変わらない。くるくると楽しそうに飛び回ってオレの膝に着地した。
「ふふ、気に入られたようですね。彼のような方は装飾品に宿り攻撃の補助をしてくれたり普段から手を貸してくれるでしょう」
『ツバサ、あったかい。たすけるよ!』
そう言ってまた腕輪の石に帰って行った。石に宿ってたらしい。
神官さんが言うには精霊や妖精って言っても姿や大きさは個体差や種族差があってバラバラらしい。出来る事もそれぞれ違うみたいだけどオレみたいなのは直接聞けるし魔法を使う時に力を借りれる存在が居れば寄って来て力を貸してくれたりもあるそう。
「なんでそんな事してくれるんですか?」
「実は現在魔法を使える者の中でも彼らを
「はぁ…こっちはありがたいですけど」
「フェアじゃニャーとおもってるニャ?ツバサもたよられたらうれしいニャ。そんなもんにゃよ」
MPを多少使うって言ったって結局妖精や精霊の力を一方的に借りているような気がして微妙な顔をしてたんだろう。それまでウエストポーチの中でウトウトしてた白雪にもそんな事を言われた。でもなぁ、頼られるのが嬉しいって言ったってただ
「ツバサさんは優しいですね。気になるのでしたらお礼にお菓子など用意されては?彼らは甘い物は大好物ですよ。そんな貴方ですから見れたのでしょうね」
そう言って微笑まれ気まずさに出してもらった飲み物を飲んだ。オレの場合優しいのではなく元々の性分だと思う。誰かに迷惑を掛けたり、手を借りると言う事にどうしても躊躇いがある。だって魔法だって手を借りずに使う方法がある。それなのにただ
「納得が行かないようですね。今日はここまでにして一度考えられますか?」
「あ、その…すいません。オレから頼んだのに。少し考えたいです」
「謝る事はありません。ツバサさん、始まりの森へ行ってごらんなさい。最近は新人冒険者に期待を寄せる妖精や精霊が多く集まっていると聞いています。気に掛かるのでしたら直接彼以外にも会ってみると良いかもしれませんよ?」
確かにそうかもしれない。オレはそもそも妖精や精霊の事も何も知らない。知らないから余計に引っかかるのかもしれない。
「そうですね、行ってみます。今日はありがとうございました」
お礼を行って応接室を出る。教会を出る途中で来た時に会ったシスターが居たからお礼を伝えてから出て来た。
時間はそんなに経っていなくてまだ昼間だった。丁度昼時だし泉の広場で白雪に探してもらいヘレナさんが言っていた店を探していくつかクロワッサンサンドと飲み物を買って森を訪れた。
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「神官さんと買い物も似合わないよなーとか言ったら失礼だけど生活感が
ないってこういう事か」
魔法の説明一旦終了。私もツバサも疲れたのでw次からはツバサが少し
成長する!す、するよね?する筈、ですw
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