リュウグウに水があった!

 探査機「はやぶさ2」が、小惑星『リュウグウ』から持ち帰ったサンプルの中から、約46億年前――つまり太陽系が誕生した頃の水が見つかったという論文が、サイエンス誌に掲載されたそうです。


 サンプルの極々微小な空洞から見つかったのは、有機物や塩などが溶けた炭酸水だそうです。これまでに水が存在した痕跡は見つかっていましたが、実際に水を見つけられたのは大きな発見です。

 リュウグウは元々、直径100km程度の天体の一部であったと考えられており、水はその母天体の形成時に閉じ込められたものではないかと思われます。


 今回の発見は、“地球の海はどうやってできたのか”という問題の答えになるかもしれません。つまり、水分を含む隕石が大量に降り注ぎ海が出来たのではないか、という仮説の証拠になるかも知れないのです。また、有機物が含まれていたことから、地球の生命も宇宙からもたらされたとするパンスペルミア仮説を補強することになるかも。

 さらには、地球以外でも水が液体として存在するなら、そこに生命が発生しているかもしれないという期待が生まれますね。


 分析が開始されてから、まだ1年とちょっとしか経過していない段階で、こうした大きな発見があったということは、今後、分析が進んで行けばもっと面白い発見があるかもしれません。


 来年2023年には、「OSIRIS-REx」も地球に戻ってきます。JAXAとNASAは、「はやぶさ2」と「OSIRIS-REx」のサンプルを相互に分析する協定を結んでいるので、そちらも楽しみです。

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