時間という単位

 異世界ものを読んでいて気になるのは、「時間」というものの扱いがぞんざいなことです。異世界人が平気で「一時間半くらいかかる」なんて台詞を言ったら、「えっ!」と思います。それは自分で書いていても同じで、異世界の時間単位をどうするかとても悩みました。そんな細かいことが気になるんですよねぇ。なので、時間の概念を抽象的に「朝・昼・晩」くらいにしてしまいました。

 時間の扱いは本当に難しくて、たとえば地球と火星であっても、一日の長さもズレがありますし、一年の長さも違います。水星に至っては一日の長さが二年という、なんのこっちゃな現象になるわけです(水星の自転が遅いため)。


 では、私たちの世界、実在する地球では、時間をどう決めていったのでしょうか。古代バビロニア人は、まず昼と夜とを分けて、昼は太陽の動き、夜は星座の動きで時間を計っていたそうです。夜空を360度に分割して星座を割り当てていった星座時計が、現代にも伝わる占星術の基礎と言われています。

 一年を365日と六時間に定めたのは「ユリウス暦」ですね。この時からもううるう年があった訳です。現在使われている「グレゴリオ暦」は、1582年に作られました。どちらも地球の自転を基本にしていますから、微妙なブレも出てくるのです。

 剣と魔法のような中世っぽい世界で、現代の地球と同じ時間単位が使われているとは考えにくいですね。たとえ、その世界が未来(あるいは過去)の地球であっても、自転速度は違っているので、時間単位も変わってくるはずです。

 中世といえば、13世紀の終わり頃に登場したヨーロッパの時計には、針が一本しかなかったそうですよ。


 現代では、「一秒」がきっちり決められています。というか、地球の動きから決められた一秒に近いもので、影響を受けにくくずーっと同じものを探してそれにした、という方が正確かもしれません(;´∀`)

 現在の一秒が決められたのは1967年のこと。その定義は、「セシウム133原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移に対応する放射の9 192 631 770周期の継続時間」となっています。


 一秒はきっちり決まっていますが、年単位になるとやはりズレは残っています。なのでうるう年は今も残っているわけですが、1972年からは「うるう秒」も導入されました。うるう年と違って、うるう秒は不定期です。2018年にはうるう秒はありませんでしたが、2017年1月1日にはうるう秒があり、一秒、長くなっています。


 不思議なもので、歳をとるに従って一日が短く感じるようになります。きっと誰かに時間を盗まれているのでしょう(ノД`)かえして~


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