4月4日①

 取り敢えず何かネタを考えないと。


 自分が書ける話。

 自分が書いてて面白い話。

 私は小説家ではないのだから、書きたくない話を書く必要はない。

 書いた作品に、自分で愛着が持てる話がいい。


 だって普段から常に、仕事で命令されて書きたいとも思ってないプログラムコードや仕様書書いてるんだから、

 趣味で書く小説ぐらいは、好きなもの書きたい!


 という事で。

 取り敢えず何かネタを考える事にしてみた。


 そんな時。


 おや? カクヨムページの鈴のマークに赤ポッチが。

 さっきこのエッセイを公開したのだが、もう誰か読んでくれたんか?


 そう思い、カクヨムの通知を見る。


 はぅ!

 応援がついてる!

 しかも!

 応援メッセージまで!!


(心の中で)こけつまろびつ、応援メッセージを読む。


 月星 妙さんだ。

 月星さんは僭越ながらフォローさせていただいている。

【こうなったら世界中の男と恋をする!トラベルライター物語】

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885089190

 を読ませて頂いている。

 ニヤニヤしながら。

 こういったハッチャケ話は結構好きである。反面、ハッチャケ具合に自分の黒歴史を思い出させられて、ダメージを食らう事もあるが……


 そんな月星さんからの応援メッセージ。

「4番目のが読みたいな〜と思っちゃいました」


 ……④か。

 暗い話になりそうだったので、速攻で却下したヤツだ。

 ちょっと深く考えてみよう。


 安直で単純な私は、応援メッセージに奮起され、過去却下した④について考察してみる事にした。




 ④ネットストーカーに殺された妹の敵を、IT技術を駆使して探し出して復讐する話



 却下したのは、サスペンス色が強い大人向けの話になりそうだったからだ。

 サイバーセキュリティ小説コンテストが、角川主催である以上、


 ライトノベルは、若年層……特に、10代男子が読むもので、そこ向けに話を書かなければならないと


 月星さんのメッセージで目からウロコがボロリと落ちる。

 そうか。

 別に、そこにこだわる必要ないんだよなー。


 ただ、最終エントリーとしてピックアップされるには、カクヨム読者選考(※読者選考ナシと書いてあるけど、絶対関係してる)の比較的上位……せめて30位ぐらいまでに食い込む必要があるなぁ。

 食い込んだ事ないのに。


 話の本筋は④として、話の流れや散りばめたエピソードを、明るめのちょっと笑える感じにしてみればいいのではなかろうか?


 なるほどなるほど。

 なんかイケそうな気がしてきた。

 気のせいかもしれないけど。




 ありがとう、月星さん!

 なんか薄ぼんやりと、書ける話が見えてきた気がしますよ!




 取り敢えず、④をベースにどんな話を書くのか、メモ帳に浮かんだネタを箇条書きにしていく事にした。


 ちなみに、この『浮かんだネタを箇条書きにする』方法は、仕事でユーザーからプログラム作成依頼された時に、要件を『見える化』する為の方法なのです。

 ユーザーの要望を短くても細かく箇条書きにして、矛盾がないか、無理がないか、規模はどれぐらいになるのかを確認します。

 コレを元に見積もりするんですね。


 あ、見積もりとは、そのプログラムを作るのにいくらかかるのかを書面にして相手に送るモノです。

 見積もりを確認しつつお互いに、高すぎるもっと安くしろや、じゃあこの機能外せやコラ、と、やるのです。


 話が脱線した。




 箇条書きしていきますよー。

(※サラサラ書いているように見えるかもしれませんが、実際は頭を抱えながら、何時間もかけてひねり出してます)


 ・妹をネットストーカーに殺されて、IT技術を駆使して相手を見つけ出し復讐する話

 ・という事は、主人公は姉か兄

 ・もともと技術を持っているか、それか、復讐の為に技術を身につけたか

 ・独りで復讐するのか?

 ・どうやって復讐するのか?

 ・相手を殺す?

 ・いや、ネットストーカーと同じ事をやり返すのは違う気がする

 ・折角IT技術があって人を特定できる能力があるのだから『社会的に』抹殺する話でどうだろうか?

 ・でも、それって話の読後感的にどうだろう?

 ・折角なら読後感は良いものにしたい

 ・どうすれば読後感が良い復讐話になる?


 ……詰まった。

 しかも、ネタの羅列じゃなくて、頭の中の押し問答を羅列しただけだった……


 悩むな!

 感じろ!


 ダメだ!

 何も感じない!


 降ってきてネタ!

 小説の女神様! 微笑んで!!




 降ってきませんでした。


 社会に揉まれ、

 使い潰されてボロボロで、

 限界まで税金を搾り取られた、

 人の形をした搾りカス、

 または

 消しゴムのカス、

 もしくは

 生グレープフルーツサワーの絞り切ってもう一滴も落ちないグレープフルーツ。

 そんな底辺の人間には、

 人の心を動かす話は書けないのだろうか……




 締切まで、あと約5カ月。




 と、そんな時。

 メール着信のポップアップが出た。


 誰かがまた応援メッセージを入れくれたみたいだ!

 見てみよう!!

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