空飛ぶクルマ

 珍しく次回予告などしてしまいましたが、単純に長くなり過ぎたので分けたということです。


 「空飛ぶクルマ」を簡単に言うと、文字通り空を飛ぶこともできる車で、もちろん、道路を走ることもできます。元々は、都市部での渋滞を何とかしたい、というアイディアから生まれたもので、かなり昔から研究はされていました。私が子供の頃には、子供向け雑誌に掲載されていた未来予想図で、チューブトレインなどとともに空飛ぶクルマが登場していました。懐かしい。近年になって急に現実味を帯びてきたのは、背景にはリチウムイオン電池/燃料電池の登場やドローンの普及があると思います。


 現在、空飛ぶクルマの研究には、さまざまな企業が参入しています。日本だとトヨタとパナソニックとか、NECとか。経済産業省もバックアップしています。


“空飛ぶクルマ”の実現に向けたロードマップを取りまとめました

https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181220007/20181220007.html


 ただ、空飛ぶクルマの実現には、課題も多く残されています。技術的な課題としては、たとえば電池の安全性が必要です。航空機に使用する電池の場合、一般に使われている電池よりも耐久性も効率も求められます。もちろん車のバッテリーで起きるような液漏れなんてもってのほかで、全固体電池の登場が強く望まれる理由のひとつでもあります。

 技術的な課題の他に、法律の壁もあります。大まかに航空機は航空法、自動車は道路交通法があり(その他にもいろいろな法律が絡みますが省略)、それぞれの法律に抵触しないようにしなければなりません。たとえば、公道を走るためにはウィンカーやブレーキ、ナンバープレートなどが必要になりますし、航空法では空港の近くでは許可なく飛行できません。

 もっと現実的な問題として、電線と離着陸する場所の問題もあります。電線に接触しないような運用方法が望まれるのです。


 さて、アメリカのタクシー配車サービスで大きくなったUberは、将来、都市部の中を飛び回る「空飛ぶタクシー」の構想を公開しています。


https://www.uber.com/us/en/elevate/


 Uberのビデオでは、地上走行のシーンは出てきません。彼らはことにこだわらず「アーバンモビリティ」として、点と点を結ぶ手段と捉えているようです。どちらかと言うと公共交通機関のようなイメージでしょうか。


 ビルとビルの間を結ぶモビリティであれば、電線の影響を受けることもないので日本でも可能かと思います。都市部だけでなく、地方空港と地方空港を結ぶとか、高速道路に専用のポートを作って、都市部と結ぶとか、いろいろビジネスモデルは考えられます。

 究極としては、既存の「走るクルマ」が「飛ぶクルマ」に置き換わり、呼べば飛んできて目的地まで乗せてくれる──なんて未来になるのかも知れません。



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