紙とペンと科学雑学と
KAC4のお題であった『紙とペンと○○』。確定申告で忙しかったので、参加はパスしたけれどネタだけは思いついていました。そのエッセンスだけをこのエッセイの1エピソードとして残しておこうと思います。だって、もったいないじゃん。
・インクのにじみ
鉛筆の芯が紙との摩擦によって削れ、表面の凸凹に付着することで文字などを書くことができます。インクの場合は、インクが紙を構成する繊維の隙間に浸透します。繊維の隙間が大きかったり、インク以外の水分があったりすると、紙ににじみができます。
万年筆などを使うとき、にじみが味になることもありますが、写真印刷においてにじみは大敵です。そのため、インクジェットプリンタの専用紙は、繊維の隙間をなくすように表面をコーティングしています。また、インクも染料系ではなく、粘り気の強い顔料系を使う機種もあります。
・鉛筆で溶接
鉛筆(あるいはシャープペンシル)の芯に電流を通すことで、アーク溶接装置になります。黒鉛の含有量が高い方が、伝導率も高くなるので、HよりはB、2Bといった鉛筆の芯を使う方がいいでしょう。でも、良い子はマネしちゃだめよ。
・シャープペンシル
家電で有名なシャープの社名は、創業者である早川徳次が開発した早川式繰出鉛筆、現在のシャープペンシルに由来します。また、工業系大学や専門学校では常識ですが、製図用のシャープペンシルもあります。ロットリングとセットで購入したりしました。
・サインペン
大日本文具(現ぺんてる)が開発したサインペンは、毛細管現象を利用しているため上を向いても書けます。この特性から、ジェミニ6号と7号のランデヴー実権の際、筆記具として採用されました。
・消えるインク
フリクションボールペンで書いた文字は、擦ることで消えます。フリクションボールペンで使われるインクには、(1)ロイコ染料(発色剤)、(2)顕色剤、(3)変色温度調整剤という三つの成分が含まれています。常温では、(1)と(2)が結合することで色が出ます。ところが、擦られることで温度が上がると、(2)と(3)が結合してしまいます。(1)は単独では発色しないため、インクは透明、つまり消えてしまうのです。ちなみに、温度を下げる(冷やす)ことで、再び(1)と(2)は結合しますから、フリクションボールペンで消した文字を復活させるには、冷蔵庫などに入れて冷やせばいいのです。ミステリーのネタになりそう、というかもう誰か使っているかも。
さらに余談ですが、開発元の(株)パイロットコーポレーションでは、“インク”ではなく、“インキ”と表記します。
・ハッパフミフミ
パイロットと言えば、大橋巨泉のこのフレーズ。パイロット万年筆のCMで使われました。「みじかびの きゃぷりきとれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ」。CMはロングバージョンとショートバージョンがありますが、ロングバージョンの方が好きですね、意味なさ過ぎて。時代的にも、こうしたナンセンス、今で言えばシュールな表現が若者の間ではもてはやされていました。そうした風潮にお年寄りは眉を顰めたものですが、今の若者の流行に対しても昔若者だった人たちが眉を顰めるという、正に「時代は繰り返す」訳です。元号が変わっても、「今の若い者は……」的なことは起きるでしょうねぇ。
・でぃす・いず・あ・ぺん
荒井注のギャグ。え、知らない( ゚Д゚)? なんだ、バカヤロー。
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