募集開始前〜4月2日②
サイバーセキュリティ小説コンテスト。
まずはそのコンテストの内容から、求められている作品について考察してみる事にしました。
以下、サイバーセキュリティ小説コンテストの応募要項コピペ(※)
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君の物語(ストーリー)で世界(ネット)を救え!
JNSA(特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会)がカクヨムと組んで、サイバーセキュリティ小説コンテストを開催致します。サイバーセキュリティをテーマとする小説を募集します。皆様の創作意欲を高めるセミナーを開催したり、ご質問にも対応する機会を設けることも検討していますので、難しく考えなくてOKです。
ジャンルもSFから異世界、日常でも、あなたの体験でも構いません。参加も自由です。
プロでもアマでも企業の中の人でもビギナーでも問題ございません。年齢、性別も問いません。読めばサイバーセキュリティに興味が湧くような魅力的な小説をお待ちしております。大賞受賞作品は、角川スニーカー文庫から出版を予定しております。
(※協賛・後援会社は省略。名だたるIT系会社。中にはセキュリティメインの企業も。お世話になっております)
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これを読んで、私が察したポイントは
『読めばサイバーセキュリティに興味が湧くような魅力的な小説をお待ちしております』
の部分。
『サイバーセキュリティに興味が湧くような』
つまり、
今はサイバーセキュリティに興味がない人をターゲットとしてる。
サイバーセキュリティに興味がない人間てどんなだろうか?
サイバーセキュリティ
つまり
ネットのセキュリティ
と読み替えても問題ない筈。
ネットのセキュリティに興味がない
つまり
ネットが危険な世界だと知らない人達
もしくは
そもそもネットにもさほど興味がない人達
それがターゲットなのだろう。
その事に気付いて、私は『ゆゆしき問題なのでは?』と思いました。
それは、このコンテストの選考方法に関係があります。
選考方法は以下の通り
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応募された作品の中から、読者選考によるランキングも参考に、編集部からピックアップされた作品が最終選考対象作品としてエントリーされます。最終選考では、選考委員が大賞作品を選定いたします。
応募受付期間中の読者による評価が、ランキングに反映されます。
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読者選考によるランキングも参考に
とてつもなく見たくなかったその一文。
つまり、
まずは☆やらPVやらを掻き集めて上位に食い込まないと、そもそも編集者選考される可能性がとてつもなく低くなるという事だ。
下読み(※)もされない可能性がある。
では、カクヨムユーザーは、『ネットが危険な世界だと知らない人』『そもそもネットに興味がない人』なのだろうか?
いや。
web小説を書いたり読んだりしている人達は、比較的ネットの世界に親和性が高いだろう。
そして、ネットを利用する危険性もある程度知ってる人達なのではなかろうか?
そもそも。
カクヨムでは、テンプレ異世界転生・転移の、チートやハーレムものが上位になる傾向が強い。
つまり、
前回私が思いついた範囲だと、却下した①と②混合案、テンプレ設定でネット世界に転移してのチート異能バトルで擬人化ハーレムものでないと、上位に食い込めない可能性がある。
しかし。
募集している企業が求めているものは、
広く色んな人の興味を惹く本=売れる本である。
偏ったジャンルでは、ごく一部にしか売れない。
ごく一部にしか売れない本を、協賛している企業は売りたいと思うか?
否。
つまり。
カクヨムの偏ったユーザーの心を掴みつつも、
広く一般受けする話を書かなければならない。
無理。
テンプレを好むカクヨムユーザーの読者選考を突破し、
プロの編集者ではあるがネットのプロではないカクヨム編集者選考を突破し、
ネットのプロである各セキュリティ企業の心を掴むもの
レベル高ッ!!
普段ですら殆ど読まれないモノしか書けない私にはハードル高過ぎ!!
しかもなんちゃってIT用語でお茶を濁す事も出来ない!!
さようなら100万円……
そんな時、前髪しかない後頭部ツルツルの神様が目の前を通り過ぎる。
笑かそうとしてんのかその髪型。
そんなツッコミは置いといて。
私はそんな出オチを狙う若手お笑い芸人のようなチャンスの神様に、全力タックルをかます。
そもそも応募しなければ、100万円を手にするチャンスすらないのだ!
宝クジも買わないと当たらない!
ダメでもともと!
取り敢えず書け!
悩むな!
感じろ!
そうして私は、求められているハイレベルな作品の事も、読者の傾向についても忘れる事にした。
『サイバーセキュリティ』というコンセプトで、私が書ける私が好きな話を書けばいい。
私はそう結論づけ、真っ白なメモ帳に向かうのでした。
締切まで、あと約5ヶ月。
……読者選考を考慮すると、締切なんて意味ないけどな……
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※コピペ
コピー&ペースト(貼り付け)の略。
ネットでは比較的認知されているが、もともとはIT用語。
ある一定の世代より上には伝わらない。
※下読み
小説などの公募の時に、好みとは無関係に取り敢えず読んでみて、作品として成立しているか、致命的な点がないかどうかの最初のふるいにかける作業の事。
全ての作品をまず読んでみる為、恐ろしく時間と人件費というコストがかかる。
読者選考って、つまりそのコストを削る為の、経費削……ゲフンゲフン。
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