科学研究とお金の話

 2020年2月22日、大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」による観測が開始されました。KAGRAは、「スーパーカミオカンデ」「ハイパーカミオカンデ」と同じ、神岡鉱山跡に建設されています。重力波やカミオカンデに関しては別途解説するつもりですが、今回はちょっとシリアスなお金の話を。はしやすめ的な内容ですが、ここは敢えて。


 KAGRAやハイパーカミオカンデとは逆に、今、危機に陥っている科学施設が野辺山天文台(野辺山宇宙電波観測所)です。日本を代表する電波天文台として、1969年から運用されています。ところが、2019年からは、三鷹の国立天文台からリモートで操作されています。理由はもちろん、予算不足です。

 ほかから回せばいいじゃないか、と思うかも知れませんが、じつは「すばる望遠鏡」も含めて予算が大幅に削減されており、すばる望遠鏡を延命させることで手一杯、野辺山まで手が回らない状態だそうです。

 政府としてリソースに限界があることは分かりますが、正直なところこれでいいのか? と思わずにはいられません。どの分野とは言いませんが、そんな大金必要なの? と思える分野にも予算が付いていることを考えると、もう少し予算配分を考えて欲しいなと、いち有権者は考える訳です。


 近年、日本人でノーベル賞を受賞される方も多いのですが、ほとんどは過去の功績、何十年も経ってやっと認められたという研究です。国も教育機関も、基礎基盤研究にお金をかけなくなった今、世界に貢献できるような研究成果がどれだけ出てくるのか。

 そして、私たちに何ができるのかを、ちゃんと考えないといけないなと思っています。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る