幸運を運ぶ世界
連れ出してくれた人は真っ白の髪に白の兎のような長い耳と灰色の目、どちらかというとかっちりとしたテレビで観る執事みたいな服装だからお付きか魔法とかで戦うタイプなのかもしれない。さっきの人はオレとかヘレナさんの耳に近かった気がする。
「レイズも言ってましたが何故教会に行かなかったんです?音に慣れないのであれば獣人に冒険者ギルドは煩すぎると思いますよ」
「おおかみのお家では人が多い時でも平気だったんでこんなに声がするもんだと思わなくて…」
「おおかみの…あぁ、知らなかったんですか?あそこは店主が獣人でしょう。だから特殊な遮音の魔法が掛かってるんですよ。煩い場所へ出入りしたければ騒音耐性か遮音は身につけなさい」
本気で知らなかった。ヘレナさんが獣人なのは見た目で分かってたけど夜でもそこまで煩く感じなかったのは魔法のお陰だったらしい。魔法って便利だな。
騒音耐性か遮音…。そんなのがあれは確かにほしい。獣の聴力ってちょっと凄すぎる。音が聞こえ過ぎて耳鳴りみたいになってたし。
「どっちの方が覚えやすいですか?」
「個人差があるのでどっちとは一概に言いにくいです。ですが騒音耐性は比較的取りやすいのでは?爆音に耐えていれば取得できます。取得が遅ければ鼓膜がやられますが」
「アレク取得直後回復薬一気飲みしてたな」
「貴方もでしょう。私だけのような言い方は止めなさい。蹴りますか?」
増えた声に対して一気に声が冷たくなった。見た目兎っぽいこの人なら確かにオレよりもっと聞こえるだろう。それにしたって怖い単語が聞こえた気がする。鼓膜やられるって破れるって事か?そんなんも回復薬で治るもんなんだろうか。ちょっとこれは後で白雪に聞こうと思った。
「蹴るな。おら、チビ助。ここと周辺の地図」
「ありがとうございます。いくらでしたか?」
「要らね。もうギルドなんか来んなよ。カモられるぜ?次の取ってきたし、行くぞ」
戻って来た人はオレに何枚もの地図を押し付けると頭に被せられていた上着を回収して、白い人にも声を掛けると立ち去ろうとする。それに白い人も慣れたように頷き、それでは、と追っていってしまう。
「あのっ、オレツバサって言うんです!ありがとうございました!」
「上まで上がってくりゃ覚えてやるよ、チビ助」
改めてお礼を言うけど2人は振り返らないまま、灰色の人は軽く片手を上げてあっという間に立ち去ってしまった。なんかインパクトの強い人達だったな。レイズさんとアレクさんって言ってたっけ。
ちょっと怖い人っぽかったけどあぁいう強い感じの人ってちょっと男なら憧れる。オレがあそこまで育つにはまだまだ掛かりそうだけど…。
「地図って何枚も有るんだな」
改めて確認するとそこそこ大きめの地図が合計5枚。一番上の一枚はでかい教会と裏に孤児院があるからここで間違いないと思うけど周辺ってどういう事だろう。隣の国みたいな事だろうか。
「アイテムボックスにいれればマップとしてみれるニャ」
肩からの白雪の声に活用方法を思い出して折り畳んだ地図を自分の鞄に入れる。昨日と同じようにマップを出すと昨日みたいなほぼ白紙の地図じゃなくアプリの地図みたいにしっかりと細かい地形などが表示された。現在地らしい所にはオレンジ色の猫のマークがされている。
そこはオレに合わせなくても人のシルエットとか普通に丸や矢印で良かったんじゃないかと思う。そして昨日はなかったマイナスとプラスのマークが左上に出来ているのでマイナスの方をタッチしてみると広域地図になった。この世界はどうやら四葉みたいな形をしているらしい。
箱庭って言われてるくらいだからもっと小さいかと思ってたけどそうでもないみたいだ。
希望の国
たまたま聞いた事が有って知ってたけど、この国名って四葉の意味を英語にしただけだ。これを決めた人はオレと同じプレイヤーなんだろうか。何気に野菜とかの名前もちょっと見た目違ったりするけど同じで通じるし、先のプレイヤーが整えてったんだろうか…。
ちなみにこの国が始まりの地。ここだけでも国の大きさとしてはそこそこ大きく始まりの森なんてのもあった。
多分低レベル冒険者の最初のクエストとかがあるようなとこなんだろう。更には森の奥に裏切りの森という所が有りそこはタッチしても何もならなかったからダンジョンかもしれない。 こういうのをみてもオレの課題中
「白雪、始まりの森ってオレでも行って大丈夫か?」
「はじまりのもりにゃらツバサにはただのあそびばニャ。あんしんニャー」
「ふーん、なら森行ってみるか。力とかも試したいし」
特に予定が有る訳でもないし色々試して夕方帰れば良いか。
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『国って事はお姫様とかもいたりするんだろうか…。』
国名のフリガナ、honestだけちょっと怪しいです。必死に翻訳アプリで聞き取りはしたんですが、作者そもそもリスニング弱いのであっているかは不明。英語の強い方もし違ってたら指摘して下さい。修正かけます!
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