失敗と中止と
H3ロケットの打ち上げついて。
「失敗」と評する一部マスコミもありますが、今回は「中止」ですね。言葉遊びのようにも思えますが、エンジニア視点からするとJAXAの言うように「中止」「中断」ですね。今回は、異常が見つかったから打ち上げを止めた、つまり「フェールセーフ機構」がうまく働いたということ。
たとえば飛行機の場合だと、滑走路に着陸しようとした飛行機が、何らかの理由(積雪とか事故とか)によって着陸を諦めた――着陸復行、ゴーアラウンドと同じことです。飛行機が着陸できなくても、着陸失敗とはいいませんよね?
日本以外の国、アメリカやロシア、中国、インドで同じような原因で打ち上げ中止になったとしても、失敗とは言わないでしょう。トラブルで打ち上げが延期されることはよくあることですからね。
なぜかは知りませんが「失敗」にしたい一部勢力があるのは、ここからは少し邪推が入りますが、H3が世界からも注目されていたことと、直前に同じ三菱重工の「スペースジェット」の開発が中断されたことが関係しているように思います。注目されているだけに、「失敗」とした方がインパクトがありますし、「スペースジェットが失敗したんだから」というイメージに引っ張られたということも考えられます。仮にそうだっとしても、今回の中止を失敗と言い切ってしまうのは、知能が(ピーピー)か何らかの政治的意図があるのかと感じてしまいますね。
スペースジェットに関しては、機体そのものは飛んでいるわけで、失敗は失敗でも「ビジネス的な失敗」あるいは「政治的な失敗」と言った方が正確でしょう。
タイミング的にも悪かったと思います。FAAがコクピット周りの規定を変更した直後に申請することになったので、それまでの知見が活かせませんでしたから。そもそも、国土交通省航空局が、FAA準拠という名の下に、自分たちで規格を作ってこなかった、悪く言えばFAAの丸写しで良しとして、責任を取りたがらなかったということが根っこにあります。国策としてYS-11の再来となる国産航空機を作り上げようというならば、日本独自のルールを作って認可すれば良かったのです。官僚たちはそこまで決断できなかった。政治家も航空業界に詳しい人間がいないのか、ぜんぜん協力しているようには見えなかった。本当に残念。スペースジェットに関しては、他にも言いたいことがあるけれど、長くなるので止めておきましょう。
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