体重計のしくみ

 前回、体重の話をしたので、体重計のしくみについても紹介しておきましょう。


 昭和の頃、銭湯には必ずあった体重計の基本原理はバネばかりです。バネの伸びた分と荷重の量が比例するという、フックの法則(弾性の法則)を使っています。台に乗った時の音は、バネが伸びる音ですね。なつかしい。

 でも、銭湯の体重計は大きすぎて、一般家庭には入りません。そこで作られたのが家庭用体重計です。上の蓋になっている部分を外すと分かりますが、こんな形→/ ̄\(コの字の開いている部分をぐっと広げた感じ)をした鉄の板が大小ふたつ重なっています。これは、それぞれの頂点部分を支点にしたになっていて、体重を小さな力に変換し、それに連動したバネの伸び、あるいは歪みゲージで計測するしくみです。

 てこの原理は、ボクサーが計量の時に使う天秤ばかりにも使われています。


 さらに現代になると、薄い体重計、電子式体重計が登場します。体重を直接歪みセンサーで計測するため、厚みが薄くなるのと同時に、身体の組成も計測できるようになりました。身体が持つ脂肪の割合(体脂肪率)をきちんと計る場合、アルキメデスの法則を利用した水中体重計速法が用いられますが、大規模な設備が必要になります。今の体重計/体組織計では、もっと安価で機器が小さくてすむ生体インピーダンス(BI)法が使われています。BI法は、簡単に言うと弱い電流を身体に流して、その抵抗値から体脂肪の量を推定する方法です。ただ、年齢差や体格差など個人差が大きいため、あまり正確とは言い切れません。目安程度と考えた方がいいでしょうね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る