接近する小惑星を見つけるのは大変

 プラネタリーディフェンスの話をもう少しだけ。


 2019年7月25日に、「2019 OK」と名付けられた小惑星が、地球から四万五千マイル(約七万二千四百キロメートル)の距離を通過しました。軌道はNASA JPLのサイトを参照↓。


JPL Solar System Dynamics - 2019OK

https://ssd.jpl.nasa.gov/sbdb.cgi?sstr=2019OK;old=0;orb=1;cov=0;log=0;cad=0#orb


 2019 OKの大きさは、59~130メートル。日本スペースガード協会によると、これが東京を直撃したら、二十三区内は全滅するくらいの規模だったとか。


 2019 OKで問題となるのは、地球に接近していることが判明したことです。潜在的に危険な小惑星PHAの多くは、世界中でその動きを監視しており、直径百メートルまでの小惑星に関しては、ほとんどの動きを把握しています。百メートル以下の小惑星は、現在の技術では発見が困難なのですが、2019 OKに関しては存在していることは確認されていました。

 では、なぜ接近間近になるまで気が付かなかったのかといえば、答えは小惑星の軌道にあります。地球から見ると、2019 OKはまっすぐこちらに向かってくる軌道なんですね。つまり、時間経過で位置が変化しない。地球から見ると、変わらずそこにあるから動いている(接近している)ようには見えない。発見できたのも、明るさ(等級)が変化したからで、最悪、通り過ぎるまで気が付かなかった可能性もあります。たまたま今回は地球に衝突しませんでしたが、七万キロメートルなんて天文学的に見ればとてつもなく近い距離です。


 現在把握している直径百メートル以上の小惑星が、今後百年で地球に衝突する可能性はないと言われています。ただ絶対ではありません。この記事を書いている11/18にも「2019UR2」という小惑星が地球近傍を掠めて飛んでいきました。

 小惑星の衝突なんて小説や映画の中だけの事、とは言い切れません。しかし、私たちにできることはあまりありません。政府に対して小惑星監視に予算を分配してもらうよう働きかけるとか、子供を天文好きにするとか(笑)そのくらいでしょうか。


-------ここから雑談---------

なぜか「科学技術の雑ネタ」の「身近な電磁誘導」だけ、PVが突出してるんですが(11/18時点で1600超)。なんでだろう? Google アナリティクスを見ても変なアクセスはないし、よくわからない。変なアクセスがあると、運営に不正を疑われかねないかも。


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