ネット支えるTCP/IP

 インターネットを利用しているなら、一度くらいは「TCP/IP」という言葉を聞いたことがあると思います。TCP/IPとは、Transmission Control ProtocolとInternet Protocolというふたつの技術の名称です。簡単に言ってしまうと、通信をやりとりする際の手順です。TCP/IP(だけではありませんが)によって、ネットワークが構築されているのです。


 Protocolプロトコルを日本語にすると、手順とか規約とかそんな意味になります。ちなみにスター・ウォーズに登場する「C-3PO」は、プロトコルドロイドと呼ばれる、異種族間の仲立ちをする存在です。日本語訳だと、儀礼ドロイドあるいは通訳ドロイドなどと呼ばれますね。


 IPでは、ネットワークに接続されている個々の機器に「IPアドレス」という識別番号を割り当てます。いわば、ネットワーク上の住所アドレスですね。IPアドレスには、「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)」があります。前者は管理団体が管理しており、世界で重複しないようになっています。たとえば、カクヨム(kakuyomu.jp)であれば、「54.249.90.97」というグローバルIPアドレスが割り当てられています。でも、サイトにアクセスするたびにIPアドレスを打ち込むのは面倒です。そこで登場するのが「ドメイン名」です。カクヨムであれば「kakuyomu.jp」がドメイン名ですね。このドメイン名をブラウザなどに打ち込むと、「DNSサーバー」にリクエストが送られて、IPアドレスが判るしくみです。このシステムを「ドメインネームシステム(DNS)」と呼び、DNSによってIPアドレスが判明することを「名前解決」と言います。


 一方、ローカルIPアドレスは、社内LANや家庭内LANなどのようなプライベートネットワーク内で割り当てることができるIPアドレスで、比較的自由に設定できます。ルーターには、プライベートIPアドレスを自動で割り当てる機能が搭載されています。LANからインターネットに接続する際には、ルーターがグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを変換しているのです。


 一方、IPの上に位置するTCPは、さらに上のアプリケーション層に位置するプロトコル(HTTPなど)とIPの橋渡しを行うプロトコルです。インターネットでは、このように機能毎にいくつかの階層からなる構造となっています。


 ところで、グローバルIPアドレスは重複しないと書きましたが、インターネットが普及するにつれてIPアドレスの枯渇が問題になりました。現在、主流となっているIPアドレスは「IPv4」と呼ばれるもので「xxx.xxx.xxx.xxx」と8ビットごとにピリオドで区切って表記される、32ビットの値です。32ビット、すなわち2 32個、およそ42億9500万個あるのですが、インターネットに接続できる機器が増えることで、空いている数もどんどん少なくなっています。

 そこで考えられたのが、128ビットの「IPv6」です。約3.40×10 38個のアドレスが使えます。IPv6に対応しているプロバイダもありますが、まだまだ普及はしていません。IPアドレス枯渇問題が言われるようになってから既に十数年経っていますが、なんとか(IPv4)で使えちゃっていますからねぇ。


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